素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

不信の増大

2024年01月07日 | 日記
 新年のイベントで、ホンダの販売店の方との話の中で新年早々の能登半島地震や航空機衝突事故の他に、昨年にあったビッグモーターやダイハツの問題が直接関係はないが、業界に対する信頼感を失くしたという点で大きかったと話されていた。

 点検整備に関しての話は信頼関係がベースにあってこそ成り立つ。不信を持たれたらどんなアドバイスにも耳を傾けてもらえなくなり、そのことがお客さんの安全を損なうことにつながってしまうことを危惧している。という話はよく理解できる。

 物事にはそれぞれの専門家がいて、その道の専門家に任せるのが良いという意味で「餅は餅屋」という言葉が古くから使われている。「餅は餅屋」を英語で表すと「Every man knows his own business best」となり、「誰もが自分の専門のことは一番よく分かっている」と訳されている。

 今の家を作る時、営業の人に間仕切りのことで要望を出すと「できます、できます!」と引き受けてくれたが、実際に大工さんに要望を出すと「かえって使い勝手が悪くなるのでやめたほうがいい」と言われた。大工さんのアドバイスに従ったのだが、完成した時にその正しさがわかった。

 これまでさまざまな場面で「餅は餅屋」ということを経験してきたので、「餅は餅屋に任せれば良い」を大原則にしてきた。しかし、今社会全体に専門家への不信感が増幅しつつあるように思える。

 人からの信頼は、銀行口座のように増減するものだと思う。個人でも社会(会社、政党、行政、司法など)でもそれぞれの「信頼口座」の貯えを増やすことが大切である。

 友人との約束を守ったり、気遣いをすれば信頼口座の残高は増える。逆に、無礼な振る舞いや不誠実な態度を取れば信頼口座の残高は減る。毎日会う同僚には話せなくても、数年ぶりに会う旧友に思いを打ち明けられることがあるのは、お互いに長年培ってきた信頼口座の残高が十分あるからだ。

 社会のことはともかく少なくても自分自身の「信頼口座」が枯渇しないように日々を過ごしていきたい。
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