素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

中村仁一さんから贈られた言葉

2024年01月12日 | 日記
 中村仁一さんの「大往生したけりゃ医療とかかわるな~「自然死」のすすめ~」はインパクトの強い本である。特別養護老人ホームで常勤の配置医師として12年余り勤めて来て、介護の現場で最後まで点滴注射も、酸素吸入もいっさいしない「自然死」を数百例見てきたという経験からの言葉だけに一読の価値はある。

 その本の最後に、私にお「贈る言葉」と題して5つのことが書かれてある。
①起きて半畳 寝て一畳 天下取っても二合半  (その心は?)☞できるだけ小欲に徹せよ

②天命に任せて人事を尽くせ   (その心は?)☞一般的には「人事を尽くして天命を待つ」です。しかし、私には、人事を尽くせば天命も変えられるはずというような、思い上がった響きが感じ取れ、あまり好きではありません。それよりも、能力一杯手抜きをせずに事にあたり、そして結果は気にしないという方が好きなのです。わが国では、天命を待つといいながら、結果が悪ければ人事を尽くさなかったせいではないかと非難されかねない雰囲気が感じられて嫌なんです。

③縁を大切に   (その心は?)☞)人との出会いは不思議な縁という外はない。「自分の死」のみならず「相手の死」も視野に入れ日々を大切に過ごすことが大事である。

④渋柿の 渋がそのまま 甘さかな  (その心は?)☞道歌にも「悪しきとて ただ一筋に捨つるなよ 渋柿を見よ 甘柿となる」「煩悩も もとは菩薩の 証拠には 渋柿を見よ 甘干しになる」がある。

⑤人生は「苦」であると明らめよ    (その心は?)☞2500年も前に、釈迦が気づいた、生、老、病、死が「苦」で、人間の思い通りにならないものというのは永遠の真理で、時代が移って、少しばかり医学が発達したからといって変わるはずのないものである。 
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