素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

片づけで 昔の三日坊主と ご対面

2024年01月24日 | 日記
 昨日ふれた長谷川眞理子さんの「切実さ あってこそ」の中の『「私はこのように生きたい」と考えたとしても、若い時は仕事で手いっぱいでそうする余裕はなかった。自分を取り巻く諸状況に絡め取られていて、いつも、そうせねばならないことを精一杯しているだけで時間が過ぎていったものだ。働き盛りというか、働いて生活している限り、そんな状況は当然だろう。たとえ、休日だとしても、自分自身の思い通りに一日を過ごせるわけではない。そんな日常だとしたら、何か「今年の願望」のようなものを立ててみても、続かないのは当然ではないか。』という言葉をかみしめながら「新年早々にスイッチの入った片づけ」を実行しているのである。

  片づけをしていると、棚の上に積み上げてあった箱や納屋の奥などで、「よし~をやろう!」と思いたったものの3日坊主に終わってしまった『見たくない物』と対面することになる。

 先日片づけた「近代文学館名著復刻版全集」を買ったのは「もうちょっと名作と言われている本を読んでみたら」」と高校生の頃に母からよく言われたことが根底にあった。星新一のショートショートや精神科医の島崎敏樹さんの『感情の世界』(岩波新書)、『心で見る世界』(岩波新書)『心の風物誌』(岩波新書)、『心の眼に映る世界』(社会思想研究会出版部)『心の風物誌』(岩波新書)、『現代人の心』(中公新書)『幻想の現代』(岩波新書)ばかりを読んでいたので偏食ぶりを心配してのアドバイスだったと思う。私自身も世間一般に知られている名作を読んでいないというコンプレックスみたいなものがあった。その後の大学生活でも、山本周五郎、森本哲郎など片寄りぶりは続いた。そして就職して訪問販売員が持って来たのが「近代文学館名著復刻版全集」だった。一念発起「どうせ読むなら」と衝動的に予約してしまった。

 しかし、長谷川さんの言う通り仕事と子育てに追われ本箱の飾りとなってしまった。片づけをしながら「切実な要求のない本は買うべきではない」ということを心に刻んだ。

 他にも、「パズルコレクション」「江戸三百藩」「和時計をつくる」など三日坊主に終わったシリーズものがある。目につかない所に押し込んでいたが、ご対面してきっちりと自分の手で始末をつけなければいけない時期に来た。という強い心の声に動かされている。
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