にんげんを受け入れて人参の花 田島健一
人参の花のひとつ一つは小さく白い。
その小粒の花の集合体として咲いている。
季語としては初夏だが、
今年は何もかも早いから、もう咲いているかもしれない。
季語は、俳句にとって絶対条件ではなく、
むしろ季語に寄りかかりすぎるほうが問題だ。
季語を消す、殺す、裏切る句はいくらでもあり、
俳句を最短詩文学とするならば
そのくらいの気概がほしい。
季語の説明のような句は駄句だ。
さて、掲句、
「にんげん」と「人参」の韻を掛けている。
さらには、「入」と「人」も仕掛けているだろう。
にんげんが受け入れられれば、
万々歳といったところだろう。
「季語を消す、殺す」・・・もー、ここが詩であります。