『現代俳句』2015・6月号「列島春秋」・「春秋余滴」より
「夏潮音石牟礼道子さんの旋律」
「石牟礼道子」
『苦海浄土』の作者である。その著は、当時の私の心的切迫感に感応したのだった。
彼女には、水俣病患者さん達の魂魄の叫び声が聞こえている。そして、うち震える
五感で応え、巫女の如くに語り部の如くに話し出す。それは、同著の名が示す通り、
真実、彼女の詩的世界でもあった。哀切を込めて寄り添い、流暢な方言を駆使して、
読者の胸底を揺り動かすのである。だから読者は、不知火海を沖の恋路島を見に
行き、その語りと潮音の重なりを聴くことになる。そうして、有機水銀ヘドロの海を埋
め立てた場所に立ち、フクシマをも思うのである。
そこは、原因企業チッソ工場の排水口跡地。
以前ブログでも書いていたことですが、
たったの270文字で、
恐れ多いことに石牟礼道子氏について書く
という無理難題。
なんとか、無事掲載されて安堵していますが、
これでよかったのかどうかが~
正直心配。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
後日談(6月22日記)
ある方を通して石牟礼道子さんの御入所先がわかったので、
一週間前に掲句を収録した拙句集と現代俳句の拙文コピーを送らせて頂きました。
そうしたら、ご丁寧に、代理というお方から、
ご病状とお礼の御葉書を頂戴いたしました。
こちらこそ、深謝です。
「夏潮音石牟礼道子さんの旋律」
「石牟礼道子」
『苦海浄土』の作者である。その著は、当時の私の心的切迫感に感応したのだった。
彼女には、水俣病患者さん達の魂魄の叫び声が聞こえている。そして、うち震える
五感で応え、巫女の如くに語り部の如くに話し出す。それは、同著の名が示す通り、
真実、彼女の詩的世界でもあった。哀切を込めて寄り添い、流暢な方言を駆使して、
読者の胸底を揺り動かすのである。だから読者は、不知火海を沖の恋路島を見に
行き、その語りと潮音の重なりを聴くことになる。そうして、有機水銀ヘドロの海を埋
め立てた場所に立ち、フクシマをも思うのである。
そこは、原因企業チッソ工場の排水口跡地。
以前ブログでも書いていたことですが、
たったの270文字で、
恐れ多いことに石牟礼道子氏について書く
という無理難題。
なんとか、無事掲載されて安堵していますが、
これでよかったのかどうかが~
正直心配。
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後日談(6月22日記)
ある方を通して石牟礼道子さんの御入所先がわかったので、
一週間前に掲句を収録した拙句集と現代俳句の拙文コピーを送らせて頂きました。
そうしたら、ご丁寧に、代理というお方から、
ご病状とお礼の御葉書を頂戴いたしました。
こちらこそ、深謝です。
切迫感、緊迫感、感応、共感、そして、祈り。
短い文章の中で、伝わってきました。
苦海浄土…
埋め立てられた土の上で聞く潮音が風音が、どんなふうに聞こえるだろうと想像したら、立っていられないような気がしました。