続・知青の丘

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

「夏潮音石牟礼道子さんの旋律」(知青の句)

2015-06-04 17:10:19 | 俳句
                『現代俳句』2015・6月号「列島春秋」・「春秋余滴」より

 「夏潮音石牟礼道子さんの旋律」

          
  「石牟礼道子」

『苦海浄土』の作者である。その著は、当時の私の心的切迫感に感応したのだった。
彼女には、水俣病患者さん達の魂魄の叫び声が聞こえている。そして、うち震える
五感で応え、巫女の如くに語り部の如くに話し出す。それは、同著の名が示す通り、
真実、彼女の詩的世界でもあった。哀切を込めて寄り添い、流暢な方言を駆使して、
読者の胸底を揺り動かすのである。だから読者は、不知火海を沖の恋路島を見に
行き、その語りと潮音の重なりを聴くことになる。そうして、有機水銀ヘドロの海を埋
め立てた場所に立ち、フクシマをも思うのである。
そこは、原因企業チッソ工場の排水口跡地。

以前ブログでも書いていたことですが、
たったの270文字で、
恐れ多いことに石牟礼道子氏について書く
という無理難題。
なんとか、無事掲載されて安堵していますが、
これでよかったのかどうかが~
正直心配。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
後日談(6月22日記)

ある方を通して石牟礼道子さんの御入所先がわかったので、
一週間前に掲句を収録した拙句集と現代俳句の拙文コピーを送らせて頂きました。
そうしたら、ご丁寧に、代理というお方から、
ご病状とお礼の御葉書を頂戴いたしました。

こちらこそ、深謝です。



コメント (1)    この記事についてブログを書く
« 梅雨の晴れ間と一輪ざし | トップ | 諫早~小浜~島原へ(6月1... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (糸魚 香)
2015-06-05 01:30:07
やはりふだんより五七五のリズムで句を紡いでいらっしゃるからか、270文字という制限も、制限と感じさせませんね。

切迫感、緊迫感、感応、共感、そして、祈り。

短い文章の中で、伝わってきました。

苦海浄土…

埋め立てられた土の上で聞く潮音が風音が、どんなふうに聞こえるだろうと想像したら、立っていられないような気がしました。
返信する

コメントを投稿

俳句」カテゴリの最新記事