続・知青の丘

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俳句短歌誌『We』第17号「 古・難・珍季語集(11)」 より

2024-06-20 10:14:34 | 俳句
★地吹雪/じふぶき/冬

    地吹雪は遠く花屋に花満ちて       泉風信子
 地吹雪の顔もて集ふ仲間かな       成田千空
 病枕地吹雪ときに火の音して       寺田京子
 地吹雪の津軽三味線蔵に閉づ       小田桐妙女
 地吹雪は、一度降り積もった雪が強い風で上空に吹き上げられること。一面が真っ白になる。冬の雪国、天候の悪い時は日中でもクルマのライトを点けて運転する。そのライトすら見えないくらいである。私も何度か経験したことがあるが、非常に危険なのだ。そんな地吹雪を角巻・もんぺ・かんじきを身に着けて体験するイベントがある。開催されるのは青森県五所川原市金木町。太宰治と津軽三味線芸能を育んだ地として知られている。
 津軽三味線と言えば、高橋竹山が有名である。幼少の頃、麻疹をこじらせて半失明する。その後近在のボサマ(盲目の門付芸人)から三味線と唄を習い、十七歳頃から東北近県を門付けして歩いた。イタコをしていたナヨと結婚。渋谷ジャンジャンなどのライブで多くの若者の心を捉え、アメリカ公演も行い、世界に津軽三味線の名を知らしめる元となった。晩年は衰えを自覚しながらも現役を退かなかった。戒名は「風雪院調絃竹山居士」。
 津輕三味線を聴くと激しい地吹雪を思い出す。真っ赤なほっぺたの冷たさ、霜焼け、ここに故郷がある。竹山の言葉、「おらの三味線、くうための三味線だ」。 (小田桐妙女記)

★蝮/まむし/三夏 

 蝮の子頭くだかれ尾で怒る        西東三鬼
 仏壇に位牌と並ぶ蝮酒          稲葉千尋
 カサと蝮わがため息に身構える      竹本 仰
 小生の住む淡路島の西海岸は夕景がきれいなので、散歩は夕方と決めて日の落ちるころ山道を歩くのだが、困ったことに夏のその時刻、マムシたちの散歩によく出くわす。
 彼らの特徴は太短くて動かないことだ。死んでいるのかと思って近づいてはいけない。その一撃は俊敏である。知らんぷりをして通過し、振り返るともういない。静かなのは擬態で、彼らの温感センサーでは我々は射程距離内にいる訳だ。擬態といえば、また彼らはカメレオンのように皮膚の色を周辺に合わすのだ。何だ泥かと思って或る土塊を見ていると泥の色に変色した彼の形を見出したりする。農家の方も緑に変色した彼らを何度も目撃したという。日本を代表する毒蛇、といって警戒しすぎるには及ばない。
 自ら攻撃するのはとぐろを巻いている時、それに出産期の雌だ。マムシは体内で子を産み口から出すため、牙がジャマなのでどこかにかぶりついてそれを折らねばならないからだ。噛まれるケースで一番多いのは彼らの狭いテリトリーに入り、踏んづけたり触ったりする場合で、すぐ牙が飛んでくる。その噛んだ後は一生残る。現に知り合いの九十を越えたある老人は十才で噛まれた跡が未だにくっきり残っていた。彼らも必死で生きているのだ。 (竹本仰記)

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命の誕生はこんなところでも~

2,024年6月15日18:57、庭石

蟬生まれ石ある方へ這ひにけり 原石鼎


2024年6月3日8:46 狭庭
鳥が運んだ種から育った山椒の
小さな木に揚羽が卵産み付け
何匹か幼虫がいたのですが
(写真上部の白と黒の模様のはあおむしになる前)
葉が足りないので
他のは別の場所
(食べないかもしれないけれど三つ葉でも食べてと)
に移しました。

そして、こんなにふとっちょになりました。
『はらべこあおむし』と同じです~
かわいいですね~

が、突然いなくなり
目出度く、さなぎから蝶になって
羽搏いたかどうかは全く分かりません。

鳥とかカマキリに食べられていなければ
またうちの庭にやってくるでしょうかね。



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