生命の創発、性の創発などのところで、
「いのちは40億年、一ヵ所も途切れることなくつながって私に届いている。それが、いのちというものなんです」
「だから、特別な事情がある場合は別にして、ここまでつながったいのちを私のところで途切れさせるのは、やっぱりおかしいんじゃないかな?」
「つながってこそいのち、つなげてこそいのち、とぼくは思うんだけどねえ」
という話をします。
そうすると、次のような感想を書いてくれる学生がいます。
*
文学部4年 女
毎回先生の講義を受けたときには、この感動を伝えたいと思って、母や兄弟、友人などに話そうとするのですが、うまく伝えられません。
これは先生の話を受動的には理解できたつもりでも、能動的には理解しきれていないということなのかな、と思います。
でも先生の話は、うわっつらの知識のお話ではなく、いつも実感を伴って伝わってくる話だなと思います。
特に私が感動したのは、生命衝動のお話です。
私は幼いころから、将来は結婚して子供をもうけたいと思っていました。
いえ、もうけたい、というよりも、それがあたり前で、絶対にお母さんになっておばあちゃんになるんだ、と思っていました。
しかし他の人の話や、世間のにニュースや何かを聞くと、「子供を産みたいと思わない」「子供を持つメリットがわからない」などという声も聞こえてきて、あれ、私は何で子供を欲しいと思ってたんだろう、子供を持つことに理由って必要なのかな?とふと考えてしまいました。
でも先生のお話を聞いて、私が小さいころから持っていたこの気持ちは、生命のひとつとして普通のことだったんだ!と、はじめて納得できました。
また、「すべてのものには関係があるから、関係ないと思うものでもほんとは関係がないのではなく関心がないだけ」とおっしゃっていたのがすごく印象に残っています。
私はよく「関係ない」と言ってしまっていたけど、そう言う前に考えるようになりました。
まだ私にはわからないことが多いけれど、後期を含めこれからもっともっと学んでいきたいです。
*
こういう学生たちの声を聞いていると、子どもを産みやすい、育てやすい環境を整備することももちろん重要だが、こうした、いのちの意味、いのちをつなげることの意味を伝えることこそ、「少子化対策」にもっとも必要なことなのではないか、と思うのです。
今の日本には、そういう「心・内面」のことまで伝えられるリーダーが必要なのではないでしょうか。
……といったところで、出てきそうなクレームに先にコメントしておきます。
伝えることは、押し付けること・強制することとは違います。
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