浜岡原発、当面、最悪の事態だけは回避?

2011年05月06日 | 原発と放射能

 以下、持続可能な国づくりの会のブログ記事を転載します。


 運営委員長の岡野です。


 昨日の海江田大臣の浜岡原発視察の後、ほとんど期待していなかったのですが、うれしい予想外のニュースで、先ほど、菅総理が会見を行ない、浜岡の原発すべてを停止するよう要請するとのことです。

 言うまでもなく、停止しても完全に安心ではありませんが、それでも稼働中よりはましです。

 とりあえず、最悪の事態は避けられる可能性が出てきました。よかったですね。ずっと脱原発運動をしてきた親しい方からも、ひとまずよかったですねと連絡がありました。

 これは、最近の菅総理の言動の中でもっとも評価できるものだと思います。私も、少しだけ見直しました。俗に言うと、これで菅さん、やっと株が上がりそうですね。

 しかし、完全な安全対策が取られるまでの停止ということですから、まだ先があります。廃炉にまで漕ぎつけなければ、本格的に安心ではないと思われます。

 今日も、いろいろネット検索―学習をしていたところでした。すでにご存知の方も多いと思いますが、念のため、ご紹介します。


「浜岡原発が危険です」

「迫り来る大地震活動期は未曾有の国難である」衆議院予算委員会公聴会で石橋教授が原発震災を強く警告(全文)2005年2月23日

「ここがヘンだよ中部電力!~石橋教授の大反論」

「東北地方太平洋沖地震を踏まえた浜岡原子力発電所の対応」(中部電力HPより)


 さらに、できる発言、行動を続けたいと思っています。


『原子炉時限爆弾』の信憑性の確認

2011年05月06日 | 原発と放射能

 昨日、持続可能な国づくりの会のブログに書いた記事を、以下転載します。

 
 前々回の記事でご紹介した広瀬隆『原子炉時限爆弾』(ダイヤモンド社)をきっかけに、なぜ筆者があえて鉄則を破って即断即決的に原発の問題が緊急事態にあると判断して記事を書いたか、その理由についてある程度述べました。

 加えて、著者の「そこで、読者はだまされたと思って、一度この話を最後まで聞いて、それから私の話を充分に疑っていただきたい。自ら調べられることばかりであるから、自らの手で調べて事実を確認し、考え始めていただきたい。そして否定するなら否定していただきたい。」(6頁)といった言葉も信用できると感じた理由の一つでした。

 そして、その後急いで、京都大学原子炉実験所の小出裕章氏の『隠される原子力 核の真実――原子力の専門家が原発に反対するわけ』(創史社、八月書館発売)、地震学者の石橋克彦氏の『大地動乱の時代――地震学者は警告する』(岩波新書、1994年)、田中三彦氏の『原発はなぜ危険か――元設計技師の証言』(岩波新書、1990年)などを読んでみました(田中氏のはなんと21年ぶりの再読)。

隠される原子力・核の真実―原子力の専門家が原発に反対するわけ
クリエーター情報なし
創史社


大地動乱の時代―地震学者は警告する (岩波新書)
クリエーター情報なし
岩波書店


原発はなぜ危険か―元設計技師の証言 (岩波新書)
クリエーター情報なし
岩波書店



 さらに、念のため政府の地震調査研究推進本部のHPも見てみました。

 これからも自分の手で調べていくつもりですが、この段階ですでに、少なくとも例えば以下のような広瀬隆氏の警告は、表現はセンセーショナル(扇情的)――というより、行動へと駆り立てるという意味でアジテーション的――であっても、内容はきわめて妥当だという確証を得ました。


 いよいよ迫る東海大地震と、予期される浜岡原発震災
 日本列島のちょうどど真ん中、静岡県の駿河湾に面した御前崎というところに、トヨタ自動車などの名古屋経済圏のために建設された、中部電力の原子力発電所がある。この浜岡原発には現在、三基の原子炉が稼働している……。
 その運転開始からわずか五ヶ月後の八月二三日に、当時東京大学医学部助手だった石橋克彦氏が地震予知連絡会で「駿河湾でマグニチュード八クラスの巨大地震が起こる」と、東海地震説に基づく重大な警告を発した。マグニチュード八・〇とは、一〇万人を超える死者を出した関東大震災(地震名・関東地震)の、さらに一・四倍の破壊力をもった大地震ということになる……。
 一二〇年ほど前の一八九一年(明治二四年)に、ここ浜岡の北西部、岐阜県一帯を震源として起こった濃尾地震が、ちょうどマグニチュード八・〇であった。これが、内陸で発生した直下型地震として我が国で史上最大の地震である。……私たちの記憶にある大震災では、阪神高速道路ひっくり返し、神戸市を一瞬で火の海の廃虚にした、あの阪神大震災(地震名・兵庫県南部地震)がマグニチュード七・三であったから、その一一・二倍という猛烈な破壊力が、マグニチュード八・〇である。これほどの大地震になると、今生きている私たち日本人には、誰一人まだ体験がないので、想像することができない
 つまり、石橋説は、それまで漠然と、浜岡原発の沖にある遠州灘で大地震が起こるという日本の地震学の観念を打ち壊して、浜岡原発の至近の距離にある駿河湾の境界断層が大地震を引き起こす原因である、として重大な警戒を呼びかける衝撃的なものであった。
 こうして、石橋氏の警告は、後年に確立されるプレート運動の理論によってその正しさが、次々と実証されてきた。ところが、その警告が発せられて以来すでにこの三四年間にわたって、浜岡原発はこのとてつもない巨大地震の危険性と同居しながら、綱渡りの原子炉運転を続けてきた。石橋は東京大学理学部で地球物理学科を学んだ屈指の地震学者であり、神戸大学の教授として、浜岡原発の危険性を裁判で訴え続けてきた。
 石橋氏だけではなく、遠くの地震学者、地質学者、変動地形学者が、浜岡にある原発は、いつ末期的な大事故を起こすかもしれないと、警告を発している。二〇〇四年には、浜岡原発を止めるために起こされた「原発震災を防ぐ全国署名」の賛同人に、京セラ創業者の稲盛和夫氏が名を連ねた。「東海地震が今後三〇年間に起こる確率は八七%」というのが、政府の地震調査研究推進本部の判断である。これは、三〇年後に起こるということではない。三〇年後かそれとも明日か、確率は発生時期を教えてくれない。しかし八七%なのだから、必ず起こる、ということが断言できる。
 なぜなら、石橋の予言的警告には、確たる根拠があった。私たちが乗っている地球の表面が、プレートという岩盤でできていて、それが毎日少しずつではあるが、動いているからである。……(28~30頁)

 浜岡原発に危機感を持つ人たちが、そのおそれを確信しているのは、【図8】のように、日本の太平洋側では、巨大地震の「東海地震」と「南海地震」がほぼ一〇〇年から二五〇年の間隔で、必ず周期的に起こってきた歴史が必然性を知っているからである。(32頁)





*政府の地震調査研究推進本部のHPの静岡県の頁を見ると、「想定東海地震」はマグニチュード8、87%(参考値)となっており、「全国地震動予測地図」の更新について(平成22 年5月20 日)、12頁の「表2 都道府県庁所在地の市役所(東京は都庁)及び北海道の総合振興局・振興局庁舎付近において、今後30 年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」を見ると、静岡は89.8%でした。


 ニュースで、今日(5日)、海江田経済産業大臣が浜岡原発を視察したといっていました。彼が緊急性を理解して適切な判断―対処をしてくれることを切に祈りますが、率直に言えばあまり期待はできないと思っています。ともかく、結果を見ていきましょう。