ここのところ、いろいろな集まりで必ずといっていいくらい原発事故や放射能が話題になります。
話していて、多くの方も最近までの私と同様、いろいろご存知なかったのだとわかってきました。
それで、にわか勉強ながら、これは確実だと思えるポイントについては、しっかりとお伝えしようと努力しています。
もちろん、「鵜呑みにしないで、自分でも調べてから判断してください。できたら、私のネタ本・資料も読んでみてください」というコメント付きです。
いくつかの基本的ポイントについて、すでに学んでいる方には無用でも、まだご存知ない方も多いようで、知っておいていただいたほうがいいと思いますので、シェアします。
今回はまず、もっとも基本的だと思うポイントです(小出裕章『隠される原子力 核の真実――原子力の専門家が原発に反対するわけ』より引用、改行の変更・強調は筆者)。
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なぜ、ほんのわずかなエネルギーでも、放射線に被曝すると人間が死んでしまうのかといえば、生命体を構成している分子結合のエネルギーレベルと、放射線の持つエネルギーレベルが一〇万倍も一〇〇万倍も異なっているからです。
私たちのDNA(デオキシリボ核酸)を含めた身体、さらにはこの世のほとんどすべての物質は分子で構成されています。
分子とは、原子が結合してできているものですが、お互いが結びつくために使われているエネルギーは数電子ボルト程度です。しかし、放射線のエネルギーは,数十万から数百万、場合によっては数千万電子ボルトに達します。
そのようなものが、身体に飛び込んでくれば、DNAを含め多数の分子の結合が切断されてしまいます。……
放射線が分子結合を切断・破壊するという現象は、被曝量が多いか少ないかには関係なく起こります。
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この文章によって、私は放射線の危険性を「電撃的に了解した」という感じでした。
身体が分子の結合によって成り立っていることは議論の余地がない(でしょう)。
放射線のエネルギー量が分子結合のエネルギー量よりもはるかに大きいことも疑いの余地がない(でしょう)。
だとしたら、「そのようなものが、身体に飛び込んでくれば、DNAを含め多数の分子の結合が切断されてしまいます。」というのも、まちがいなさそうです。
身体・生命体の分子結合が切断されることは、多かれ少なかれ、生命に危険をもたらすことも確かそうだ、というのが私の判断ですが、読者のみなさんはどうお考えでしょうか。
そして、もし「放射線が分子結合を切断・破壊するという現象は、被曝量が多いか少ないかには関係なく起こります。」というのが正しいとすれば、フクシマ以降、私たちは恐ろしいほど危険な状態に置かれているのかもしれません。
放射線量=被曝量が少ないので、「(ただちに)健康に被害をもたらす量ではない」という報道ははたして信用していいのだろうか、根本的に疑問に思わされる文章がこの後に続きますが、それは次回、ご紹介したいと思っています。
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