現代科学とニヒリズムの克服 4

2012年07月29日 | コスモロジー





 宇宙即神?


 以上1―3の記事で述べたポイントで、ニヒリズムの克服はほぼ完了したと言ってもいいのですが、あえて②の「神(精神的で絶対な存在)はいない」というポイントについても一言だけ付け加えておきましょう。

 今年の私のコスモロジーの授業を受けた学生が、レポートの感想に「宇宙ってまるで神みたいですね」と書いてきました。

 それに対して私は、「まるで……みたい」ではなく、「宇宙はそのまま神だと言ってもいい」と答えたいと思っています(すでに前期は終了したので、後期になりますが)。

 エネルギーから物質を、物質から生命を、生命から心を、心からさらに覚り・霊性を創発し続けている「全体としての宇宙」は、キリスト教の「万物の創造主」である「神」とまるでそっくり――神話的表現を呑み込むのではなく象徴的に解釈すれば――いやそのままそうだと言うほかない、と私は思っています。

 (神学的・哲学的・宗教学的に言えば、もっと詳しく厳密にいろいろ論じる必要があるのですが、ここではそういう過度に複雑な専門的議論は避けておきたいと思います。)


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