コスモロジー教育=コスモス・セラピーのテキスト『コスモロジーの心理学』(青土社)は、次のような章立てになっています。
序 章 コスモロジーと自信
第1章 近代日本におけるコスモロジーの変遷とニヒリズム
第2章 近代科学・キリスト教の否定・ニヒリズム
第3章 現代科学のコスモロジー
第4章 ほんとうの自信
第5章 宇宙論の意味と未来
12年前、H大学で教え始めた頃は、第1章の話はあまりしていませんでしたし、第2章の話はまったくありませんでした。
しかし、現代科学のコスモロジーの話をする前に、私たち戦後の日本人が教わってきたのは近代科学のコスモロジーであり、それは突き詰めるとニヒリズムに到るようなものであり、そういうコスモロジーが日本の標準になるまでには日本の近代史のプロセスがあったことも伝えたほうが、現代科学のコスモロジーの意味が際立って理解できるようになるのではないかと思い、次第に増補=ヴァージョン・アップしてきたものです。
この部分は、医療に譬えると、処方の前の診断のようなものです。
「はっきりとした自覚症状はないかもしれませんが、実はあなたはこういう深刻な病気です」と診断する意図は、患者を絶望させることではなく、「しかし、治療法がありますから、ちゃんとやれば治ります」と希望を持ってもらって、治療のプロセスを開始することに同意してもらうことです。
はっきりとした診断をしなければ、治療しなければならないという自覚がはっきりしないからです。
次の女子学生は、そういう意図がよく適合したケースだと思われます。
H大学社会学部1年女子
前期中間レポート感想
深く考えないようにしていたのに、常に私の心に巣くっている不安の正体をこの本で明らかにされ死にたくなると同時に、あらたなコスモロジーへの期待が高まっています。
私はわりと愛国心が高いほうだと自分で思っているので、第二段階等を読んでいると、ちょっと泣きたくなったりしました。
伝統的な精神を変えられ、のところまではまだいいのですが、自らまでも変えてしまうようになったのが悲しかったです。
しかしコスモロジーとはおそらく個人だけで所有していてもあまり意味のないものであるのかなと思いました。
同じコスモロジーを持つ人が多ければ多いほどより強くなるのではないでしょうか。
だからきっと、周りが変わっていく中で心屈さずに伝統を守り続けるのは困難で、しかも欧米風コスモロジーは科学という、神話的なものよりよほどわかりやすい根拠をもっていたので、浸透しやすかったのではないかと思います。
本は授業にあわせて読む派なので、火曜日が楽しみです。
前期末レポート感想
私自身も多くの現代人と同じように、自分の価値や生きる意味なんてひとつもなくて、どうせ全部最後には無駄になってしまうんだからと投げやりなことを思うこともありました。
世界や宇宙に対して、自分の存在はあまりに小さく無意味なものに思えたんだと思います。
でも、もし自分がその果てなく大きい宇宙の一部なんだとしたら、宇宙の広さと自分の小ささを対比して落ち込む必要はまったくないように思います。
自分のこの体を作っているものが、かつて星とともに生まれた物質だったなんて、今まで考えたこともありませんでした。
私は星がとても好きです。
あの暗い宇宙の中で白く輝いているのがとてもきれいだからです。
私たち人間がみんな宇宙の進化によってうまれた星の子だと考えると、何だかうれしい気持ちになります。
宇宙の進化の中でも最も複雑な人間の心の、喜びや驚きや感動や慈しみや愛情は、星の光に匹敵するほど美しいものなんじゃないかと思います。
そして、自分を含めた全宇宙はそんな美しさに溢れていて、それでもまだ発展し続けていて、自分の存在がその発展の担い手のひとりだと考えると、生きる意味なんて充分すぎるほどあると思いました。
学期の中ほどでは、「深く考えないようにしていたのに、常に私の心に巣くっている不安の正体をこの本で明らかにされ死にたくなる」と同時に、「あらたなコスモロジーへの期待が高まっています」という気持ちを報告しています。
学期末では、「私自身も多くの現代人と同じように、自分の価値や生きる意味なんてひとつもなくて、どうせ全部最後には無駄になってしまうんだからと投げやりなことを思うこともありました」と、深く考えないようにしていたけれども、ふと考えてしまうと、空しくなってしまっていたという、自分のかつての状態への気づきが明確になっています。
しかし、科学的な根拠に基づいて、「私たち人間がみんな宇宙の進化によってうまれた星の子だと考える」、「自分を含めた全宇宙はそんな美しさに溢れていて、それでもまだ発展し続けていて、自分の存在がその発展の担い手のひとりだと考える」ことができるというコスモロジーに触れて、「何だかうれしい気持ちになります」、「生きる意味なんて充分すぎるほどあると思いました」という実感に到っています。
「生きる意味なんてひとつもない」から「生きる意味なんて充分すぎるほどある」へという人生感覚の変化―意味体験は、コスモロジー教育の典型的なビフォー・アンド・アフターの1つです。
「宇宙の進化の中でも最も複雑な人間の心の、喜びや驚きや感動や慈しみや愛情は、星の光に匹敵するほど美しいものなんじゃないか」と私も思います。
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コスモロジーを 今 ウェーブで 検索しました。宇宙論~いろんな意味を持つ単語なんですね
宇宙の中の地球人 人類は 個人個人 脳からの思考回路で 生きている。人間という生物~
人類が作りげたルールの中で~悩んだり 傷ついたり 喜んだり 微笑んだり 癒されたり~
今の現代で どのように生きたら幸せか わかっているけれど できなかった子供時代~学生時代~
コメントありがとうございます。
面白いネームですね。
記事は参考にしていただけたでしょうか?
人生研究会がうまくいきますように。