倒壊してしまった高速道路。
まるで戦争のように街の何箇所からも火の手が上がっている様子。
それなのに、消防車も救急車もかけつける気配もない衝撃。
あの日みた映像の衝撃は今も忘れることはない。
会社に出勤して「何か大変なことになっているみたいです」と話しても
ことの重大さがまったく伝わらなかった。
会社の人が、電話で
「うんうん。うちの会社の人(私のこと)もニュースで見たとか言うんだけど。
ビルが倒れたりしたって。
うんうん。まあ、倒れたりしたのは違法建築とかでしょうけどね」って言ってて
(え~っ! 全然そんなんじゃないのに)って思って
言葉の無力と、伝わらないもどかしさにイライラしたことを覚えてる。
携帯のネット情報も、ワンセグもない時代、
会社にあった唯一の情報源、ラジオで状況を想像するしかなかった。
でも、なかなか詳しい状況は報道されず。
(ってか、あまりの壊滅的状況に、
詳しい情報をまとめることすらできなかったんだと思う)
映像を見たら一瞬で理解できることの重大さが、まったく伝わらなかった。
ってか、それくらい、想像を越えた出来事だった。
震災から5年くらいたった頃、
友人と一緒に姫路に住む友人の妹さんの家へ行った。
妹さんの住むマンションにはたくさんのひびを補修した跡があって
大震災でできたひびを補修した跡だときいた。
1、2歳で震災を経験したお子さんは、
長いこと夜泣きがおさまらずに大変だったそうだ。
揺れとか音に敏感になって、すごく怖がり
「やっと最近平気になりました」と言っていた。
衝撃だったと言っても、私にとっては所詮テレビの中の出来事。
リアルに体験した人にとっては
そこから始まった長い長いストーリーなんだと思った。
今も、そのストーリーを生きている方々がいることに思いをはせる。
亡くなられた大勢の方のご冥福をお祈りします。
そして、震災を経験なさったみなさんの心が少しでも癒されますように。