ピークディストリクトの鉱泉の湧く町、バクストン Buxton 。

5つ星の豪華なスパー・リゾートホテル、バクストン・クレセント・ホテル Buxton Crescent Hotel について、前回の記事の続きです。
(かわり映えしない写真で始まりますが、前回の記事と重複しないよう選んであります)

とぎれとぎれで修復に17年を要した、18世紀のネオクラシシズム建築の傑作、クレセント Crescent の全面を向かって右から左まで歩いてみました。
左端に行きつく直前に、反対側へ抜ける通路を発見、通ってみました。
新しく舗装された小さなスクエア(広場)に出ました。

この人がクレセントを建設し、バクストンの町おこしに大いに貢献した第五代デボンシャー公爵 the 5th Duke of Devonshire です。

改修完成に合わせてたてられた新しい銅像みたいですね。
表側と同じ規格のアーチを並べた新築の増築部分と、オリジナルのばばっちい壁が向き合っています。


表側は表面をピカピカにきれいにしたのにこっち側はなぜアオミドロ状態なのでしょうか?
歴史上悪評高い 「窓税」をまぬかれるために、窓のあるべきところに壁穴を穿たずそれでもバランスよく見えるように窓のくぼみを形どった(窓を後から塞いだわけではない)この時代特有の「窓モドキ」が新旧どちらの張り出し部分にも右左対象に見えますね。
改修、増築時のニクい心配りです。
張り出した部分をぐるっと回って...

裏に出ました。



ちなみに、2017年に訪ねたサマセットのバース Bath の、本家本元のバース・ロイヤル・クレセントは現在、ほとんどが住宅として使われていることから、裏側が思い思いの雑然とした裏庭の囲い、アメーバのように増殖した様式バラバラの増築でひどくびっくりしたものです。
その点、このバクストン・クレセントは多額の資金を一挙に使って全体を修復して一軒のホテルが独占使用しているため、スッキリ美観を保っています。
長い長い連載記事(10回連続!)を書いてストックポート日報のバースの記事は閲覧数を思いきり上げました!
さすがは世界遺産の国際観光都市です、日本人の注目度バッチリでした!
裏通りなので、あまり人目に触れないのがちょっと残念なのですが、1泊280ポンド以上(滞在は2泊から、スパートリートメント付き)の5つ星ホテルなのですから、宿泊客の目に触れる場所に一か所たりとも隙があってはならないはず...納得です。
(アオミドロ壁の部分はわざわざ裏に抜けてみようという私たちのような街歩き観光客ぐらいしか通らない場所なのかもしれません)
もう一度、クレセントの正面に戻って...

向かいにあるのが「パンプ・ルーム pump room」という鉱泉をくみ出して飲ませる施設だった建物です。
現在は観光案内所で、中を見学できます。
今回は立ち寄らなかったのですが、大きなタイル張りの浴槽が残っています。
右側にちょこっと見えているのが...
1852年にたてられたセント・アンズ・ドリンキング・ウェル Saint Ann's drinking Well。

6、000年以上わき続けているバクストンの鉱水はセント・アンズ・ウェル(聖アンナの泉)と呼ばれています。
この、聖アンナ(聖母マリアのお母さん)の銅像の足もとのライオンの口から無尽蔵に排出される常時27度の水温を保つ生ぬるーい鉱水が自由に飲めるようになっています。
ネスレィ社が独占、びんづめ販売しているバクストン・ミネラル・ウォーターと同じ成分のミネラルウォーターです(無料でくみ放題!)
16世紀以来、万病に効くとされた地元のマグネシウム水が住人の誰でも自由に飲めるように町中さまざまな場所に湧水施設があったそうです。
今でも利用できるのは、このセント・アンズ・ドリンキング・ウェルだけだと思います。
次回行くことがあれば、観光案内所で他にもあるのか聞いてみます。
現在は使われていない建築遺跡のような古い井戸も、クレセントのそばの目立つ場所にたっています。


湯治施設だった建物もクレセントの周りにいくつも残っています。

クレセントに併設された、クレセントの改修中もずうっと営業していた19世紀の温浴施設の残る小さなショッピング・アーケードも鉱水療法施設のひとつだった建物です。
その名も「カヴァンディッシュ・アーケード Cavandish Archade 」


デヴォンシャー公爵家の名前、カヴァンデイッシュ家からつけられています。
それにしても鉱泉療法って本当に効いたのでしょうか。
日本でも長患いをした後に温泉で病後の回復をはかるなんていうシチュエーションが戦前の文学によく出てきたように思います。
日本の温泉浴場にはかならず効能書きが掛けられています。
リューマチや皮膚疾患はわかるけど喘息や心臓病にも効くって...ほんとうかなぁ
たしかに入った直後に長年の冷え性が解消なんて話は聞きますがその効果は帰宅しても続くものなのか...?
一泊二泊ぐらいじゃあ効き目はすぐに表れないのかもしれませんね。
いずれにしても今のように医学が発達する前には慢性疾患に悩む人などには充分ありがたい...というかやらないよりはずっといい療法だったのでしょうね。
バクストンについて書いた以前の記事のリンクです☟
カヴァンディッシュ・アーケードの内部、改修工事中のクレセント、セント・アンズ・ドリンキング・ウェルのクローズアップ(と水をくむうちの夫の)写真、バクストンの他の場所の写真が載っていますので見てみてください。
平日に電車でピークディストリクトに行って山歩き、出発点は18世紀の温泉保養地、バクストン・
バクストン、古代ローマ人の愛した鉱泉の湧く町、ジョージアン様式のクレセントまである北のバース
鉱泉の湧く町バクストン、マーケット広場のある丘の上、パブのフィッシュ&チップス、人魚、他いろいろ
ついに見た!念願のリトルマーメイド、これがまさかの自然科学郷土博物館の展示品、ウケねらいか?天下のグロ物件
バースに関する実にたくさんの連載記事の中のひとつ、「窓税」に関する記事のリンクを貼りました。☟
窓もどき!天下の悪法、窓税が作り出したへんてこりんな建物の数々 バース10

5つ星の豪華なスパー・リゾートホテル、バクストン・クレセント・ホテル Buxton Crescent Hotel について、前回の記事の続きです。
(かわり映えしない写真で始まりますが、前回の記事と重複しないよう選んであります)

とぎれとぎれで修復に17年を要した、18世紀のネオクラシシズム建築の傑作、クレセント Crescent の全面を向かって右から左まで歩いてみました。
左端に行きつく直前に、反対側へ抜ける通路を発見、通ってみました。
新しく舗装された小さなスクエア(広場)に出ました。

この人がクレセントを建設し、バクストンの町おこしに大いに貢献した第五代デボンシャー公爵 the 5th Duke of Devonshire です。

改修完成に合わせてたてられた新しい銅像みたいですね。
表側と同じ規格のアーチを並べた新築の増築部分と、オリジナルのばばっちい壁が向き合っています。


表側は表面をピカピカにきれいにしたのにこっち側はなぜアオミドロ状態なのでしょうか?
歴史上悪評高い 「窓税」をまぬかれるために、窓のあるべきところに壁穴を穿たずそれでもバランスよく見えるように窓のくぼみを形どった(窓を後から塞いだわけではない)この時代特有の「窓モドキ」が新旧どちらの張り出し部分にも右左対象に見えますね。
改修、増築時のニクい心配りです。
張り出した部分をぐるっと回って...

裏に出ました。



ちなみに、2017年に訪ねたサマセットのバース Bath の、本家本元のバース・ロイヤル・クレセントは現在、ほとんどが住宅として使われていることから、裏側が思い思いの雑然とした裏庭の囲い、アメーバのように増殖した様式バラバラの増築でひどくびっくりしたものです。
その点、このバクストン・クレセントは多額の資金を一挙に使って全体を修復して一軒のホテルが独占使用しているため、スッキリ美観を保っています。
長い長い連載記事(10回連続!)を書いてストックポート日報のバースの記事は閲覧数を思いきり上げました!
さすがは世界遺産の国際観光都市です、日本人の注目度バッチリでした!
裏通りなので、あまり人目に触れないのがちょっと残念なのですが、1泊280ポンド以上(滞在は2泊から、スパートリートメント付き)の5つ星ホテルなのですから、宿泊客の目に触れる場所に一か所たりとも隙があってはならないはず...納得です。
(アオミドロ壁の部分はわざわざ裏に抜けてみようという私たちのような街歩き観光客ぐらいしか通らない場所なのかもしれません)
もう一度、クレセントの正面に戻って...

向かいにあるのが「パンプ・ルーム pump room」という鉱泉をくみ出して飲ませる施設だった建物です。
現在は観光案内所で、中を見学できます。
今回は立ち寄らなかったのですが、大きなタイル張りの浴槽が残っています。
右側にちょこっと見えているのが...
1852年にたてられたセント・アンズ・ドリンキング・ウェル Saint Ann's drinking Well。

6、000年以上わき続けているバクストンの鉱水はセント・アンズ・ウェル(聖アンナの泉)と呼ばれています。
この、聖アンナ(聖母マリアのお母さん)の銅像の足もとのライオンの口から無尽蔵に排出される常時27度の水温を保つ生ぬるーい鉱水が自由に飲めるようになっています。
ネスレィ社が独占、びんづめ販売しているバクストン・ミネラル・ウォーターと同じ成分のミネラルウォーターです(無料でくみ放題!)
16世紀以来、万病に効くとされた地元のマグネシウム水が住人の誰でも自由に飲めるように町中さまざまな場所に湧水施設があったそうです。
今でも利用できるのは、このセント・アンズ・ドリンキング・ウェルだけだと思います。
次回行くことがあれば、観光案内所で他にもあるのか聞いてみます。
現在は使われていない建築遺跡のような古い井戸も、クレセントのそばの目立つ場所にたっています。


湯治施設だった建物もクレセントの周りにいくつも残っています。

クレセントに併設された、クレセントの改修中もずうっと営業していた19世紀の温浴施設の残る小さなショッピング・アーケードも鉱水療法施設のひとつだった建物です。
その名も「カヴァンディッシュ・アーケード Cavandish Archade 」


デヴォンシャー公爵家の名前、カヴァンデイッシュ家からつけられています。
それにしても鉱泉療法って本当に効いたのでしょうか。
日本でも長患いをした後に温泉で病後の回復をはかるなんていうシチュエーションが戦前の文学によく出てきたように思います。
日本の温泉浴場にはかならず効能書きが掛けられています。
リューマチや皮膚疾患はわかるけど喘息や心臓病にも効くって...ほんとうかなぁ
たしかに入った直後に長年の冷え性が解消なんて話は聞きますがその効果は帰宅しても続くものなのか...?
一泊二泊ぐらいじゃあ効き目はすぐに表れないのかもしれませんね。
いずれにしても今のように医学が発達する前には慢性疾患に悩む人などには充分ありがたい...というかやらないよりはずっといい療法だったのでしょうね。
バクストンについて書いた以前の記事のリンクです☟
カヴァンディッシュ・アーケードの内部、改修工事中のクレセント、セント・アンズ・ドリンキング・ウェルのクローズアップ(と水をくむうちの夫の)写真、バクストンの他の場所の写真が載っていますので見てみてください。
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バースに関する実にたくさんの連載記事の中のひとつ、「窓税」に関する記事のリンクを貼りました。☟
窓もどき!天下の悪法、窓税が作り出したへんてこりんな建物の数々 バース10