景気回復のウソ
朝のワイドショーといえば高齢者と主婦がおもな視聴者だと考えられる。
だからというわけではないが、政治や経済を話題にする場合、身近な生活に即して報道し、問題点をそれほど突っ込まないのが常道だが、唯一?テレビ朝日の玉川さんと言う方が担当している「玉テリヤ」というコーナーだけはちょっと違う。
昨日は「景気回復は本当か」というのがテーマだった。
NHKを先頭に「企業の業績が回復している。過去最高益をあげている」とマスコミは報道するが、一般庶民の感覚はほぼ100パーセント「そんな実感ない」というもの。
この乖離はなぜなのか。
それを専門家に聞いていた。「まず業績がいいというのはこの間の円安誘導と株高の恩恵を受けている輸出大企業、銀行、証券会社とその関連企業。しかしそれが国内の景気回復につながっていないのは、輸出大企業自体、生産をコストの安い海外にシフトしているばかりでなく、今まで日本国内から調達していた各部品までも海外生産・調達しているからである。日本国内には何らの波及効果もおよぼしていない。その一方で円安のため石油などの燃料調達のコストがあがり、灯油やガソリンの値上がりが国民生活を直撃している。原発再稼働を企む政府や電力会社は、海外からの化石燃料調達が発電コストを押し上げているというが、燃料の輸入量がそれほど増えているわけではない。この間のエネルギー資源の高騰はひとえに円安による為替差損のせいである」という答えだった。
安倍政権の高支持率というのはひとえに「景気をよくしてくれそう」ということであって、「中国との戦争も辞さないぼくちゃんの強い日本」を期待してではあるまい。
「アベノミクス」とは輸出大企業や銀行・証券会社などにさらなる富を積み上げさせ、中小企業や一般国民から奪い取る経済政策でしかないのだ。消費税増税はその仕上げのとどめになるだろう。
そんなことははじめからわかっているのに、経済の専門家とやらも自分に火の粉がかからないどころか、おこぼれに預かれるのでこの経済政策を持ち上げていた。
しかしそのウソも限界に来ている。朝のワイドショーが「アベノミクス」効果に疑問を表明したのである。
浜矩子の言うとおり「ドアホノミクスに終止符を打ち、少子・高齢化に対応した社会・経済政策を打ち出さなくてはならない」。