きみぱんのひとりごと

東京の清瀬市にある、小さな小さなパン屋さん「きみぱん」のブログです!

涙の公衆電話

2008-07-15 10:40:14 | 家族
「もしもし?…誰??」

「私だよ!お父さんでしょ?」

「…うん……

うちの電話番号を忘れてしまったと、とても落胆していた主人に
住所と、電話番号、私の携帯番号を書いてあげてから、
私が仕事の都合で行かれない日に限って、
ちょうど出かける前くらいに、かかってくる電話です

たまたま、主人の携帯電話を定期的に誰かから連絡が来ていないかを、確かめていたら
仕事でのお知り合いの方から、心配して留守電が入っていたので、
お庭でならいいかなと思い、主人の携帯を病院に持っていき、
主人から、電話したら、お相手もどんなに喜んで、ビックリされるだろうと思って、主人に電話してみてもらったんです…

ところが、今では、ちゃんと会話も出来るし、内容も分かっているんですが、
話すスピードが以前より遅く、声が小さくなっているため、
なかなか話が通じなくて、返ってかわいそうな感じになってしまいました

一生懸命励まして、「大丈夫だから」と、その場では、納得したけれど、
やはり辛かったようで、その日はだいぶ落ち込んでいました

じゃあ、家に電話してみたら…ということになり、
テレフォンカードを買って、いざ公衆電話のところへ…

ここの病院には、各階に公衆電話があって、とても便利になっています。

さて、番号は…

なかなか思い出せなくて、一生懸命考えて、やっとひねり出して、プッシュ

途中で、やっぱり分からなくなってしまい、私が助け舟を出してあげました。

家には、主人の母がいましたので、ビックリしていました

「これからは、寂しいときにうちにも電話できるね

私は、とってもよかったと思ったんです…その時は

ところが、ここのところは、行かれない時にかかってくるんですが、
どうも、繋がった喜びと、会えない寂しさと、
自分だけここで1人で取り残されてる、という絶望感や、
いろんなものが混じっているのか、
かかってきたときには、決まって、長~い嗚咽が入ってから、やっと話せるようになるんです

いつも、こっちがつられていたんじゃしょうがないから
一生懸命励まして、大丈夫だからとか、明日は行けるからとか言って、
話が出来るように持って行くんですが、
聞いているこちらも、とても辛く、可哀相でなりません

ただ、住所や電話番号を忘れてしまったことが、
自分で認識できたことは、よかったと思っています。

一昨日は、長女が来てくれましたが、
帰り道をすごく心配して、自分が付いて行かなくちゃ危ないからといって
ずい分看護師さんを困らせたみたいです。

もう、長女は、大学3年生。
自分で大学にも通い、友人とも旅行に行っている年頃なのに
主人の頭の中では、きっとだいぶ小さい頃の記憶になっているのでしょうか…

今日は、大好きなロールケーキを作ってもっていく予定です
コメント
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