通りに立て看板を出してもらいました。
膝栗毛は7人の読み合わせ会ですが、今回は14人の参加があり盛会でした。写真右端が清田先生。
世話人の今村さんの奔走で講演会を開催しました。出席者は14名、講師は清
田家住宅の当主で江戸時代の貨幣制度に詳しい清田泰興先生におねがいしま
した。
【講演要旨】
15世紀大航海時代が興り、新大陸の発見等世界はグローバル化への一歩を踏み出した。日本ではザビエルの来航を機に南蛮貿易が勃興、通貨問題(金銀銭の交換レート)が意識されるようになる。そういう経験を経て慶長14年(1609)徳川家康によって通貨が統一され、小判1両=銀50匁=銭4,000文という交換レートが定められた。これを慶長の幣制という。
この三貨制が江戸時代270年間に亘って機能した制度であった。しかし幕府の経済的基盤の弱まりが徐々に進行し慶長幣制の品位を保てなくなった。全期を通じて9回に及ぶ貨幣の改鋳が行われ改鋳の度に金の含有率が下がり、質の低下は覆うべくもなかった。そして混乱の幕末期を経て明治に至る。
講演の要旨はおおむね上記のとおりですが、個別には金銀vレートの変動と二重構造の問題、銭価の著しい下落、幕末に起こった金の大量流出、更には藩札の普及など大変興味深いお話で、質疑応答ではレベルの高いやりとりもありました。