キューバ革命の父カストロ将軍が亡くなりました。90才でした。ご冥福
を祈りたいです。キューバ革命が起きたのは1959年、われわれ世代
は青春真っ盛りでした。その時日本では岸内閣による警職法改悪のく
わだてに反対する闘争が盛り上がっていましたが、国会では自民党が
強行採決で法案を通し、反対世論の沸騰を引き起していました。自民
党のやり口は今も同じですね。そして歴史的な60年安保が戦われ、革
新勢力は高揚期を迎えることになりますが、キューバ革命はそこに肯
定的な影響を与えました。いろいろのスローガンの中にキューバ革命
に連帯しようというのもありました。
キューバ革命を一口に語ることはできませんが、その本質を見事に
描いたアメリカ映画があります。それは「ゴッドファザーパートⅡ」です。
マイケル・コルレオーネはマフィアのボスですが、キューバにカジノを出
す計画を持ってハバナへ行き、そこである光景を目撃します。政府軍に
捕まったゲリラが路上で射殺されるとき口々に「フィデル万歳・・!」と叫
ぶのです。これを眼にしたマイケルは「革命軍が勝つのでは・・」とつぶ
やきます。同乗していた現地の案内人は「こんなことは10年も前からつ
づいている。政府軍にはアメリカがついているから大丈夫だよ」と説明
しますが、事態はマイケルが予感した方向へ急展開します。
大統領招待のレセプションにマイケルもアメリカの投資家として招か
れ大統領の歓迎挨拶を聴いているその席に重大ニュースがもたらされ
ます。鎮圧に向かった筈の政府軍が反乱を起こして革命軍に寝返り逆
にハバナへ向かって進軍中というのです。たちまち会場は大混乱、大
統領をはじめ政府要人は先を争って空港へ向かいアメリカへ亡命して
しまいます。
暗黒街に生きる人間ののし上がるために発達した嗅覚、鍛えられた
自己防御の本能的能力があったから事態を予感できた、と映画は言っ
ているようです。そうだ、そうに違いないと私も思いました。