この写真集は村田夏帆と黒木雪音に献呈する。何故なら3/10，3/27の彼女たちの演奏が私の末期の目を一層深めたからである。

この写真集は村田夏帆と黒木雪音に献呈する。
何故なら3/10，3/27の彼女たちの演奏が私の末期の目を一層深めたからである。黒木さんを知ったのは、3/10，夏帆を聴くために大阪から馳せ参じた浜離宮ホールで開催された能登地震被害者へのチャリティーコンサートだった。
トップバッターで登場したのが彼女だった…その時、私は眼鏡もクロークに預けてしまっていたから、プログラムが読めず、彼女の名前も知らなかった。
彼女はチャイコフスキーのくるみ割り人形を弾いた。本当に久しぶりの演奏会だったのだが、彼女が間奏曲を弾き出した時、ポリーニやアシュケナージが全盛時代に来日して開催された演奏会に聴衆として馳せ参じていた時と同じ現象が生じた。彼女の弾くピアノが私の心に響いた。私は、有無、彼女は一体何者だと思った。
それで、もう一度、聴きたいと思ったら4/7に紀尾井ホールで演奏会が、１９時開演だったが日帰りで馳せ参じた。このホールの目の前に在るニューオータニは、頻繁に上京していた時の私がオークラに次いで利用していたホテル。勝手知ったる他人の庭の様なものだったから。

更には4/27高知県民会館ホールでも演奏会。
高知までは瀬戸内海国立公園を真下に見ながらの快適な空の旅で４５分。
おまけに行きたいと思っていた街だった。
この日の彼女の演奏は素晴らしかった。
私は、彼女は、世界の大家の仲間入りを果たしたと確信した。
更に縁は続いた。
昨年、梅雨が明けるのを待って、私は念願の瀬戸内海国立公園の撮影に、連日の様に繰り出した。

夏帆が6/3に、母親の故郷でもある群馬県の高崎芸術会館ホールで、群響と演奏会を開催してくれたお陰で、私は、念願だった場所を二つも同時に訪れる事が出来た。

一つは、黒部温泉郷。
釣りバカ日誌の中で、私は、ここをメインにした、丹波哲郎、その他の怪演と私の故郷の仙台出身の鈴木京香が女優として大成した事を証明した見事な演技、この作品が、シリーズで一番良い、面白いと思っていた事もある。
この作品は、何度、みても本当に心から笑わせられる。
これを見て、黒部宇奈月や北陸が好きになった人も多いはず。
もう一つが金沢である。
以前から21世紀美術館を撮影に行きたかった。
だが、兼六園、そして金沢城、尾山神社…私は伊達65万石、その象徴である青葉城の真下にある仙台二高で学んだわけだが。
加賀百万石、伊達ではない事を実感した。
兼六園等、金沢については既述の通り。
それで、岡山の後楽園に向かった。
後楽園、岡山城、その途中で福山城…今や私の大好きな場所の一つである。
特に、岡山は新大阪から44分！
奈良に行くよりも近いだけではなく、世界最高に素晴らしい新幹線だから猶更。

戦前の教科書には、日本三庭園よりも高松の栗林公園が優れていると記述されていた…ならば、と、後楽園を2度目に訪れた翌日に、高松に。
ここもまた大好きな場所となった。
気温37度超の猛暑日に、二度も訪れた程に。

黒木さんは、この高松城の敷地内にあるホールで、11/30に演奏会を開催した。当然ながら馳せ参じた。
カーネギーホールでの演奏会を大成功で終えた凱旋公演でもあったから猶更。
彼女は、愈々、進化・深化していた。
ラフマニノフの♬リラの花♬は、ラフマニノフそのものだった。

夏帆

夏帆は言うまでもなく、世界最高のバイオリニストである。
私達は、彼女が日本に出現した事に大感謝である。
彼女は、日本国として、とことん大事にしなければならない。
20世紀はハイフェッツが世紀のバイオリニストだった。
21世紀は村田夏帆が世紀のバイオリニストである。
私は、先日来、世界最高のバイオリニスト達を、聴いている。
3月に、夏帆が演奏する曲である。
既述のように高校生の私は、1年超、毎日、NHKFMで、朝から晩までクラシックを聴いて過ごした。
私は音楽関係者や評論家等になる気は全くなかったから、体系的、学問的に音楽を聴こうとは全く思わなかった。
「音楽は響き」その響きだけを聴いていたのである。
当時のNHKFMには世界最高の演奏家が連日登場していた。
それらの名だたるバイオリニスト達が同じ曲を演奏している。
その後で、別の曲ではあるが、夏帆の演奏を聴く。
私は、思うのである。
やっぱり、夏帆が一番。
それこそが、超弩級の証明。

天才は天才を知る、最良の実例である。