本稿は、2025/1/20,日本国民全員が必読である。
以下は前章の続きである。
以下は前章の続きである。
石平
いや、そういうことです。
門田
ハンター氏が実際に中国に行き、サインをして、日本円にすれば約1000億円という、考えられない額の渤海華美への投資もなされました。
共和党支持者たちが、中国がバイデン一家を丸ごと買収したと捉えているのは当然だと思いますね。
日本の同盟国であるアメリカとしては、本来、少なくとも記者会見で防空識別圈設定の撤回を要求する必要があった。
もしトランプ大統領なら、あるいはペンス副大統領だったらそうしたでしょうし、そもそも中国は防空識別圈の設定など、できなかったでしょうね。
石平
そのときトランプ政権だったら、あるいはペンス副大統領だったら、おそらく撤回を強く求めると同時に、訪中そのものを取り消しますよ。
中国が撤回しなければ訪中しない。しかし、バイデンは中国に行った。
同盟国・日本に対する裏切りです。
鉄の兄弟
門田
バイデン氏の防空識別圜についての態度は同盟国に対する完全な裏切りです。
石平
そう。
彼の息子が中国に行くことと無関係であるとはとても考えられない。
彼の息子が中国に行くことと無関係であるとはとても考えられない。
関係性があると見るのが自然です。
この事例には、中国が外国の指導者を取り込む方法が見事に現れています。
まず友情を固める。しかし中国人ほど友情を信じない人たちもない(笑)。
友情だけではまだバイデンは落ちていないと中国人は考えます。
友情にプラスして「利益の供給」が必要なのです。
友情と利益の供給、この二つがあれば安心。中国人はだいたいみんなそう言います。
国家の関係だけではなく、中国人はビジネスでも同じように考えます。
相手と友達になったけれども、それではまだ不十分。
友達になった上で、さらに何か便宜を図る。
それで初めて中困語で「鉄哥児们(ティエゴムエン‥鉄の兄弟)」となる。
「哥児们」とは北京語で兄弟分。例えば「あいつは俺の哥児们(兄弟分)」というふうに使います。
友情だけではただの「兄弟分(哥児们)。利害関係ができて初めて「鉄の兄弟(鉄哥児们)となる。
だから、私と門出さんがいくら頑張っても「哥児们」にしかならない。利益の供給がお互いにないから(笑)。
門田
われわれは永遠に「鉄の兄弟」にはなれないね(笑)。
石平
しかし習近平氏とバイデン氏は違う。
まさに12月4日、ハンター氏を伴って北京空港に降りたあの瞬間に、習近平氏とハイテン氏は「鉄の兄弟」になったわけ。
門田
前に石平さんが指摘されたように、防空識別圈の設定は習近平氏にとって最初の大きな対外的、能動的な政策だったわけです。
これは確実に成功させる必要がありました。
最初に失敗したらその後に影響しますからね。
習近平氏は用意周到に戦略を練ったでしょう。
「中国による防空識別圈設定」は私たちにとっては突然目の前に現れたものですが、実際は習近平白身が周到な計画の下にこれを打ち出したということがわかる。
「バイデン訪中」はその戦略に入っています。
この件では日本をはじめとして大きな波紋を巻き起こしたけれども、アメリカがこれを認めるのは「すでに確定していた」と考えたほうが妥当ですね。
石平
その通りで、事前に仕込み済み。
バイデン氏は、習近平氏との会談では一応アリバイ作り的に懸念を表明した。
それで終わり。
習近平氏との会談が終わってから記者に対しても、この件は一切触れない。
その時点で中国の防空識別圈は完全にアメリカによって容認されたということです。
この稿続く。