座間郷総鎮守 鈴鹿明神社ブログ「社務日記」

神奈川県座間市入谷西鎮座、座間郷総鎮守 鈴鹿明神社の神事や日々の様子、神社の豆知識をお知らせ致します。

御札の祀り方

2021年12月23日 | 神社知識・作法・歴史

新年に向けての準備の一つとして、神棚のお掃除と新しい御札をお祀りましょう!

「伊勢の神宮」御札

「鈴鹿明神社」御札

御札は、東又は南に向くように、目線より高めの位置にお祀りします。神棚の無い家庭では、タンスや本棚の上に置くのもよいでしょう。
神棚の「宮型」は様々な形があります。宮型の大きな場合(御扉が3つの場合)は中央に神宮大麻(伊勢の神宮)の神札、向かって右側は、今住まいのある土地の氏神様(鈴鹿明神社)の神札、向かって左側は崇敬神社の神札をお祀りします。宮型が小さな場合(御扉が1つの場合)は一番手前に神宮大麻、その次に氏神神社(鈴鹿明神社)の神札、その後に崇敬神社の神札をお祀りします。神棚が無い場合は、目線より上の明るく清らかな場所にお祀り下さい。また神棚の向きは、東か南に向くようにお祀りします。

何か分からないことがございましたら神社までお問い合わせください。


千社札

2021年10月21日 | 神社知識・作法・歴史

「千社札(せんじゃふだ)」というのをご存知でしょうか?

神社仏閣に参拝する時にそのしるしとして建物などに貼る紙製の御札のようなもので、柱や天井などの高い所に貼られたりします。もっとも今では好事家のする事であまり一般の方はお使いになることはないでしょう。

当神社でも幾つか貼られているのを5年以上前のこの社務日記で記事に致しましたが、数年経って改めてみると貼られている千社札が増えているようでした…

鐘楼の天井

手水舎の天井

7年ほど前の手水舎。やはり増えています

千社札が貼られるのを「崇敬を集めているしるし」と多目に見る神社の方もおられるようですが、紙製とはいえ神社の建物に何かを付けて帰るというのは神職としてあまり賛成はできません。事前に聞いていただけるといいのですが…


鎮物について

2021年10月04日 | 神社知識・作法・歴史

本日は大安吉日となり、地鎮祭のお約束が幾つかございました。

さて、地鎮祭に用いる特徴的なものとして『鎮物(しずめもの)』というものがあります。いわば埋めて奉納する形をとるお供え物の事で、神社により形式は様々ですが、大体片手に収まる位の箱状のものが多いようです。

当神社では写真にありますように陶製の辛櫃型の鎮物を使用しています。他には桐箱型、紙包型、或いは二枚の皿を貝のように合わせて中にお供え物を入れるという形もあります。

中身は金物の人形・鏡・小刀子などの他に、当神社では稲穂や五色の切麻等を入れてあります。祭壇には野菜や果物といった食物をお供えしているのに比べ、鎮物は呪術的な色合いを感じさせます。

地鎮祭中の「鎮物埋納の儀」の様子

『埋める』という行為にはそれ自体に神秘的な意味があるようです。

例えば植物の種子は埋めることで命を得たかのように芽を出し成長を始めます。逆に人が亡くなった時などは埋めることでお別れをしやがて身体は土に還ります。

その他にも昔、講組織などで人から集めたお金を土に埋めて保管する事もあり、これは埋めることで“誰かの所有物であるという事を消す”意味で行われたと言われています。

土の中は目に見えないながら人知の及ばぬ力の働く別世界であり、特別視されていました。今に伝わる風習や伝統の中に、そうした昔からの感覚はまだ残っているようです。


中秋の名月

2021年09月21日 | 神社知識・作法・歴史

今晩は満月、所謂『中秋の名月』の日です。

この時期は空気の水分量の関係で月の姿が綺麗に見える、月の位置が冬ほど高くなく夏ほど低くない見易い位置になる、農作業が一息つく時期であるなどの条件が重なっていて、昔から観月の好適期とされています。

中秋の名月のお月見は東アジアで広く行われているもののようで、日本でもよく売られている「月餅」というお菓子は中国でお月見の際に贈りあうものだという事です。

神道で月、というと『月読命(つくよみのみこと)』が思い出されます。

月読命は天照大御神の弟神として誕生し、日神に次ぐ月神として夜の世界を治める神とされています。

「日本書紀」中の一書にははじめ天照大御神と共に天上に住んでいたものの、保食神(うけもちのかみ=食物を司る神)を殺してしまった事で“お前とは一緒に住めない”と言われ、昼と夜に別れて住むようになったという神話が書かれています。一見悪い神様としてのエピソードですが、これは田畑での収穫を表している、農耕と関わりの深い神様である事を示しているという説もあり興味深いところです。

 

昔は月の満ち欠けで月日を数える「太陰暦」が使われていましたので、農作業や日々の生活に「月を見る」という事がもっともっと身近であったのでしょう。

今はこういった行事でもないと夜空に月を探すという事もなかなか無いかもしれません。今晩は久しぶりに天気の良いお月見ができるようですので、ご自宅でお月見をなさってみてはいかがでしょうか。


祝詞の作文

2021年09月19日 | 神社知識・作法・歴史

今日は昨日と打って変わって眩しいくらいの晴れの日です。特に昼頃までは初宮詣や七五三詣のご家族の方々で境内は賑わっておりました。

午後になると段々人の出入りも落ち着いてきますので、今後奉仕する神事の祝詞作文や清書を行っておりました。

例文を参考にその神事に応じた祈祷文を作り、繋げていきます

度々こちらにも書いておりますが、祝詞は決まった「呪文」を読み上げるのではなく、『このような理由で今日神事を執り行うに至りました、つきましてはこのような願事を申し上げますのでご加護をいただきたく…』とその神事のために作文した文章をご神前に読み上げるものです。

作文に当たっては祝詞例文集や先輩の祝詞を参考にはしますが、多くの場合その神事にまつわる事情や自分の好む言い回しを織り込んで作文します。そのため神主によって、また同じ神主でも表現を改善したりして書くたびに違う文章になったりもします。

慣れていても一息で出来る事ではありませんが、うまく時間を使って行って参りたいと思います。


勾玉

2021年09月06日 | 神社知識・作法・歴史

9月に入ってからは、7月8月の猛暑に比べると涼しく、過ごしやすい気候となってきました。

本日、9月6日は勾玉の日だそうです。数字の「6」と「9」が勾玉の形に似ていることから、この2つの数字を組み合わせた6月9日と9月6日が勾玉の日となっているそうです。

日本の神話で天孫降臨という話があります。天孫降臨とは、伊勢神宮に祀られております天照大御神。その孫にあたる瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が高天原より天降りまして、日本をお造りになったという話です。天照大御神が瓊瓊杵尊に天降るように命じた時、授けた物が三種の神器であり、その中の一つには八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)と呼ばれる勾玉があります。この神話の通り、神社にとって勾玉はとても神聖なもので重要視されています。

当神社の本殿横にも勾玉石があります。災難を祓ったりや魔除けの意味がございます。皆様も宜しければ、ご参拝の際にこの勾玉を撫でて頂き、神様の御神威を賜わり下さい。


神棚のお焚き上げ

2021年08月21日 | 神社知識・作法・歴史

古くなったりお祀り出来なくなった神棚は当社でお預かり致しております。

お預かりした神棚は、清祓いを執り行っています。

清祓いのお立合いも可能ですがその場合事前に当社へお尋ね下さい。

お祓いを行い祭詞を奏上しております。

お納めいただく際にはお祓い料をいただいております。詳しい事は当社へお問い合わせ下さい。


歯固めの石

2021年05月30日 | 神社知識・作法・歴史

当社ではお宮参りの御祈祷をされた方にお食い初めの授与品と共に歯固めの石も一緒にお渡し致しております。

お食い初めはお子様が生まれて100日から120日の間に行うお祝いの行事です。

初宮詣で授与される歯固めの石

歯固めの石は赤ちゃんの丈夫な歯が生えるよう乳歯が生え始めるこの時期を選んで行います。

石に箸をつけてその箸を赤ちゃんの歯茎に付けたり、石を食べるようなしぐさをさせたりと様々なやり方があるそうです。

但し、赤ちゃんの誤飲を防ぐ為、どの方法も直接赤ちゃんの口には石を当てる事はしません。 あくまでも形のみの儀式です。

お食い初めの御膳の内容にはこだわらず、お子様の成長と共にこういった儀式を楽しみながら行っていただければと思います。


紙垂の切り置き

2021年05月20日 | 神社知識・作法・歴史

思えば神社というのは大量の紙を使う所です。

祝詞を書きつける奉書を始めお供え物の下に敷く掻敷としての半紙、そして今日切り置きをした「紙垂(しで)」などです。

大麻用の紙垂。折って束ねると祓具の大麻(下写真)になります

この鈴鹿明神社で使っている紙垂はお祓いをする大麻(おおぬさ)用に3種類、玉串や境内のしめ縄用に4種類、神様をお招きするための神籬(ひもろぎ)用に2種類、御神輿などに入れるための御幣(ごへい)用に2種類、そして必要に応じて他の大きさの紙垂を用意する事もあります。

神道学部の学生時代は“人前でそのお祭りのための紙垂が切れてこそ一人前の神主だ”と先生に紙切り包丁の使い方など教わったものですが、なかなか理想通りにはいかないものです。そうできたら恰好良かろうと思うのですが、きわめて頻繁に使うものですので、今日のような雨の日に切りためて置く、というのが現実です…

しめ縄から下がる紙垂。紙垂の代表的なものです

梅雨入りが近いせいか湿度も高く、最近は紙垂がすぐ崩れてしまいます。しかし紙垂を更新して綺麗な境内を保つのも敬神に通ずる道です。雨が止んだ時すぐに換えられるよう、しっかり準備しておきたいと思います。


祭式作法の練習

2021年05月09日 | 神社知識・作法・歴史

4月より新しく1名の神職が奉職しておりますが、社務の間の時間で祭式作法の練習を行っています。

神職として一通りの社務を行うには“一人奉仕”…一人で神事の準備を行い、神事を奉仕し、ご参列の方にご説明する、という事ができなければなりません。

神事にも種類がありますが、比較的多くいらっしゃる厄年の厄除祈願祭や、外に出向いて行う地鎮祭などを初めに覚えるべき神事としております。

本来ですとこの5月頃に祭式研修会という作法の勉強会をこの地域の神社の神職が集まって(相模中央支部)行っていましたが、コロナ禍の影響で昨年と今年は中止となってしまいました。

作法というのは気をつけないと少しずつ雑になっていってしまいます。写真にあるのは新人の練習の様子ですが、私達他の神職も研鑚を重ねていかなければなりません。


衣更え

2021年05月07日 | 神社知識・作法・歴史

先日5月5日に暦の上では、゛立夏゛夏を迎え、神社では御祈祷の際に着装する、狩衣(かりぎぬ)の衣更えを致しました。

当社では、立夏・立冬の年2回この衣更えを行っております。

5月4日迄着装していた、冬用の狩衣

5月5日より着装している、夏用の狩衣

じつは、この衣更えには歴史があります。

もともと平安時代に中国から伝わった習わしといわれており、宮中行事として年2回行われるようになりました。当初は゛更衣゛と呼ばれておりましたが、『更衣』が女官の役職名に用いられるようになり、゛衣更え゛と呼ばれるようになりました。

この頃の時期としては

・夏服…旧暦4月1日より旧暦9月末

・冬服…旧暦10月1日より旧暦3月末

江戸時代になると着物の種類が増えたこともあり、念に4回行われるようになりました。

・旧暦4月1日より旧暦5月4日

・旧暦5月5日より旧暦8月末

・旧暦9月1日より旧暦9月8日

・旧暦9月9日より旧暦3月末

また、明治になり洋服が取り入れられるようになり、旧暦から新暦に変わり夏と冬の年2回行われるようになりました。

・夏服…新暦6月1日より新暦9月末

・冬服…新暦10月1日より新暦5月末

それが、段々と一般家庭でも上記の日程で行われるようになり現在にいたります。

これから、秋までの間は薄手の狩衣でのご奉仕となります。心機一転、真心をもって神明奉仕につとめてまいりたいと思います。


祝詞作文

2021年05月03日 | 神社知識・作法・歴史

今日は憲法記念日。大型連休の中日にあたり、外は気持ちの良い快晴となっています。

昨日の大安吉日に比べるとご参拝にいらっしゃる方の姿も少なく感じますが、実は数日間の連休となると人数が分散するのか普段の土日より人波が穏やかになるものです。このご時世という事もありますが参拝・散策をするにはぴったりの日ではないでしょうか。

過去の例文を参考にして自分の文章を考えます

急ぎの社務がありませんでしたので、社務所では祝詞の作文や清書などを行っておりました。

祝詞は“お願い事に対応した一種の呪文”と考えられがちですが、実際は神様へ申し上げる感謝・奉告・祈願をやまとことば(古語)で書いた“読み上げる手紙”のようなものです。それ故に書く人やお祭りの種類によって全く別の祝詞になります。

加えて紙に書きつけるために何度も使えるものではありませんし、より相応しい文章表現が見つかるという事もありますので、祝詞は頻繁に書き換えなければならないものです。

次のご奉仕に備え、準備して参ります。


神社神輿

2021年04月27日 | 神社知識・作法・歴史

当社の神輿庫は参道の手水舎を過ぎた左側にあり、現在担がれている神輿と以前担いでいた神輿とが一緒に納められています。

左が今の神輿、右が旧神輿

当社の例大祭は毎年8月1日。 前日の午後に神輿を社殿の中に安置し、夕刻に神輿の前にて宵宮祭を斎行します。

例大祭の祭典は午前9時30分より斎行し、午前11時に出御祭を斎行し氏子区域内を約11時間程かけて巡行します。

いつ頃造られたかは不明ですが、昭和4年に大規模な修繕がなされたという記録が残っています。

当社の氏子区域は入谷西、東からなる星の谷、皆原、鈴鹿長宿の3地区からなっており、地区の巡行は毎年順番にかわります。

平成8年に氏子中の奉納により新調されました。

現在の神輿渡御は平成6年に発足した神輿保存会入谷睦が奉仕していますが、それ以前は各地区より6名が選抜され合計18名のみで担がれていました。

昨年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で例大祭は縮小を余儀なくされ、祭典のみとなり神輿の巡行は中止となってしまいました。

新年明けての緊急事態宣言解除後には感染拡大も縮小傾向にありましたが、4月頃から変異ウイルスが各地で広まりをみせており、今後の動向にも注意が必要となっています。

今年の例大祭はどのようになるかまだまだ予断が許されませんが、良い方に向かうよう祈念するばかりです。


4月15日月次祭講話

2021年04月15日 | 神社知識・作法・歴史

本日7時より、本殿にて恒例の月次祭が執り行われました。

月次祭は毎回来た方に自由に御参列いただいておりますが、今回は時節柄かごく少数の御参列です。

また祭典の後には短い講話を行っています。ご参考までに、今日の講話をかいつまんで載せさせていただきます。

…4月、新年度が始まり皆様方におかれましてはお忙しい時間をお過ごしのことと思います。

この4月はいわば「はじまりの季節」ですが、実は年が明けて今までに何度も「はじまりの季節」があったことにお気づきでしょうか?

まず1月は言うまでもなく御正月、1月1日を以てこの令和3年が始まりました。

次の2月には節分があり1日後の立春で暦上の新しい春夏秋冬が始まります。また2月には旧正月(旧暦でのお正月)があり、日本では強い印象がありませんが中国や東南アジア等では盛大に祝われているようです。

次の3月、古代ローマ時代の暦ではこの月が一年の初めの月でした。2月の末が28日であったり29日であったりと他の月と違うのは、一年の終わりに日数の帳尻を合わせていた名残と言われています。実際に冬の寒さが過ぎ去ったと実感できるのは確かにこの3月からです。

そして4月、桜の花が咲いて新年度・新学期というのは日本ではもうお馴染みの光景です。

 

「始めよければすべて良し」という言葉があります通りに物事のはじめは最も力の入る時ではありますが、そういった話が出来るのもこの4月までです。

皆様方も初心を忘れずにこれからの一年をお過ごしいただければと存じます。…


青もみじ

2021年04月08日 | 神社知識・作法・歴史

今日は、近隣の幼稚園で入園式があったそうで、お参りし境内でお写真を撮られてるご家族様が多くいらっしゃいました。

紅葉というと、秋の葉の赤い楓をイメージしやすいですが、この時期の楓も良いものです。

青もみじは、春の若葉からどんどん深みをまして、若い楓のことを言うそうです。日本には楓の品種が25種以上あり、そのうち゛もみじ゛と呼ぶのは、紅い色づきが綺麗なものをいうそうです。

今またこれからの時期の境内は、様々な植物が花を付け青々とした葉を付け、その時期の季節の良さを感じさせてもらえます。