座間郷総鎮守 鈴鹿明神社ブログ「社務日記」

神奈川県座間市入谷西鎮座、座間郷総鎮守 鈴鹿明神社の神事や日々の様子、神社の豆知識をお知らせ致します。

家を建てる時に行う地鎮祭というお祭り。

2016年05月31日 | 神社知識・作法・歴史

皆さんが土地を取得するということは、国が保障する権利を買うだけ。

つまりはその土地の使用を認められただけなのです。

大地は地域の産土神・大地主神の持ち物とされ、だからこそそこに住む住民を氏子として扱うようになったのです。

正に地鎮祭は、産土神・大地主に土地に住む事をお許しいただく為のお祭りなのです。

取得した土地だから何をしても構わないということではなく、家を建てる為に土を掘り起こし木々があれば伐採などを行い生ある物までも犠牲にすることもあるのです。

だからこそ産土神にこの土地に住む事を許してもらうと共にこうして家を構えて住まわしていただける事に感謝申し上げ、又末永くお守りいただけるようお祭りをするのです。

神社本庁「氏神さまと建築儀礼」より

地鎮祭では、産土神や土地の神様を斎場へお招きして神事を執り行います。

お供え物を差し上げ祝詞を奏上したのちは、家の建主様にもお手伝いいただく場面もございます(土地の四方のお祓い・鍬入れの儀)。

また皆様に玉串をお供えして神社と同じ “二拝二拍手一拝” でご拝礼いただいたら、神様を元の座所へお送りして神事は執り納めです。

 

当神社では神主が実際に建築現場へお伺いして地鎮祭を行います。

ご予約いただく必要がありますが、3日前位までに御連絡いただければ大丈夫です(神主の予定にもよります)。

四方に廻す竹やしめ縄、祭壇・お供え物等必要なものは神社から持参致します。 御神前に上げる御酒、鍬入れの儀で使用する砂(バケツ二杯程度)のみご用意いただいていますが、難しい場合はご相談ください。

 


車のお祓い

2016年05月30日 | 御祈祷・授与品

土曜日曜になると神社へお参りされる方も心なしか増えるように感じられますが、車のお祓い、というのも週末に多くご奉仕させていただく御祈願の一つです。

当神社では他の御祈願と同様に、朝9時から夕方4時半まで、交通安全祈願(車のお祓い)を受付しております。

交通安全の御祈願ではまず受付にて御名前や御車のナンバー等をご記入いただきます。

次に御札・授与品の準備が出来次第御本殿へとご案内し、御神前に祝詞を上げて交通安全の祈願祭を行います。

最後に御本殿を出た外で車のお祓いを行い、お開きとなります。 車は扉を開けて内側もお祓いをさせていただきます。

 

車はもはや生活に欠かせないもので、仕事で毎日乗るという方も多いのではないでしょうか。 私達神職も社務で乗る機会が多くありますが、車の運転だけは注意してもしすぎる事はないと感じています。

御祈願の際は予約不要ですが、もしご不明な点があればお気軽にお尋ね下さい。


諏訪明神と石楯尾神社

2016年05月29日 | 神社知識・作法・歴史

この鈴鹿明神社の兼務神社として、諏訪明神という御社があります。

御祭神は“建御名方神(たけみなかたのかみ)”という神様で、古くは江戸時代の名主の記録にその名が見えるという小さな神社です。

しかし最近記録を読んで知ったのですが、この御社は『延喜式』神名帳に記されている石楯尾神社(いわたておじんじゃ)ではないか、という説があるそうなのです。

入谷諏訪明神例大祭の様子

石楯尾神社は現在、神奈川県相模原市緑区名倉に鎮座する神社で、虫除け、特に子供の疳の虫封じの神様として崇敬を集める神社です。

しかし『新編相模國風土記稿(1841年)』によると「石楯尾神社、今座間入谷村、諏訪社是なりと云ふ。又下鶴間、大島二村、津久井県名倉村にも旧社の伝あり、是否詳ならず」とあります。

同書の諏訪明神の欄には「座間入谷村(中略)、〇諏訪社 神躰装束、式内石楯尾神社なりと云ふ」と記されています。 経緯は様々ですが、長い歴史の内に社名が変わる、というのは神社ではあり得る事ではあります。

もっとも石楯尾神社の鎮座地は他にも説があり、結論としてはどことも断定できないとの事ですが、見知った神社にそういった裏側の歴史があるというのも面白いものですね。


安産戌の日

2016年05月28日 | 神社知識・作法・歴史

今日は干支で言う「戌」の日、安産戌の日として知られる日です。

犬は人間の生活に身近でありながら安産である生き物ですので、それにあやかってこの日に安産を祈ると成就するとされています。

しかし元々は “妊娠五カ月目の戌の日に腹帯を巻くと安産である” というのが言い伝えとしてあります。

この腹帯は『岩田帯』とも呼ばれるものです。

“斎肌(いはだ)帯”…身を清める帯、というのが訛った呼び方ですが、実際に胎児の姿勢を安定させて母子の健康を守るという効果があるそうで、昔からの経験による知恵がこうした言い伝えとして残っているのではないかと考えられます。

 

今日は陽射しも和らいでいて、過ごしやすい良い一日になりました。 安産祈願の御家族の皆様、誠におめでとうございます!

早いもので次の戌の日はもう6月になります。 その頃にはもう梅雨も間近というところになりましょうか…


注連縄(しめなわ)

2016年05月27日 | 神社知識・作法・歴史

昼を過ぎて雨は止みましたが、境内は落ち葉と、また交換する直前という事もあり注連縄が古びているのが目立ちます。

境内の注連縄は末社のお供え物と共に毎月1日・15日に交換する倣いですが、土日を前に一度交換しておいた方が良いかもしれません。

 ※本殿や鳥居など太い縄は、先日総会がありました注連縄奉納同志会の皆様が毎年作って下さるものです。 研修で他県の神社に参拝した際、同志会の皆様がその神社の注連縄の出来栄えについて話し合っておられたのが印象的でした。

『注連縄(しめなわ)』は「標縄」「締縄」「七五三縄」など様々な書き方がされますが、意味は “占(し)める” 縄で、内側が神様の領域である事を知らせるという役目があります。

縄の所々に紙垂(しで)を付けたもので、物によっては「しめのこ」と言う縄からはみ出させた藁を下げているものもあります。

また、縄のはじめが太く終わりが細いものを「大根締め」、終始細身のものを「牛蒡締め」と呼びわける事もありますが、基本的には“この場合にはこの縄”と決まっている訳ではありません。

 

屋根の下になっているものは良いのですが、どうしても縄と紙で出来ていますので雨風の後は汚れてきてしまいます。 まもなく梅雨の時期でもありますので、境内の様子には気を配っていきたいと思います。


粽(ちまき)

2016年05月26日 | その他

本日、神社に粽が到着しました。

“粽(ちまき)”とは“茅(ちがや)”というイネ科の青草を細く束ねたもので、玄関先に吊るして疫病除けの御守とするものです。

毎年6月30日の『夏越大祓』にご参列された方にお渡ししています。 届いた粽には紙製の“一重守”と呼ばれるお守りを結びつけて完成となります。

粽には『蘇民将来子孫也』という文字がありますが、これは諸国巡察中の須佐之男命(すさのおのみこと)が、蘇民将来という人にもてなしを受けた御礼として疫病除けのまじないを教えた、という伝説に由来しています。

端午の節句(5月5日)につくる、餅や御飯の入った“ちまき”を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、食べ物のほうは中国から伝わった風習とも言われており、大祓の粽とは別のものです。

届いたばかりの粽は青々として、新しい畳表のような良い香りがします。 当神社にとってはこの香りも夏の風物詩のようなものです。


紫陽花の花も咲き始めています。

2016年05月25日 | 境内の様子

今日は朝から曇り空。 少しじめっとしていて時折ポツポツと空から落とし物があります。

もう5月も下旬、場所によって小学校の運動会が先週末から始まった地域もあるのではないでしょうか。

6月に入ると梅雨の足音も足早になってきます。

境内の草花も季節の移り変わりを敏感に感じ取って、色々な花が開花の時期を迎えています。

 

紫陽花の一種です。

どうもかしわばあじさいの改良でピラミッドアジサイというらしいです。

ピラミッドアジサイにはこの他にも幾つか種類があるそうです。

これからが見頃です。

また、南天も白い花をつけていました。

白い花が秋には赤い実になります。

この時期は草木は新芽が出て黄緑が広がると白い花が目立つように感じます。

毎度境内の草花のお話になってしまいますが、季節の花を見ることが楽しみでもあり心豊かな気持にもさせてくれます。

公園とは違う神社の境内は、木々にとってより自然な状態の姿を見せてくれるような気がします。


提灯の修理

2016年05月24日 | 例大祭

そろそろ夏の例大祭の準備を始める頃…と先日書きましたが、まずはじめに提灯を点検して修理に出す事に致しました。

提灯は例大祭前夜(7月31日)の宵宮祭、例大祭当日(8月1日)の日没後に使用します。 御神輿に固定する提灯などは安全のため電灯を入れていますが、手に持つ形の提灯はロウソクを入れる昔ながらのものです。

点検の結果、今回は神輿保存会で使用する“高張提灯”の内一つを修理に出す事になりました。

とりわけ乱暴に扱っているわけではないのですが、長年使っているとやはり少しづつ穴が広がってしまうようです。 とはいえ修理が一つだけで済んだので今年は良い方と言えるでしょう。

そういえば最近はプラスチック繊維を使った丈夫な紙も出回っているようで、障子紙などになって売られているのを見かけます。 提灯は折りたたむものなのでそれより難しいとは思いますが、やがてこういった悩みも過去の事になるのかもしれませんね。

神輿殿の奥には万灯神輿の提灯がずらりと並んでいます


神社の巴紋

2016年05月23日 | 神社知識・作法・歴史

以前、この鈴鹿明神社の御神紋が『祇園守紋』である事をこの社務日記に書きましたが、それと並んで使用している紋がもう一つあります。 『巴紋』と呼ばれるものです。

石碑の上部に御神紋が並べて配されているのが見えます

この巴紋は当神社に於いてはいわば二つ目の紋、御社殿や御神輿の装飾などに用いられていますが、他の神社でもよく見かける紋なのではないでしょうか?

巴紋は元来は八幡宮の御神紋として伝わるものですが、魔除けの印としても広まり、現在では全国の三割以上の神社で使用されているとも言われています。

渦を巻くような、動いているような不思議な形をしています。 巴は「鞆絵(ともえ)」で弓矢を射る際の「鞆」という革具を表しているという説、また流水を図案化したものという説など、形の由来には幾つかの説があるようです。

左三つ巴・左二つ巴

神社に遠慮してという事なのか、家紋としてはあまり広まっていないそうです。

しかし巴の数や向きなど、派生形の多い御神紋でもあります。 色々な形を探してみるのも面白いかもしれませんね。


鈴鹿明神社の御神輿

2016年05月22日 | 神社知識・作法・歴史

夏の例大祭も段々と近づいていますが、夏祭りといえば御神輿ですね。

当神社には現在4基の御神輿が展示されています。

まず1基目は本社神輿、例大祭神輿渡御の主役となる御神輿で、平成8年に新調されたものです。

2基目はそれ以前に使われていた先代の御神輿で、この2基はどちらも参道横の神輿殿に納められています。

左が先代、右が当代の御神輿

3基目は子供神輿。 こちらは例大祭前夜、宵宮祭の時に渡御が行われます。

小さいながらも大人神輿と同じ様式で造られており、勇壮な御神輿です。

こちらは参集殿受付横にて見る事が出来ます

4基目は欅造の御神輿で、小田急電鉄㈱様より御奉納いただいたものです。

残念ながら例大祭での渡御はありませんが、以前は車両工場での“鞴祭(ふいごまつり)”の時に担いでいたものです。

社員の方による手作りとお聞きしています。

今日は今年最初の夏日になるそうで、外は眩しい位の晴天になりました。

そろそろ社務の中でも例大祭の準備を考えなくてはならない頃です。 御神輿を眺めていると、もうすぐそこに感じられますね。


注連縄奉納同志会総会を開催。

2016年05月21日 | 氏子会・敬神婦人会・神輿保存会入谷睦

今日も良いお天気となっています。

本日は午後4時より当社の注連縄奉納同志会の総会が当社参集殿にて開催致しております。

総    会

当社の注連縄奉納同志会とは、毎年6月に斎行される御田植祭の稲藁を使って当社の鳥居や社殿等に取り付ける注連縄を奉製いただいている団体です。

御田植祭のご奉仕から稲刈り、そして注連縄の奉製まで約40程の会員の方々に毎年ご協力いただいております。

当社宮司挨拶

氏子会会長挨拶

野口会長の挨拶の後、平成27年度の決算、事業報告と平成28年度予算案、事業案と議事も会員の皆様にご了承いただき、午後5時頃懇親会へと移りました。

今年のお田植えは6月12日の午前9時より斎行されます。

今年もよろしくお願い致します。

 


梅の実も膨らんできました。

2016年05月20日 | 境内の様子

今日は薄い雲が広がっていますが薄日がさしてまずまずの天気です。

大安と言う事もあって、外の祭典も複数ありました。

天気が落ち着いてくると境内の梅の実がどんどん膨らんでゆきます。

まだ少し小ぶりのようですが、5月終わりか6月初めには収穫を始めます。

このぐらいの大きさでも収穫するときはピンポン玉くらいまで成長します。

境内の梅の収穫が終わる頃、季節は梅雨に入ります。

熊本や大分などまだまだ大地震の続いている地域では梅雨に入るとまだまだ二次災害の危険が大きくなりますね。

仮設住宅が早く出来て少しでも安らぎが戻ってくる事を願っています。

 


榊も若葉が。

2016年05月19日 | 境内の様子

今日も朝から青空が広がり、紫外線を感じるくらい陽射しも強いです。

雨の日もあり陽射しがたっぷり降り注ぐ良い天気の日も続くと木々の若葉もどんどん出てきて新しい枝と共に境内を彩ります。

神社で用いる大麻や玉串は榊の枝から作りますが、この時期は新しい枝に若葉が広がって弱弱しく強い陽射しを受けると直ぐに枯れてしまいます。

このように枝の三分の一位は新しく伸びてきた枝です。

榊の木全体をみてもかなり黄緑色が目立ちます。

玉串を作ると見た目は良いのですが実際用いてみると新しい枝の部分は柔らかくて弱弱しいです。

6月の梅雨時期に入ると枝もしっかりして若葉もそれ程目立たなくなってきます。

それまでは暫くの間は辛抱してこの若葉を用います。


斎藤昌三の句碑と手洗

2016年05月18日 | その他

神社には種々の記念碑が多く建てられていますが、その中に斎藤昌三の“句碑”なるものがあります。

斎藤昌三は明治20年高座郡座間町(現座間市)に生れ、民俗研究家・書誌学者、また“少雨叟”の号で俳人としても活動されていた方です。

神輿庫横のこの石碑の句は

 『赤まんま 鎌倉古道 ここに絶え』

とあり、古くから鎌倉街道として栄えた道が座間キャンプ(旧陸軍士官学校)により断ち切られている情景を見て、昔の日本が時代の流れに押し流されていくのを嘆いた句と言われています。

また境内には昔使用されていた石造りの手水鉢があります。 こちらは明治3年、常磐津鈴鹿大夫がその門人一同とともに奉納されたもので、この鈴鹿大夫こと斎藤弥五郎は先の斎藤昌三の祖父にあたる方です。

以前は句碑の傍に置かれていたのですが、現在は少し離れた参集殿側に移して置かれています。

こうした碑や銘は参拝の際にはあまり注目されないものですが、境内の石碑や建造物のそれぞれが、氏子崇敬者の敬神のしるしとして納められた事を教えてくれるものです。


雨の日。

2016年05月17日 | 境内の様子

今日は朝から雨が降っています。

午前中は時折雨脚が強くなる事もあり、午後入って少し弱くなったような気がします。

雨が降ると境内の木々も潤うようで気持ちよさそうに感じます。

先日御奉納いただきましたさるすべりもこのように

しばらく定期的に水やりをしてきましたが、根も付いてきたのか元気に葉の数を増やしています。

又、境内を清掃していると良い香りが漂ってきました。

ジャスミンと思われる花が咲いていました。

もともと自生していたものかもしれません。

雨に濡れて香りはしませんでしたが、木の枝に下がるように咲いてます。

この後はしばらく晴れの日が続くようです。 時よりの雨は木々だけでなく人の心も癒してくれそうです。