座間郷総鎮守 鈴鹿明神社ブログ「社務日記」

神奈川県座間市入谷西鎮座、座間郷総鎮守 鈴鹿明神社の神事や日々の様子、神社の豆知識をお知らせ致します。

紙垂

2019年08月27日 | 神社知識・作法・歴史

今日もすっきりとしない天候とはなりましたが、暑くなる事無く過ごしやすい一日でした。

さて、神社にお参りする際に鳥居や本殿に注連縄に垂らしてある特殊な形をした紙を見た事があるかと思います。

紙垂(しで)といいます。この紙垂について調べてみると、

゛幣帛の一種で、榊の枝や串などに垂らす紙片や布など。また注連縄につけたものもこう呼ぶ。゛

とあります。

玉串・御幣につけた場合は祓具として、注連縄に垂らして神域・祭場に用いた場合は聖域を表わすものになります。

玉串の紙垂

大麻の紙垂

境内の注連縄に関しては、1・15日の月次祭の前に全て、また汚れた際につけ変えます。それ以外にも大麻や玉串にも紙垂を用いますので年間通して結構な数が必要となりますが、神職や巫女の手でひとつづつ奉製しております。


お盆の終わり

2019年08月16日 | 神社知識・作法・歴史

今日はお盆の送り火の日、これで今年のお盆も終わりとなります。

度々この社務日記でも書いていますが、お盆はもとインドから中国を経て伝わった「盂蘭盆(うらぼん)」という仏教の行事で、日本では推古天皇の14年(西暦606年)に飛鳥の法興寺で行われたのが最初とされています。

しかし日本では古来から行われている祖霊祭や道教の中元などとも結びつき、現在では一つの宗教行事というより民俗行事になっていると言えそうです。

雨はすぐ上がりましたが台風の影響で風が強い一日になりました

今年はちょうど送り火の日が金曜日になりましたので、もう少しお盆休みが続くという方も多いかも知れません。土日はかなり暑い日になるとの予報ですので、日常に戻る前に充分体を休めていただければと思います。


御幣の奉製

2019年08月10日 | 神社知識・作法・歴史

今日も暑い一日になり、ある意味季節が立ち止まっているかのように感じます。

もうすぐお盆ではありますが、神社ではお盆を過ぎた後のお祭りの準備を行っています。

そのうちの一つがこの兼務神社の例祭のための御幣(ごへい)の奉製です。

何度かこの社務日記にも書いていますが、これは元々布を御神前にお供えしていたものが形を変えて伝わったものと言われています。

木の台座を清掃し、新しい紙と麻を以てお作りします。祭日は今月下旬、 暦の上ではもう秋のお祭りが近づいています。


祈祷

2019年07月14日 | 神社知識・作法・歴史

゛祈祷゛について辞典で調べてみると『広く神仏に対して、利益や加護を求めようとして行う儀礼をいう』とあります。

この祈祷の起源は今のように交通安全であったり家内安全でしたり個人の願い事ではなく、国家の安全や風雨順時、五穀豊穣を祈願して神社にお供え物をお供えしていました。このように公共性の強い祈祷を行うのが本来でありました。一方個人の為に行う祈祷は平安中期頃の陰陽師による陰陽祓の活動によって行われたのが、始まりといわれております。

現在でも神社では、公共性の意味での祈祷・私的の意味での祈祷とどちらも行われております。

本日は大安の日曜日、雨ではございましたが多くのご祈願の方がいらっしゃいました。当社は予約をせず直接受付に起こしいただければ、準備が整い次第ご祈祷させて頂いております。

また、受付時間は9時から16時30分の間でしたらいつでも承っております。皆様のご来社お待ち申し上げます。

御札を三種類ご用意しております

受付にてこちらの用紙をご記入いただきます

またこちらを元に、住所・お名前等を祝詞で読み上げをさせて頂きます


御田植祭に御幣奉製

2019年06月13日 | 神社知識・作法・歴史

もう御田植祭が明後日まで近づきました。種々の準備を行っていますが、当日使用する御幣も今日奉製する事になりました。

「御幣(ごへい)」とは木や竹の棒に布や紙を挟んだものです。昨日書いた御神輿用の御幣のように御神霊の依代として用いるほかに、御神前へのお供え物として扱う場合もあり、御田植祭では後者のお供え物として田圃に差し入れて使用します。

当神社では写真にあるように白一色、或いは紅白の紙の簡素な形式で作る事が多いのですが、実は厳格な決まりがあるわけではなくその神社や地域でのやり方に任せられています。色は他に五色や金色、形も紙垂に近いものからまるで切り絵のように複雑なものまで様々あるようです。

今回の物は生の竹を芯棒にして奉製するため、準備が早すぎると竹が乾燥して形が少し変わってしまいます。日にちが迫ってからの奉製になりましたが、なんとか準備を終える事が出来ました。

明後日は御田植祭、月次祭、大安吉日に週末と色々重なった日ではありますが心配なのが天気です。どうやら雨の様子で、今日明日の内に雲行きが変わってくれると助かるのですが...


神輿の御幣を奉製

2019年06月12日 | 神社知識・作法・歴史

今日も空は梅雨空です。朝方は陽も差すこともありましたが、午後になると厚い雲に覆われてしまいました。

当社では、座間市と相模原市南区にあわせて9社神社を兼務しています。

7月の半ばから順に例祭を迎えて8月末から9月初めの土日には一斉に例祭となります。

各神社では、神社神輿の他に各町内の大人神輿、子供神輿もお祓いを行い御霊入れを行います。

神様が御神輿にお鎮まりになるところが御幣です。

この御幣を御神輿の中に奉鎮(ほうちん)して神様が各町内をお祓いして参ります。

当社の例祭では、鈴鹿明神の御分霊を御神輿にお遷し申し上げる宵宮祭というお祭りを例祭前日宵に斎行致します。

兼務している神社では例祭前に町内の御神輿に御幣を奉鎮して御霊入れを、又神社神輿に於いては例祭後に出御祭と共に御霊入れを行っております。

神社神輿は、氏子区域内全体をお祓いしながら大御恵を授け、町内神輿はそれぞれの町内を巡り、神様の御力が行き渡るよう渡御してまいります。

 


御田植祭まもなく

2019年06月11日 | 神社知識・作法・歴史

朝から涼しく雨も降る事無く過ごしやすい一日となりました。

今週の土曜日には、御神田にて御田植祭が執り行われる予定です。

その土地の神様に田植えを始める奉告と豊作の祈願を行うために、毎年この6月の中旬に行っております。

この祭典後には注連縄奉納同志会・氏子青年会の皆様の手により、ひとつづつ丁寧に田植を行っていただいております。

当日は雨が降る予報が出ておりますが、無事にお祭りが行えるよう祈っております。

 

昨年の御田植祭・御田植の様子

 


手水舎

2019年05月19日 | 神社知識・作法・歴史

穏やかな天候の中、ゆっくしとりた時間を過ごしております。

神社へのお参りの際、鳥居をくぐると「手水舎」(てみずしゃ・てみずや・ちょうずや)がございます。この手水舎は、神域に入る際、手を洗い口を濯ぎ身を清めるための施設の事を表してます。

当社の手水舎は 平成15年11月23日に竣工式。手水鉢は縦120cm横210cm高さ90cmの愛知県岡崎市産の臼石をくりぬいたもの、切妻屋根式の建物は銅板葺きのケヤキ造りです。

伊勢の神宮の五十鈴川のように古くは境内の湧水や川水により、身を清め、その後お参りをされておりましたが、現在、多くの神社では手水舎を設け、一般の参拝者が略式の禊(みそぎ)をするために境内入り口付近に設置されています。

清められ心身でお参りをする。今も昔も変わらない参拝作法のうちの一つとなっております。

手水舎には柄杓が設置されております。多くの皆様が使用するものでありますので、使用に際しての注意、また、作法がございます。手水舎正面にその作法を解り易く記した看板がございますのでお参りの際はご覧下さい。

手水の作法

1,先ず柄杓で左手に水をかけます

2,次に右手に水をかけます

3,左手に水を貯めて口に含んで濯ぎます。(※決して柄杓に直接口を付けないで下さい)

4,口を付けた左手をもう一度洗います

5,最後に残った水で、自分の持った柄杓の柄を洗います。

次の参拝者が気持よく手水をとれるよう、手水のマナーを守って行います様お願い致します。


践祚

2019年05月04日 | 神社知識・作法・歴史

今月はじめの月次祭に併せ、本殿では「践祚改元奉告祭」が行われました。

その様子はこの社務日記に書いた通りですが “践祚(せんそ)”…あまり聞きなじみのない言葉です。

“天皇の位が譲られる”という意味なのですが、字もこのような時でないと使われないもので、「践」は“踏む”、「祚」は“主人が堂に登る東側の階段”、引いては“天子の位” “初代から続く国の幸福”を意味するそうです。

1日の践祚改元奉告祭の様子

今でも皇族の方の御名前に「〇〇宮」と宮殿の名前が使われていたり、昔の武家などで主君を「御館様」と呼んだりと、普通の人がお目に掛かれないような位の高い方を場所や御屋敷に重ねてお呼びする、という作法が古くからあるようです。

今は情報技術の普及で著名人の姿を手元で見られたりと時代も変わりましたが、言葉の中には昔の伝統がまだ残っています。


狩衣の衣更え

2019年05月03日 | 神社知識・作法・歴史

月頭を挟んでしばらく雨が降ったり止んだりを繰り返していましたが、ようやく丸一日の晴天です。

立夏までまだ少し日がありますが、本殿では今日衣更えを行いました。

こちらが今日から用いる薄手の狩衣

昨日までの厚手の狩衣。色目だけでもかなり違いがあります

何度かこちらにも書いていますが、衣更えは通常6月1日と10月1日、または暦の上での立夏立冬で行います。

しかし日本の北と南では気温に大分差がありますし、その年の天候によっても暑い寒いにはズレがあります。ころころと夏冬変えたりはできませんので、ちょうどいい日に衣更えをするのはなかなか難しいものです。

これから秋までは薄手の狩衣となります。心機一転して努めてまいりたいと思います。


お清めの塩

2019年04月26日 | 神社知識・作法・歴史

『盛り塩』『清め塩』などと言われるように、日本においては塩は神聖なもの・穢れを祓うものとして知られています。

神社にも通じるところがあり、大麻(榊の枝か木芯に紙垂をつけたもの)と並んで塩湯(塩を溶かした湯)が公式のお祓いの道具とされています。

日本の神話で“伊邪那岐命が海で禊をして黄泉の国の穢れを祓った”とあるのに由来するものですが、他にも人が生きる上で欠かせない霊力のあるもの、また火にかけても焦げない=穢れないもの等色々な謂れがあるようです。

社頭でも授与品の一つとして御神前にお供えした塩を頒布しております。

お祓いは普段の生活の中に取り入れる事ができるものです。何かお知りになりたいことがあればお気軽に神社へお尋ねください。


今月のまことの道

2019年04月02日 | 神社知識・作法・歴史

毎月社頭へ掲示している「まことの道」というものがあり、神道の心を表すような和歌を紹介しています。

今月のまことの道は江戸時代の国学者、本居宣長の一首です。

 『敷島の 大和心を人問はば 朝日ににほふ 山桜花』

  “日本人の心とは何かと尋ねられたならば、朝日に照り映える桜の花のようなものと答えよう”

 

「にほふ(におう)」には「香る」という意味もありますが、元は「丹秀ふ(にほふ)」と表し、美しく照り輝くという意味があります。 

昔は桜の散り際の美しさを強調して解されて武士道や軍国主義教育に結びつけられた事もあったようですが、ここは素直に朝日の中に美しく咲く桜を称えた歌と考えて良いかと思います。

国学者とは日本の古典を通じて日本古来の思想や感性を探求した人達です。桜のどのようなところが日本人の心と重ねられたのかを考えると人それぞれ違う答えが出て面白いかも知れません。

 

「春はあけぼの」の言葉もある通り陽射しの暖かさや美しさが殊に感じられるようになってきました。あと一月で早くも初夏となりますが、今はこの春を楽しみたいと思います。


御幣の奉製

2019年03月09日 | 神社知識・作法・歴史

当神社では4月に兼務神社の春祭りの季節に入ります。

まだ日にちはあるのですが、今月になってから徐々に御札や御幣の準備を始めています。

御幣(ごへい)というのは御神前に捧げるお供え物の一つで、反物(着物の材料となる布帛)を木串に挟んで立てたのが元々の形だと言われます。

それがやがて紙をお供えするようになり、地方によっては様々な色や飾り切りをした紙を用いるようにもなりましたが、現在では写真にあるような形が標準的な御幣として定着しています。

毎年新しくして例祭にお供えするものです。今年も恙なくお祭りがご奉仕できるよう、心を込めて奉製しています。


「六三」について

2019年03月07日 | 神社知識・作法・歴史

皆様は「六三(ろくさん)」というのをご存知でしょうか。

今ではほとんど聞かなくなった言葉ですが、言うなれば身体の部分的な厄年という事になるでしょうか。調べ方は自分の年齢(数え年)を9で割り、余った数がその年の六三の部分となります。

九は頭、五七は肩、四は腹(胸)、六二は脇、八は股、一三は足、を表します。その部分が悪くて医者が見ても良くならない場合は六三除けのお祓いを受けるように、という言い伝えが「六三」です。

上の写真は昔の神職が社務所の壁に貼っていたものです。恥ずかしながら私は神職になってから知りましたが、昔はもっと広く行われていたものなのかもしれません。


今月の「まことの道」

2019年03月02日 | 神社知識・作法・歴史

雨の気配も去り、今日は春らしい穏やかな晴天になりました。

月毎に社頭に出している「まことの道」ですが、まさに今日の風景を表したような一首です。

「むつみあう」は互いに親しく、仲良くする事。「長閑けさ」は世の中が静かで落ち着いているという事と良い天気であるという事の二重の意味があります。

日の入の時間も大分早くなってきました。“春はあけぼの”と言いますが、まだ朝晩は春と言えるほど暖かくはありません。三寒四温の言葉もありますので過ごしやすくなるのはもう少しかかるでしょうか。皆様もお身体をご自愛頂いてお過ごし下さい。