座間郷総鎮守 鈴鹿明神社ブログ「社務日記」

神奈川県座間市入谷西鎮座、座間郷総鎮守 鈴鹿明神社の神事や日々の様子、神社の豆知識をお知らせ致します。

装束の調達事情

2019年02月26日 | 神社知識・作法・歴史

当神社では神職が身に着ける装束の内、狩衣など上から着ける装束を神社の持ち物、白衣袴など肌に着けるものを神職個人の持ち物としています。

御正月・節分と過ぎ、本格的に暖かくなる前にと先日神職の内幾人かが自分用の装束を購入していました。

新品の袴

神社向けの装束を扱う装束店というのが各地にあり、多くの神職はそのいずれかで着る物を調達しているかと思います。直接足を運んでもいいのですが装束店が遠方という事もままありますので、実際には品物を送っていただく場合がほとんどなのではないでしょうか。

“通販”というと今時の言い方になってしまいますが、昔からやっているお店ではホームページやカタログの取り扱いなどが無い事も多く、一般に想像されるような通販とは様相が違うかもしれません。私共も以前からお付き合いのあるお店にお願いすることがほとんどです。

直しながら大切に使っているつもりでも、墨汁のシミがついてしまったり清掃中に引掻けて破いてしまったりする事があります。装束と共に気持ちも新しくして、神明奉仕に励んで参りたいと思います。


参拝作法

2019年02月23日 | 神社知識・作法・歴史

以前参拝の作法についてお話しましたが、間があいておりますので改めてお話いたします。

お参りの作法は実はいくつかありますが、その中でも今回は標準的な作法についてです。

まず、神社入り口に鳥居があり、その鳥居をくぐる際は軽くお辞儀をし真ん中を避けくぐります。

くぐると参道があり、その途中に手水舎(てみずしゃ)がございます。

これは、お参りする前に手や口また心身を清める為に行うものです

当社では手水の作法を示している看板がございますので、そちらをご覧下さい

つづいて、本殿でのお参りです。

まず御賽銭を入れ、次に鈴を鳴らします

そののち二礼・二拍手・一礼の作法でお参り致します。

簡単ではございましたが、以上がお参りの作法です。

あくまでもこれは標準になるお参りの作法ですので、この作法の通りに出来てないといけない訳ではありません。

一番大切なのは神様への感謝の気持ち・神様を敬う気持ちが一番になります。

神様に日々無事に過ごす事が出来ている感謝の気持ちを忘れる事無く、お参りをして頂けたら幸いです。


神社での榊の剪定

2019年02月20日 | 神社知識・作法・歴史

神社ではお祓いの道具としての『大麻(おおぬさ)』、また御神前にお供えする『玉串(たまぐし)』として頻繁に榊の枝を用います。

幸い当神社では境内に多く榊の木がありますので自給自足ができていますが、それ故に榊の手入れも行わなくてはなりません。

 

...とは言え榊に関しては、実際にはほとんど剪定らしい事はしていないのです。

先に書いたように大きい枝は大麻として、小さい枝は玉串として使う事ができますが、どちらも枝先まで葉の揃った美しい姿が求められますので、木を全体で見て伸びた部分を整えるような普通の剪定をすると神事に使えなくなってしまうからです。

ですので普段は「一本の木から枝を採りすぎないように」「採る場合は日当たりや風通しが良くなる所を優先して」、その程度ではありますが気をつけて採るようにしています。

結果として榊だけ不格好な樹形になってしまいますが、神社ならではの事と思っていただければと存じます。

この辺りは放って置きすぎてしまったかもしれません


古札のお預かり

2019年02月18日 | 神社知識・作法・歴史

『古い御札や御守はどこにお納めしたらいいですか』とは社頭にいると一年を通して聞かれる質問ではありますが、御正月の時の記憶が強いのか境内に大きな屋根付きで古札納所があるとお思いの方がまだ多くいらっしゃるようです。

当神社では普段、社務所の横に古札納所を開いております。御正月飾りや熊手など新年の縁起物もまだ入れていただいて結構ですが、お人形や神棚等は別にお祓いを致しますので、ここへは入れずに窓口へ直接お尋ねください。

また、いたずらを防ぐために神社を閉める午後5時以降は古札納所も片付けてしまいます。他にご不明な点がありましたらどうぞお気軽にお尋ねください。


今月の「まことの道」

2019年02月12日 | 神社知識・作法・歴史

私達神社が伝える神道という宗教は、長い歴史の中で生まれ育った創始者のいない宗教にあたります。

そのため所謂「教義」「経典」というものが決められていないのですが、それを埋めるように「神まつりとは何か」「理想の心構え、姿勢というのはどんなものか」という言葉が昔から和歌などに乗せて多く残されています。

それを月替わりで紹介しているのが社頭に出している「まことの道」です。今月は以下の一首を紹介しています。

大まかに訳すと “(外見だけではなく)心まで誠実であるならば、祈らなくても神様はお守り下さる” というものです。

簡潔に私達のあるべき姿勢を表現した歌として有名なものではありますが、誰かを安心させる言葉というよりは“こうした姿勢を目指しなさい”と背中を押すような言葉として使われる事が多いようです。

このまことの道はご自由にお持ちいただけるよう短冊形にして社頭に出しております。ご興味のある方はご参拝の際にどうぞお持ち下さい。


小忌衣

2019年01月22日 | 神社知識・作法・歴史

当神社では御正月から節分にかけて、本殿にて御祈願をなさる皆様に白い衣を着けていただいております。

神社では「格衣(かくえ)」「小忌衣(おみごろも)」などと呼ばれますが、一言でいえば心を引き締めて御神前へ向かうための衣です。上着の上からでも着けられ、大きく羽織るようにして着用します。

宗教的な意味を差し置いても、皆様が同じ白の衣を着けている光景というのは奉仕する神主としても見て身の引き締まるものです。期間限定の物ではありますが、当神社では年の初めの風物詩となっています。


大麻(おおぬさ)の奉製

2018年12月12日 | 神社知識・作法・歴史

昨日に続き雨が降り、今日は大変に寒い一日になりました。水気を含んだ風は、木枯らしと言うより直接川に手を浸したような冷たさを感じさせます。

このような日は屋外での作業は難しいので、中での準備が主になります。まだまだお正月の準備が残っていますので手が余る事はありません。細かな諸準備の間に、大麻の奉製も行いました。

大麻は毎日の神事で用いるお祓いの神具ですが、ご覧の通り芯棒に紙垂を沢山垂らしたものですので、時間が経つにつれどうしても痛んできてしまいます。そのため一月か二月に一度ほど、当神社では大麻を奉製し直しています。

神事で用いるものは紙と木でできているものが多く、時折“ビニール等で取り替えずに済むものがないか”と考えてしまう時もありますが、やはりその都度新しいものをつけ直すというのが神様に対する敬礼の作法でもあります。このような時期でも普段の社務をおろそかにしないよう気を付けて参りたいと思います。


絵馬

2018年12月07日 | 神社知識・作法・歴史

このところ暖かい日々が続いておりますが、今週末は年明けの冷え込みになるそうです。

境内では、七五三専用の絵馬掛けを用意しており今年も多くの絵馬がかかりました。

皆様願いを込めてお書き頂きました

本殿向かって左側に一般の方の絵馬掛けもございます

絵馬は元々、神社に神様の乗り物として馬を奉納されておりましたが、馬は高価で誰もが神社に奉納出来るものではなかったので、木や紙で馬作り奉納されたのが始まりと言われております。

それが段々と木に馬の絵を描き絵馬として今の形に変化をして参りました。

来年の亥の絵馬です

新年にお参りにお越しの際は絵馬に願いを込めて奉納されてみてはいかがでしょうか?


白酒(しろき)

2018年11月21日 | 神社知識・作法・歴史

朝晩と冷え込み冬が近づいてきているのを感じるような時期に入って参りました。

今月の23日に゛新嘗祭゛(にいなめさい)という収獲の感謝のお祭りが宮中をはじめ全国の神社で斎行されます。

収穫を感謝し神様のお力を頂く稲作儀礼として、その起源は弥生時代まで遡ると言われております。

当日はお供え物の中には白酒(しろき)といったものがございます。この白酒は御神酒の一種で、神田から取れたお米で醸造した原酒をそのまま濾して作る白色のお酒です。

 

実りの秋といいこの時期は旬の食べ物が多く食卓が楽しい時期でございますが、゛食゛への感謝の気持ちをもって過ごしてみては如何でしょうか。


晦日祓の奉製

2018年11月02日 | 神社知識・作法・歴史

この時期になると、祈祷奉仕等と並行して年末年始の授与品の準備が始まります。

今日は社務所で晦日祓の奉製を行いました。

並べられた晦日祓

「晦日祓(みそかばらい)」とは文字通り大晦日に自宅でお祓いを行うための神具です。形も大きさも単純化してありますが、神主が神社で用いる「大麻(おおぬさ)」というお祓いの道具を小さくしたものと思っていただいて結構です。

当神社ではお正月用の御神札一揃である「かまじめ」の中に一緒に入れられるもので、神棚の御神札を新しく入れ替えるのと併せてお祓いができるようになっています。

神主は神まつりに関わる歴史や作法を勉強するものですが、神主以外は祝詞を上げたりお祓いをしたりしてはいけないというわけではありません。むしろ地方によっては神棚の前で宅神祭を行うのは家長の大切な仕事、というところもあります。ご自宅に神棚のある方はお正月の節目にご家族のお祓いをしてみてはいかがでしょうか。

かまじめはおおよそ12月に入った頃から社務所にてお出ししていますが、ご希望の方がいらっしゃいましたら窓口へお尋ねください。

普段神事で用いる大麻


犬張子

2018年10月30日 | 神社知識・作法・歴史

明晩は冷え込みましたが、日中は暖かな気温に恵まれた一日となりました。

本日、初宮詣の御祈祷がいくつかございました。当社では御祈祷を受けられた方にいくつかの授与品をお渡ししていますが、その内の1つに犬張子が描かれたのし紙を使用したものがあります。

犬張子というのは、名古屋の熱田神宮が発祥とされています。犬の子は病気にならずにすくすくと育つことから、「犬の子のように、丈夫で元気に育つように、との願いを込めて犬張子が用いられるようになったそうです。

当社の御祈祷受付時間は午前9時から午後16時30分となっていますので、この間でしたらいつでもお越し頂いて大丈夫でございます。


稲穂を整える

2018年10月29日 | 神社知識・作法・歴史

昨日は注連縄奉納同志会での脱穀作業について書きましたが、収穫祭に当たる11月23日の『新嘗祭』では、籾米ではなくあらかじめ分けていただいていた稲穂の方をお供えします。

といって土の付いたままで御神前に上げる事は憚られます。今日は汚れを落として葉を除け、稲束として整える作業を行いました。

手作業で選り分け、長さも揃えていきます

今年は注連縄奉納同志会より御奉納の稲をはじめ、神道青年会よりの稲穂、そして境内で育てたバケツ稲と沢山の稲穂をいただいております。御神前に供するのはまだ先ですが、慌てる事の無いように準備して参りたいと思います。


御神紋「祇園守紋」

2018年10月12日 | 神社知識・作法・歴史

時折、神社の御神紋についてご質問をいただく事があります。

当神社の御神紋は表題の通り『祇園守紋』といいます。祇園守、とは京都祇園の八坂神社で頒布されていた御守の事。当神社の由緒には弘治2年(1552年)に八坂神社を合祀したとありますので、その御縁でこの御神紋を使うようになったと思われます。

本殿の扉や内部の装飾などにこの祇園守紋が見られます

紋の中央に描かれている巻物のようなものがその御守の姿で、銀杏や雲に見えるそのまわりのものは御神威を表す装飾と言われています。

この祇園守紋には派生した形もありますがやはり中央の御守が特徴的で、厄難消除の御神徳を仰いでか戦国大名の家紋にも使用されているようです。

しかし京都の八坂神社自身では『木瓜紋(もっこうもん)』という別の紋が使われており、なかなか興味深いところです。

家紋もそうですが御神紋はその神社の歴史に深く結びついたものです。神社にご参拝の際は少し注意してみてはいかがでしょうか。


冬用装束への衣替え

2018年10月05日 | 神社知識・作法・歴史

先日の台風の影響が落ち着いたかと思いきや、また新たな台風が接近をしており今日は午後から雨模様の続いた一日となりました。

10月1日より、本殿で使用している装束の衣替えを行いました。冬用装束への衣替えの時期は、10月1日か立冬(今年は11月7日)に行われる習わしではありますが、地域やその年によって寒暖の差があるため、実際は気候に合わせて融通を利かせている神社が多いのではないでしょうか。

新しい冬用の装束、色が鮮やかで生地も厚手で少し光沢があります

夏用の装束、淡い色で生地も薄手で少し透けた感じがあります

装束の形は夏用冬用と共通でありますが、色や生地の厚さが全く異なります。夏用と比べると冬用の方が糸も色も多く鮮やかで、装束ならではの美しさを感じることができるかと思います。

今月より明晩の涼しさも増してきて、気持ちよく衣替えができたと思います。これから神社では慌ただしい時期が続きますが、気持ちを改めて神明奉仕に努めたいと思います。


年祭のご奉仕

2018年09月17日 | 神社知識・作法・歴史

今日は敬老の日で9月最初の三連休で最後の休日です。

本日は午前中に当社にて1年祭が執り行われました。年祭は仏式でいう法事です。

故人が亡くなってから1年目にする御祭が1年祭です。仏式の法事は普通1年、3年と奇数の時にされるのが一般的ですが、神道は1年のあと3年でされる場合もありますが、5年おきにするのが一般的かもしれません。(地域によって違いがある場合もあります)

 本日のご家族は10名位のご参列でしたので祭典の時間は40~45分ほどで執り行いました。

施主様より生花を一対のご依頼がありましたので斎場はこのようになりました。

ご参列される人数により斎場の広さなどが変わってきますが、斎場の様子は生花を除いて大体このような形になります。

祭典後は、御神前のお供え物はお持ち帰りいただけます。又、生花を頼まれた方は生花もお持ち帰りいただけます。

年祭で御施主にご持参いただくものは、年祭に当たられている方の霊璽と卓上のお写真です。後は当社にて準備致します。

日時をお決めいただき、当日お時間の10分前程度にお集まりいただければご休憩の後ご奉仕をさせていただきます。

年祭の式次第や奉仕料、生花のお値段などについては直接当社へお尋ね下さい。