座間郷総鎮守 鈴鹿明神社ブログ「社務日記」

神奈川県座間市入谷西鎮座、座間郷総鎮守 鈴鹿明神社の神事や日々の様子、神社の豆知識をお知らせ致します。

大麻(おおぬさ)の奉製

2018年02月13日 | 神社知識・作法・歴史

以前本殿でお祓いをする際に用いる大麻(おおぬさ)の新調の様子を1月末にご紹介致しました。本日は別の形をした大麻の奉製を行いました。

1月末に新しく奉製した大麻

本殿の大麻は木製の心棒に紙垂と麻をつけたものですが、今回奉製した大麻は榊の枝に紙垂をつけたものになります。

境内で大麻用に取った榊の葉を一枚ずつ拭いていきます

その榊に麻と紙垂をつけます

今回の大麻は外でのお祭(家を建てる前に行う地鎮祭や埋井祭等)の際に用いります。

御祈願・外でのお祭の最初に修祓(しゅばつ)といい祓いをうけて頂き心身共に綺麗に祓い清めます。この修祓の際に用いるのがこの大麻になります。神道では祓いはとても重要な行事にあたります。お参りする際の手水も祓いの一つです。是非神社でお参りされる際は手水で心身を清めてお参りされてみては如何でしょうか。


浦安の舞

2018年02月12日 | 神社知識・作法・歴史

本日は昨日と打って変わって、風が冷たく凍みるような一日となりました。ご祈祷も午前中より昼過ぎまで続きましたが15時過ぎより時間が出来たため、今年の祈年祭に向けて浦安の舞の確認を行いました。

浦安の舞とは、皇紀2600年奉祝祭にあわせ、全国の神社で奉祝臨時祭の際に奉奏する神楽舞を新たにに作ることとなり、昭和8年昭和天皇御製『天地(あめつち)の 神にぞ祈る朝なぎの 海のごとくに波たたぬ世を』がこの神楽舞の歌詞となっております。

当社でも、三大大祭、祈年祭、新嘗祭、例祭を始め神前結婚式などでこの浦安の舞を奉奏しております。

 


建国記念日・紀元節

2018年02月11日 | 神社知識・作法・歴史

この数日の中で今日はとても暖かい一日となりました。

今日は建国記念日ですが以前は紀元節と言われておりました。

初代天皇の神武天皇が大和国(現在の奈良県)の橿原宮で即位された年が皇紀元年とされています。

この年を太陽暦で考えると紀元前660年2月11日に当たり、この日を紀元節祭を行う日として国家の祝日とされました。

昭和23年には一度廃止になりましたが、昭和41年に国民の祝日として゛建国記念の日゛として制定されて現在に至っております。

 

今年平成30年は皇紀2,678年になります


胡床の座り方

2018年02月10日 | 神社知識・作法・歴史

当神社で御祈祷を受けられる方は、本殿に入ってまず座席に着いていただくことになります。

普段見慣れている椅子とは違うので、はじめは戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。

この椅子は『胡床(こしょう)』と呼ばれるものです。 古くから祭典時に使われている椅子で、背もたれのある普通の椅子を用いる神社もありますが、折り畳みできる便利さもあってか多くの神社ではこの胡床が使われているかと思います。

 

どうしても布の部分に深々と座ってしまいたくなりますが、実は正しい座り方があり、それは “胡床の枠に座るように、ごくごく浅く腰掛ける” というものです。

それによって背筋が伸び、立ち上がり易く、そして長く座っても疲れにくいのです。 深々と座ると自然と猫背になってしまい、段々と腰回りが痛くなってくるのが分かります。

正しい姿勢

良くない姿勢

しかしどうしてこのような椅子が昔から使われているのか… それは神社での祭式作法にも関わっています。

神社の作法では立った状態を基本とする『立礼(りゅうれい)』と、床に正坐した状態を基本とする『座礼(ざれい)』に分かれていて、椅子に座るというのは立礼に含まれています。

つまり “本来は立っているべき場面だけれど、立つ時間が長い時は辛いかもしれないから座ってよい” というのが椅子に座った状態という事です。 ですので座った状態でも心身を正していることが求められるわけです。

少し細かい話かもしれませんが、胡床にお座りになる機会があれば思い出していただければと思います。


大麻の新調

2018年01月28日 | 神社知識・作法・歴史

このところ、寒い日が続き今日はお昼頃には霰(あられ)が降っておりました。

昨年末にお正月に向け大麻を新調致しましたが、本日時間をつくり大麻を新たに新調致しました。

右の芯棒に紙垂(しで)と麻をつけていきます

新調した後の大麻

この大麻はお祓いをする際に用いるもので、左右左と振り罪穢れ祓い除きます。

大麻にも種類があり写真のように六角若しくは八角の白木の棒に紙垂を付けたもの、榊に麻苧や紙垂を付けたものがありますが、何れも同じお祓いをする際に用いております。

今回は大麻のお話となりましたが、その他にも塩湯(えんとう)や火打ち石や様々なものがあります。神道に於いて祓はとても重要な事です。お参りする前、御祈願の際、神事の際に必ず行われるものですので、また詳しく祓についてお話できたらなと思います。

 


御札の祀り方

2018年01月12日 | 神社知識・作法・歴史

本日はぐっと冷え込み、非常に寒い一日となりました。

さて本日は、お神札についてお話をさせて頂きます。皇室の御祖先である、天照大御神をお祀りされていいるのが、三重県伊勢市に鎮座されております、皇大神宮‘内宮‘(ないくう)です。この皇大神宮のお神札を‘神宮大麻‘と言います。

神宮大麻

次に各地域をお守り下さる氏神様のお神札です。こちらはお住いになられている所によって変わりますので、分らない場合はお近くの神社にお問い合わせ下さい。最後にほかに崇敬されている神社のお神札です。必ずしも三社分のお神札がないとお祀り出来ないという事では御座いませんので、あくまでもお気持ちでお決めください。

鈴鹿大麻

ではお祀りの仕方ですが、可能であれば神棚を設けお神札は神棚に納めてお祀り下さい。もしご用意が難しい場合は、下に半紙や白い紙・布を敷いてお祀りして下さい。いずれの場合も神札の向きは南か東に向くよう自分たちの目線より高い所にお祀りします。これはお神札は明るく清らかなところでお祀りする為です。

また、横に並べてお祀りをする場合は、中央に神宮大麻・向かって右側に氏神様・向かって左に崇敬されている神社のお神札。

重ねてお祀りをする場合は手前から、神宮大麻・氏神様・崇敬されている神社のお神札の順でお祀りください。

最後に、お供え物をして頂き(お米、お酒、お塩、お水など)日々の家族の無事に感謝し二礼、二拍手、一礼の作法にてお参り下さい。

こちらのお神札のお祀りの仕方は、社頭でお渡ししておりますパンフレットにも詳しく載っておりますのでお神札のお祀りを考えている方、また改めて確認をされたい方は是非お手にとってご覧下さい。


紅白の装飾

2017年12月18日 | 神社知識・作法・歴史

今年もあと半月を切り、境内ではもう平成30年の看板などが張り出され徐々に新年の装いへ変わりつつあります。

今日は「謹賀新年」の提灯を掲げる枠の紅白の装飾を行いました。 これに限らず御正月は至る所に紅白の色付けがされることになります。

昨年の年末。今年ももうすぐこの光景になります

『紅白』は“紅白歌合戦”のように対抗する二組を表す色でもありますが、特に神社では祝賀の色として使われるものです。

『赤』は“明るい”に通じ、大切な、また誠実なという意味も含んでいます。 “赤誠”、“赤き心”と祝詞の文面で用いられることもあります。

また『白』は素朴と清浄を表す色で、お祓いの道具(大麻)や注連縄の紙垂など神社で最も多く使われている色です。 今と違い、江戸時代までは神主の装束も白一色であったとも言います。

 

段々と年末が迫っていますが、ずっと良い天気が続いているのが幸いです。 今のところ順調に準備できていますので、このまま気を抜かずに進めて参りたいと思います。


歳越大祓の人形 配布中

2017年12月08日 | 神社知識・作法・歴史

12月に入り、年内最後の祭典である『歳越大祓(としこしおおはらえ)』も近づいてきました。

現在社務所では歳越大祓に用いる『人形(ひとがた)』をご希望の方にお配りしています。

大祓の人形・車形。紙でできています

昨年の歳越大祓の様子。外でお祓いを受け、本殿で祈願祭を行います

6月と12月の年2回あるこの大祓は、『人形』に皆様の罪穢れを移し、それをまとめてお祓いする事で新しい自分に立ち返っていただく、という神事です。

歳越大祓は12月27日午後1時からの開始で、当日境内にいらっしゃった方はどなたでも参加することができます。

当日参加される方にはその場で人形をお渡ししますが、事前に人形をお使いになり神社に預けていただく事で、当日来られない方の分や運転する車の分もお祓いをする事ができます。

 

人形の使い方はまず人形で自身の身体を撫で、次に息を吹きかける。 事前に神社にお預けになる方は名前と生年月日を人形に記入して、それで自身の身代わりとします。

ご興味のある方へは神社社務所の窓口で直接、あるいは宛先をお教えいただければこちらからお送りする事も可能です。 逆に人形をこちらへお預けになる際も、同封の封筒で投函していただければ社務所まで届きます。 お気軽に社務所までお尋ねくださいませ。


平成30年鈴鹿暦 到着

2017年11月21日 | 神社知識・作法・歴史

12月も近づき、御正月の授与品が段々と神社に入る季節になりました。

一般の書店に比べると大分遅れてではありますが、来年の神社暦もその一つです。

暦とは日本で昔から使われているカレンダーのようなものですが、大きく違うのは『暦注』と呼ばれる様々な事柄が日付と並べて記載されている事です。

暦注には普通の曜日や十二支を始め、大安や仏滅などの「六輝」、季節を区切る立春などの「二十四節気」、或いは日の出日の入の時間など多くの事柄が含まれています。 そのため小冊子に見えるこの暦も、情報量はかなりのものです。

また生まれ年から引く「気学」による占いの頁が付いているのも特徴と言えます。

以前社頭にて“厄年は境内の一覧表で教えてもらえるのに、良い年というのはないのか”とご質問をいただいた事があります。 確かに厄年だけを表にしているのは申し訳ないのですが、この暦をご覧いただければその年の吉凶、また何に気を付けるべきかまで書いてあるのがお分かりいただけるかと思います。

この暦はもう社務所に出しておりますので、ご希望の方はお気軽に窓口へお尋ねください。


白酒

2017年11月11日 | 神社知識・作法・歴史

神社に11月23日の新嘗祭でお供えするための白酒(しろき)が届きました。

このところは七五三詣の雰囲気で境内は一杯でしたが、早いもので次の祭事が目の前です。

 

この白酒は「延喜式」によると、

『白酒は神田からとれた米で醸造した原酒を、そのまま濾してつくる白色のお酒である』

と記述されており、また反対に黒酒(くろき)もございましてそちらは、

『白酒に薬灰(久佐木という草根の焼灰)を加え適度な灰色に着色したものである』

と記述されております。

白酒・黒酒は古くから新嘗祭・神嘗祭などの祭事にお供えされてきました。新嘗祭は今年の実り収獲を感謝するお祭『新(新穀を)嘗(味わっていただく)祭(お祭り)』である為、白酒などもお供えされます。

 

 


酉の市

2017年11月06日 | 神社知識・作法・歴史

今日は11月初めの酉(とり)の日です。 『酉の市』が開かれている所も多いのではないでしょうか。

酉の市は元々『鷲(大鳥)神社』の祭日で、初めは武道守護の神様だったものがやがて広く開運の神様として知られるようになり、“福を掻きこむ”という意味で縁起物の熊手が売られる日へとなっていきました。

鷲神社は大阪府堺市の大鳥神社を本社としていますが、東京とその周辺に末社が多く、特に東京都浅草の鷲神社の酉の市は賑わう事で有名です。

当神社では御正月の授与品として熊手を出しています

カレンダーによっては日付の隣に十二支が書かれています。 普段はあまり気にならない部分かもしれませんが、この11月の「酉の市」、稲荷神社の祭日である2月の「午の日」、そして安産祈願の吉日とされる毎月の「戌の日」と、神社にとってはよく参照される日でもあります。

ちなみに十二支であるため12日に一度酉の日が巡ってくることになりますが、今年の様に11月の内に酉の日が3回巡ってくる年は“火事が多い”という俗信があるとか。 晴れの日が続き、空気も乾燥してくる頃です。 これからの時期、皆様も火の元には充分お気をつけ下さい。


数え年

2017年10月30日 | 神社知識・作法・歴史

本殿で御祈祷を行う際は、まず受付にてお名前や御祈祷の内容をお伺いして、それを祝詞の中で奏上する事になります。

その時神社側としては普通でも、御祈祷を受ける方にとってはそうでない事もあるかもしれません。 その中の一つが「数え年」です。

数え年というのは戦前まで普通に使われていた年齢の表し方で、今の満年齢より一歳か二歳足した数になります。

今でいう「零歳」を“生まれて一年目”の「一歳」と数えるためで、誕生日に関わらず新年を迎えると次の年齢となります。

“零歳の内は母親のお腹の中にいるため生まれた時に一歳になる”という説もありますが、個人的には昔は“零”という数字を生活の中で使っていなかった為ではないかと考えています。

では満年齢で読むのは間違いか…というとそんな事はないのですが、今はまだ歳祝(還暦や古稀)なども数え年で行われることが多く、伝統を大切にする気持ちから神社では数え年を多く用いています。 ですが時代が変わればやがてこれも使われなくなってしまうのかもしれませんね。


七五三詣の祝詞

2017年10月22日 | 神社知識・作法・歴史

七五三詣はご家族で参列するものですので、普段機会がなかったが初めて昇殿祈祷を受けた、という方も多いかと思われます。

本殿での御祈祷の内多くの時間を占めるのが『祝詞(のりと)奏上』ですが、祝詞でどんな内容の言葉を読み上げているのかご存知でしょうか?

 

よく言われるように祝詞は「呪文」ではなく「古語」ですので、耳慣れない言葉は多いですが文字にすると大意が分かるのではないでしょうか。

少し長くなりますが、七五三詣の祝詞例文を一つ挙げてみます。

 

 “掛け巻くも畏き 〇〇神社の大前に 何某恐み恐みも白さく

 大神の広き厚き御恵により 郷の幼児等 身健やかに生立ち行くは 愛たき極になも有りける

 故何某 去にし年月に生れ出でて 今年は言祝ぐ齢となりぬれば

 家人等と相共に大前に参出で 七五三詣の儀執り行ふ真心を 愛ぐしと思ほし見そなわし坐して

 今ゆ行く先も御心放たず 守り給い幸へ給いて 優れたる大和男子・大和撫子と成さしめ給へと

 恐み恐みも乞願奉らくと白す”

 

 “(訳)心に掛けるのも畏れ多い 〇〇神社の御神前に 「神主名」畏まって申し上げます。

 神様の広大で深厚なお恵みをいただいて 地域の子供達が健やかに成長する事は 大変喜ばしい事です。

 そこで「子供名」が 去る年月日に生まれて 今年祝歳を迎えましたので、

 家族と共に御神前にお参りして 七五三詣を行う真心を 愛おしい気持ちでご覧になって、

 これから先も御心から離さず 守護し祝福なさって 立派な男性・女性となされますように、

 畏まってお願い申し上げます。”

 

これは当神社の祝詞でもなくあくまで例文で、実際には神社や神主によって自分なりの言葉、装飾語や言い回しが使われますので全く違う文章になります。

ですが子供の成長を御神前に奉告する、という文章になるのは間違いありません。 難しい部分もありますが、せっかくの祝詞ですので、昇殿祈祷の際は耳を傾けていただければと思います。


神宮大麻の到着

2017年10月19日 | 神社知識・作法・歴史

早いもので年末年始の事を考える時期が近づき、当神社にも伊勢の神宮の御札である『神宮大麻』が到着しました。

近隣の神社を含めた「相模中央支部」の分をまとめてお預かりしましたので、大変な数です。

御正月は一年の内で最も多くの御札・御守を扱う時期です。 各神社では授与品店や職人へ依頼して、昔ならば職員が手で刷るなどして御正月の御札御守の準備をするのですが、この神宮大麻だけは少し事情が違います。

伊勢の神宮は皇室の御祖神をお祀りする神社ですが、それ故日本の総氏神、言わば“国の守り神様”としての役割を持つ神社でもあります。 そのため神棚をお祀りする際は国の守り神として「神宮大麻」、地域の守り神として「地域の神社の御札」両方をお祀りするのが習わしです。

なので毎年神宮大麻授与のお願いを出して戴いた御札を、各神社は自社の御札御守と併せて頒布しているのです。

 

この相模中央支部では11月2日に『神宮大麻暦頒布始奉告祭』が行われ、その後各神社へ神宮大麻が渡される事となります。 年の瀬の準備ももう始まろうとしています。


鎮物(しずめもの)

2017年10月16日 | 神社知識・作法・歴史

今日も冷たい雨が降り続いています。

気温も12月上旬のような寒さ。今週は気温の低い日が続くようです。

明日は大安、家を建てる時に執り行う地鎮祭も多数受け賜わっており雨の降り方が気になるところです。

地鎮祭を執り行う際、当社では必ず鎮物(しずめもの)をお渡ししています。

当社の鎮物

当社の鎮物は陶器ですが、形式は神社によってさまざまです。

鎮物とは、土地の神様に対するお供え物と共にこれからこの場所で生活するご家庭の安寧をご祈念するものです。

地鎮祭祭典時は御米やお酒、乾物や野菜、果物などのお供え物と一緒に神前にお供えを致しますが、祭典後にはお施主様を通じて家を建ててもらう会社にお渡ししてもらいます。

施工会社はその鎮物を家を建てる基礎を行う前にその土地の真中に埋めるのです。

時々鎮物の中にどのようなものが入っているのかお尋ねになられるお施主様がいらっしゃるので当社ではこのような由緒書も一緒にお渡ししています。

地域によっては特に鎮物を用いない所もあるようですので、地鎮祭を執り行う際には各神社へお問い合わせ下さい。