昨晩は、愛知県芸術劇場コンサートホールで行われた、名古屋フィルハーモニー交響楽団 第375回定期演奏会「ローマ」へ行ってきました。
指揮は、尾高忠明氏。
かつて、今はなき愛知厚生年金会館でマーラーを聴いて以来の大ファンです。
1曲目は、吉松 隆 朱鷺によせる哀歌 作品12
何とも言えない不思議な曲でした。
朱鷺を視覚的に描写しているのは明らかで、鳴き声や羽ばたきを詩的に表現しています。
弦楽奏者を、ピアノの胴、コントラバスの尾を中心に、翼のように配置し、左右の翼を揺らしながら表現しています。
吉松 隆は、柴田恭平の曲や鉄腕アトムなど、いろいろなジャンルを書いていますが、音大で専門教育を受けたわけではありません。
主に独学で、5つの交響曲や協奏曲、管弦楽曲など、多くの作品を残しています。
サブが、レスピーギ 交響詩「ローマの噴水」
私の大好きな曲ですが、生オケで聴くのは初めてかもしれません。
通常の編成に加えて、ハープ2,ピアノ、チェレスタ、オルガンなどを加えた大きな編成なので、経費がかさむ曲なのです。
前曲同様、「聴く」だけでなく「観る」要素満載の演奏でした。
その要因は、何といっても、レシピーギの管弦楽法にあります。
彼は、リムスキー・コルサコフに学び、ドビッシーなどの影響を受けています。
ボロディンやラベルとの共通点も感じます。
古典的な管弦楽法が展開し、いろいろな手法が開発され花開いた頃の作品です。
華麗で色彩感がきわめて豊かです。
しかし、レスピーギは古楽の研究者でもあります。
モチーフはイタリアの古曲を発掘した古風なもの。
新旧が見事に融合しています。
特筆すべきは、クラリネットの巧さ。
ロバート・ボルショスの音色、テクニックは見事です。
尾高の、曲の構成をくずさず、なおかつスケール大きく、シンフォニックに聴かせる技はさすがです。
そして、メインは ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調 作品27
私が今最もはまっている曲です。
このブログでも、プレヴィンの演奏を紹介しました。そこでは、マゼールの演奏が一番のお気に入りと書きましたが・・・
昨日の演奏はそれ以上でした。
尾高忠明の指揮は、一見地味ですが、そこから引き出される音楽はロマンティシズムに満ち、満ち、満ちあふれています。
テンポは、マゼールよりもやや早め。
構成は崩さず、すなわちテンポでの緩急の誇張はしないで、なおかつオーケストラを十分に、官能的に、波動のように歌わせています。
さらに、冒頭の動機(ラフマニノフが心を痛めていたときの憂鬱を表していると思っているのですが)、それと対比するかのように回復した生きる喜びの賛歌を、見事にからめながら表現しています。
この動機はCDではなかなか聞き取れないのですが、全曲を通じて何度も繰り返されていることがよくわかります。
生演奏ゆえの発見です。
そして、待ってました!
3楽章のクラリネットのアダージョ。
ロバート・ボルショスの演奏は絶妙でした。
4楽章での盛り上げは最高で、演奏後は思わず「ブラボー」の声が出ました。
CDが発売されたらぜひ買いたいと思っています。
ただ、静音をきわめて大切にする尾高氏です。
静音での咳、マナーモードの振動などの雑音が気になりました。
「あれだけ何回も電源を切れとアナウンスされているのに・・・」
最低のマナーは守って欲しいと思いました。
今晩も、同じプログラムでの演奏会が行われます。
指揮は、尾高忠明氏。
かつて、今はなき愛知厚生年金会館でマーラーを聴いて以来の大ファンです。
1曲目は、吉松 隆 朱鷺によせる哀歌 作品12
何とも言えない不思議な曲でした。
朱鷺を視覚的に描写しているのは明らかで、鳴き声や羽ばたきを詩的に表現しています。
弦楽奏者を、ピアノの胴、コントラバスの尾を中心に、翼のように配置し、左右の翼を揺らしながら表現しています。
吉松 隆は、柴田恭平の曲や鉄腕アトムなど、いろいろなジャンルを書いていますが、音大で専門教育を受けたわけではありません。
主に独学で、5つの交響曲や協奏曲、管弦楽曲など、多くの作品を残しています。
サブが、レスピーギ 交響詩「ローマの噴水」
私の大好きな曲ですが、生オケで聴くのは初めてかもしれません。
通常の編成に加えて、ハープ2,ピアノ、チェレスタ、オルガンなどを加えた大きな編成なので、経費がかさむ曲なのです。
前曲同様、「聴く」だけでなく「観る」要素満載の演奏でした。
その要因は、何といっても、レシピーギの管弦楽法にあります。
彼は、リムスキー・コルサコフに学び、ドビッシーなどの影響を受けています。
ボロディンやラベルとの共通点も感じます。
古典的な管弦楽法が展開し、いろいろな手法が開発され花開いた頃の作品です。
華麗で色彩感がきわめて豊かです。
しかし、レスピーギは古楽の研究者でもあります。
モチーフはイタリアの古曲を発掘した古風なもの。
新旧が見事に融合しています。
特筆すべきは、クラリネットの巧さ。
ロバート・ボルショスの音色、テクニックは見事です。
尾高の、曲の構成をくずさず、なおかつスケール大きく、シンフォニックに聴かせる技はさすがです。
そして、メインは ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調 作品27
私が今最もはまっている曲です。
このブログでも、プレヴィンの演奏を紹介しました。そこでは、マゼールの演奏が一番のお気に入りと書きましたが・・・
昨日の演奏はそれ以上でした。
尾高忠明の指揮は、一見地味ですが、そこから引き出される音楽はロマンティシズムに満ち、満ち、満ちあふれています。
テンポは、マゼールよりもやや早め。
構成は崩さず、すなわちテンポでの緩急の誇張はしないで、なおかつオーケストラを十分に、官能的に、波動のように歌わせています。
さらに、冒頭の動機(ラフマニノフが心を痛めていたときの憂鬱を表していると思っているのですが)、それと対比するかのように回復した生きる喜びの賛歌を、見事にからめながら表現しています。
この動機はCDではなかなか聞き取れないのですが、全曲を通じて何度も繰り返されていることがよくわかります。
生演奏ゆえの発見です。
そして、待ってました!
3楽章のクラリネットのアダージョ。
ロバート・ボルショスの演奏は絶妙でした。
4楽章での盛り上げは最高で、演奏後は思わず「ブラボー」の声が出ました。
CDが発売されたらぜひ買いたいと思っています。
ただ、静音をきわめて大切にする尾高氏です。
静音での咳、マナーモードの振動などの雑音が気になりました。
「あれだけ何回も電源を切れとアナウンスされているのに・・・」
最低のマナーは守って欲しいと思いました。
今晩も、同じプログラムでの演奏会が行われます。