初等社会科指導法 全体の振り返り
【全員参加型授業】 理念の上に技術と仕組みが伴って全員参加型授業になることを学んだ。得意不得意や好みが異なる子どもたち全員が参加することは難しいと考えていた。講義を受けていく中で、教師の工夫によってどんなものでも教材になり得て、援助の方法の工夫で全員が参加する授業にできることを知った。 作業の可視化、分かる分からないを可視化する工夫が特に大事であると感じた。過程と結果が見える形になる作業指示をすることで子どもたちの進度把握や、理解していない子の発見につながる。また、可視化することで援助を必要としている児童に適切な支援を届けることができる。 子どもたちへの聞き方も重要である。授業内での発言はほとんどの授業で想定される場面であり、多くの場合発言者は偏りがちである。発言の場面での参加のハードルを低く設定し、スモールステップで発言に慣れ、習慣をつけることも「全員が参加する」ために欠かせないだろう。また、その場しのぎでない対応として授業規律や発問指導を継続して行うことでクラス全体の雰囲気として全員参加に近付くことができるだろう。全員参加型授業であることと主体的・協働的な学びであることは密接に関係していると考える。授業計画を立てる際に全員が参加できるように工夫されているか都度確認すると良いだろう。 【ICT】 ICTの活用は本講義において大きな割合を占めている内容であったと感じる。ICTを活用する方法や場面、それに対する子どもたちの反応などを講義で知ることができた。共有や記録のしやすさに優れており、上手く使うことで業務の効率化や質の高い授業の提供にもなると学んだ。 模擬授業ではどの班もICTを活用していたが、実際に小学校で使うには機器が行き渡っていることや、教員に資質が備わっていること、使用するだけでなく活用し指導するための知識や技能があることが重要になると考える。ICT活用はこれからの時代に必須な能力であり、コロナ禍で特に重要性が理解され、急速に進展している。教師自身はもちろん、子どもたちが使いこなせるように指導することも求められる。将来を担う子どもたちに関わる教師という人的環境が遅れをとっていてはならないだろう。現場に出た際に滞りないように教員になってからではなく、比較的時間がある学生のうちに、これからを見据えて能力を身につけることが求められるのではないかと考える。 活用方法や使用するツールの工夫によっては令和の日本型教育である、個別最適な学びと協働的な学びどちらの場面でも有用な教材となることができるだろう。授業の各場面で使用できたり、個別でも班活動でも使用できたりする他に、様々な理由から学校に来られない子のためにもなる。ICTを活用・指導するためには多くのツールやアプリを知る、使い方を工夫して、伝えていくことが重要であろう。 【模擬授業】 5回の講義を通して10班が模擬授業を行った。模擬授業では、講義とは異なる学びが豊富であった。 講義で知ったツールやICTの活用、授業の技法等についてオリジナリティを出しながら各班が授業に取り込んでおり、すでに知っているツールの新たな使い方や可能性、組み合わせによる有効な使い方の発見になった。また、授業の組み立てや使用教材の工夫により題材への興味が強く持てるか、楽しく学ぶことができるか変わってくると感じた。他班の模擬授業を受ける際に自分の模擬授業に活かそうと思い授業を見ると、声のかけ方や話の聞き方、考えている時間の教師の振る舞い等、授業の内容以外の態度面でも学びとなる気付きが多かった。どの班も細かい配慮や工夫がなされており、普通に授業を受けていては気付かないようなことだが、あると嬉しい工夫であったり、ねがいやねらいが込められた工夫であったりすることに気付いた。直した方が良いと思う部分もあったが、そうした面に関しても自身の模擬授業に活かすことができ、どの場面を通しても得るものがあったと思う。 幼児教育と理科の学生が班ごとに分かれており、選修によっても考え方や目の付け所が異なり、面白さを感じた。特に理科選修の方々は実際に小学校での実習経験があることから子どもの実態を捉えた模擬授業であったのではないかと考え、技法や子どもとの接し方等、見倣うところがあると思った。実際に模擬授業を行うことで実践的な学びとなり、教師の工夫について身をもって知る機会となった。 【振り返り】 本講義では毎回の課題として字数制限のない振り返りを設けていた。講義内に留まらず、振り返りも大いに学びになっていた。 まず、振り返りを書くという視点においてである。特に講義後に振り返りを行うことを理解した2回目の講義以降では、講義を受けている際に授業のポイントを掴もうという意識を持ちながら受けることができた。また、ポイントを掴むために授業を聞き逃さないように集中して臨む姿勢になっていた。さらに、振り返りを書くにあたって講義を思い起こし、記憶の定着につながるとともに、疑問に思った箇所を調べて新たな知識を得る契機にもなった。 次に、振り返りを読むという視点においてである。スプレッドシートで振り返りが共有されているため、他の学生の振り返りを読むことができた。振り返りはそれぞれが重要だと感じていたことがまとめられ、それに対しての意見が書かれているものである。同じ授業を受けていた他の人がどこをどのように見ているのかを知ることができ、自分にはない見方・考え方等の新たな気付きを得られた。また、自身の振り返りを読むことにも意義があると感じた。記録された振り返りがこれまでの学びの履歴となり、自身が持った視点から自分の考えを順に追っていくことができ、成長を実感することもできるだろう。 最後に振り返りを受けるという視点においてである。模擬授業後の振り返りでは他の学生から授業の受け手(子ども)としての立場から感想をもらうことができたり、同じ模擬授業をする立場から具体的なアドバイスを受けることができたり、多くの意見を得られた。これらの意見によって自分たちの班の模擬授業がねらい通りにできているのかといった授業の評価指針となり、また改善点・改善案が分かった。 振り返りが資料となることを体験的に学ぶことができた。 【感想】 本講義では、すぐに使える授業の手法や、長期的に見た考え方・学習指導要領上の扱い等授業に関わることを知り、社会科の授業というものについて様々な角度から知識を得たり、考えたりすることができた。自分の過去の振り返りを授業時に紹介のあったテキストマイニングツールを使ってマイニングしたところ、「模擬授業」「PowerPoint」「ICT」「学習指導要領」「子どもたち」「協働」「主体的」「工夫」「援助」「共有」といった言葉を多く使っていた。自分がどこを注視しているのか改めて理解することができた。 大学生としての授業の受け手の立場、小学生としての授業の受け手の立場、教師としての授業者の立場など、様々な立場で講義や授業に臨むことができた。講義の目標である「小学校社会科の授業づくりに必要な教師の視点と方法、さらに授業技術を学習指導要領の確認と学習指導案と資料の作成、模擬授業を通して実践的に学ぶ。そして、すぐに現場で活躍できる授業力を身につける。」「毎時間のICTを活用する授業を受ける経験をし、また模擬授業で実際に活用することにより、ICTの活用力を身につける。」の達成に近付けるような授業であったと思う。 社会科は「見えないものを見えるようにする」教科であると最初の授業で紹介があった。講義やミニ授業を通して様々な題材について学んだことにより、題材についての親近感を持ち、日々の生活の中でより興味を持つことができると感じた。ニュースで授業内に取り扱った単語が聞こえると「知っている」「聞いたことがある」と思い興味を持ち、更に知識を広げることができる。また、様々な考え方に触れることで自分とは異なる考えがあることに気付き、ものの見方や考え方が変化していった。こうした気付きや学びを子どもたちに受け取ってもらえるような授業を行えるように、自身の見識を広めていかなければならないと感じる。 |
①「個別最適な学び」と「協働的な学び」について |
①児童の興味関心を引き付ける授業のコツについて |
①ICTについて ICTを利用した授業展開について、自分は小学校に実習に行っていないためあまり想像できていなかったけれど、土井先生の講義を受けて、また他班の模擬授業を受けて、様々な活用方法や、ICTを利用することによるメリットを学ぶことができた。 ICTを導入することによるメリットとして、教員の負担軽減ということをとても感じた。自分が模擬授業を行う際、子どもに提示する資料やプリントの作成をする時間が、以前他教科で模擬授業を行ったときにかかった時間よりも短く済んだ。子どもに授業内で発言を促す方法は、教員に当てられた児童の学びしかわからない上に記憶しておかなければ残らないが、チャットを全員が使うことで全員分の学びを正確に知ることができ、プリントのポートフォリオよりも手軽に記録でも残すことができる。また、データでのやりとりならば可変性が高いため、子どもがオンラインで提出した課題にすぐコメントを返したり、子どもの反応に合わせて授業中に提示する資料を随時変更したりしやすい。このように、授業の様々な側面において、ICTを導入することで授業運営がしやすくなり、それに従い教員の負担も軽減することができると学んだ。 また、ICTの導入はポートフォリオとして蓄積でき、学びをその都度振り返ることができるという点で子どもにもメリットがあることも学んだ。今回のこの最終レポートを書くにあたっても、今までの振り返りを見直すことで学びを思い出すことができた。 文字を書く能力が落ちてしまうのではないか、ICTの活用能力が十分でない小学生の時に導入してはむしろ授業効率が落ちてしまうのではないかと感じていた。しかし、ICTの導入には様々なメリットがあることを学んだ。土井先生の模擬授業の中でもプリントを配って行う場面もあったように、何もかもICTにすればよいということではなく、ICTもアナログな方法も、それぞれのメリットを把握して、それを効果的に使用することこそが大切なのだと学んだ。 ②全員参加型授業について 15回の講義を通して、全員参加型の授業とはどのようなものか、理論や方法をお聞きし、また実感して、学ぶことができた。特に社会では、自分は今までずっと、教員の話をひたすらに聞き、板書を取る社会の授業ばかり受けてきていたため、クイズなどを通して子どもが参加しながら意欲的に学べるよう授業構成をされていたことが印象的で、このような作りの授業ならば楽しんで受けることができそうだと学んだ。 教員の話を聞くだけの受動的な授業ではなく、子どもが考え発言する能動的な授業を作るべきである、ということは知っていたが、それを具体的に実現するための仕掛けを学んだ。ルーレットで指名することで誰が当たるかわからない緊張感から授業に一生懸命参加しようとする姿勢を作る、本時のねらいを「説明しよう」で終えることで絶対に授業の最後には自分の学びや考えをまとめて表現する機会をつくる、という、授業の細かい部分にまで配慮をして、子どもが主体的に取り組める仕掛けを作られていることを学んだ。特に、子どもにこぶしで自分の意見を知らせてもらう方法は、子どもにとっては意見を表明するハードルが低くなりやりやすい、教員にとっては全員の立場が分かり理解度を測りやすい、というメリットがあると自分が双方の立場に立って実践したことで実感した。 これらの、主体的に授業に取り組むための仕掛けを振り返り、「罰則的な仕掛けにしない」ということが大切だと感じた。「罰則があるからまじめに取り組もう」「ああなりたくないから頑張らなくては」と思わせるような仕掛けがなく、子どもが疑問を抱かずに取り組むことができ自然と授業に参加できる仕掛けばかりだった。外発的動機付けの、しかもマイナスの動機づけでは、子どもの意欲は持続しないし、勉強へは渋々取り組むことになる。それを踏まえ、気づかぬうちに授業に参加している、巻き込まれている、という仕掛けばかり配置されているのだろうと考え、そのような仕掛けを用意する必要性を学んだ。 また、全員参加型授業の意味合いとして、「さぼる人をなくす」だけでなく「分からない人を置いていかない」という側面もあると学んだ。わかる人が挙手して発言することのデメリットとしては、空気と化し参加しない人とともに、わからなくて参加できない人を見落としてしまうが、全員がこぶし等で立場を表明することでわからない子も参加できる。そして、わかっていないことが教員も周囲の子どももわかるため、そのまま放っておくことなく、その都度児童同士教え合ったり、教師が支援したりすることができるようになる。このようなメリットも生まれるため、全員参加型授業を意識することが、授業構成を考える上で必要だと学んだ。 ③学び合いについて 児童同士学び合うことができる授業づくりが大切だと私は考えてきたが、それには教師の働きかけやちょっとした工夫が必要なのだと学んだ。その中でも、チャットの利用による学び合いの可能性をとても感じた。 チャットに自分の考えを打ち込んで送信するよう促すと、大勢の前で発言するよりもハードル低く、しかも全員の意見を交流させることができる。その中では、突拍子もない意見や、はっと気づかせる意見も出てくる。それらを他の児童が見ることで、新たな視点に気づき学びを深めたり、友達の意見について深く考えることをとおしてより自分の意見を強めたりすることができることが分かった。 教科書を読めば学ぶことができる、知識をつけることができるようなことをただ教えているだけでは、授業の必要性を感じることができない。チャットだけでなく、互いの意見に気づき、交流させ合うことができるような仕掛けを用意することで、教科書よりも一歩踏み込んだ学びや理解をすることができるように促すことが、授業の役割だと学ぶことができた。 ④教材研究について 自分が模擬授業をやってみた際、活動を様々に盛り込みすぎて、時間が足りなくなってしまった。もっと時間に余裕があれば面白い授業になったと思うが、その面白さを子どもが感じることなく終わってしまうことは良くないと思うので、もっと教材研究に時間を費やすべきだったと感じた。子どもたちはどれくらいの学びのレベルで、この活動をするにはどれくらい時間がかかるのか、ICTのテキストなどの使い方はうまくいくか等、検討する箇所は多くあるため、一つ一つじっくり詰めて用意することが必要だったのだと反省した。 講義後半の、学生による模擬授業を多く受けて、様々な発想に感動した。自分では寸劇を取り入れて授業を展開することは思いつかなかったし、模型を作成することで実感として理解できるようにしている工夫には感動した。このように、子どもたちにとって授業を魅力的にしたり、理解を促したりするための工夫は様々にあることを学び、レパートリーを増やすことができた。しかし、これらのレパートリーも、どのような取り入れ方をすると効果的なのか、しっかりと考えておく必要があると学んだ。例えば同じクイズを取り入れている模擬授業でも、ある班は1問終わるごとに振り返りをしているために新たな知識が定着しやすくなっているが、ある班は全問終わってから振り返りをするために集中力も切れ、一つずつの知識が定着しにくくなっていると感じた。授業にどのような活動を取り入れるか、ということも大切だが、その活動をどのように入れると効果的なのか、それにより子どもに何を感じ、学んで考えてほしいとねらいを持っているのか、ということを考える必要があると学んだ。この側面においても、教材研究の必要性をとても感じた。 感想 社会はずっと教員の話を聞いて暗記をするだけの教科、というイメージがつくほど、受動的な授業ばかり受けてきていたので、今回の講義を通して、主体的に学びに参加できる授業を社会でも作ることができるということがわかり、参加していて面白かった。もっと様々な工夫ができそうだと思ったので、授業で使えるツールなど探ってみたいと思った。 |
① 授業における学級づくりについて ② ICT活用について ③ 授業展開・内容の工夫について ④ 全員参加型の授業について |
①ICT機器や思考ツールの利用 土井先生の講義内ではICT機器の利用方法や授業で応用できるサイトが多く紹介されていた。さらに、各班の模擬授業では、パワポ共有カフートやジャムボード、パドレットなどを活用した授業が展開されていた。そのため、全15回の講義の中で多くの便利なサイトを体験することができた。その中で、考えたのはこのようなインターネット上のサイトの利用は全員参加型授業には欠かせないということである。以下にICT機器の利用による利点を二点述べる。 第一に、クラス全体での共有がスムーズであるということである。ICT機器を利用し、自身の考えを打ち込んだうえで「送信」すれば、瞬く間にクラス全体に考えを広げることができる。ICT機器の使用がなければ、挙手や考えを紙にまとめてクラスで共有という形となり、時間がかかってしまう。例えば、パワポ共有を用いれば、班ごとのまとめ作業ができる上に、他の班の作業も見ることができるため他の班のアイデアを自身の班に取り入れることもできる。さらに、教師としては進捗状況が把握しやすい。 第二の利点としては、考えの視覚化が容易にできるという点である。講義内では思考ツールや心の数直線、テキストマイニングが紹介されていた。これらのツールは自身やクラスの考えを可視化することができる。例えば、心の数直線を利用すれば、言葉で表現するのが苦手な子どもでも授業に参加することができる。また、思考ツールを用いれば、考えを深めることもできる。 ICT機器の活用は、一度体験しなければ授業での実践はできない。また、まだまだ授業で活用可能なサイトや方法があると思われる。大学のうちからそのようなサイトや方法について発見し、授業での使い方について考えていこうと思う。 ②全員参加型授業 全員参加型授業を行うことによって、子どもたちの自己肯定感や自己有用感を高めることができる。 全員参加型授業の手立てとしては、額に手を当てて指で番号を示す方法や、発言したい人は右手を、発言をしたくはないがわかっている人は左手を当てるというような方法がある。勉強が苦手な子どもたちは、そもそも授業に参加しにくいと思っていると思われる。そして、ますます劣等感を感じていく子どもたちもいると思われる。そこで、まず授業に参加するということが大切になる。授業に参加さえすれば、グループ活動などで活躍の機会が必ずある。そして、「できた、授業の役に立てた」などという気持ちができるだろう。この気持ちが、自己肯定感や自己有用感へとつながり、授業でも学校生活への意欲につながると考えられる。 このような点から、全員参加型授業が大切であると考える。他にも、チャット機能やパワポ共有の機能、構造化された板書によって、全員参加型授業に近づくと思う。私が、教員となった際には、どの教科の授業でも全員参加型授業を目指したいと思う。 ③模擬授業 私たちの班は、模擬授業の一番手で準備の時間は多くは取れなかった。しかし、班の人たちと協力しながら、一つの授業として成立させられたとは思う。 授業資料を作成するにあたっては、工夫したスライドをつくることができたと考える。児童に考えさせたいところを隠したり、大王にインタビューという設定のスライドをつくったりした。これにより教師が教えるではなく、児童が学ぶという形の授業になっていたのではないかと思う。授業において、教師に教えられるではなく児童が学ぶという授業づくりが大切だと実感した。 模擬授業では、「古墳は何のために、どのようにしてつくられたのかを説明しよう」であった。このめあては授業内で、児童たちの疑問から立てためあてであり、児童の疑問を学習課題にすることができたという点でよかったと思う。しかし、「説明しよう」というめあてであったが、説明する時間を十分にとることはできていなかったと思う。例えば、隣の人やグループにめあてについて説明する時間を取ることで、めあてが達成されるような授業づくりが必要であったと反省している。 板書についてはイラストを黒板に提示することで、全員が一方向に視線を合わせることができるようにした。そして、板書する際には、イラストから線を引っ張って児童の意見を黒板に書いた。このとき、児童の意見によって板書する位置を変えることで抗増加した板書を目指した。決してきれいな板書にはならなかったが、授業を考える中で、構造化された板書の大切さに気付かされた。構造化された板書をすることで、一人一人の考えのつながりが視覚化され、様々な意見がまとまっていく様子がよくわかる。板書の練習をして、構造化された板書をこれからも目指していきたいと思う。 ④先生の社会科の授業について 社会の授業は教師から子どもたちへの知識の伝達という授業形式になりがちであると思っていた。しかし、先生の授業は、教えられたとは感じず、不思議と学んでいると感じる。それは、学びの手柄を子どもたち側に与えているからだと私は思う。資料を単に提示するのではなく、隠して提示することで子どもたちに気づきを与えることができる。このような資料の提示の仕方が子どもたちに学びの手柄を与える工夫なのだと思う。「隠す」という資料提示方法は非常に参考になった。 ⑤感想 約4か月間ありがとうございました。大学の授業内でここまでICT機器を使った授業はなかったので貴重な時間となりました。さらに、授業づくりで役立つツール等を紹介してくださり、私自身の授業づくりのアイデアも広がったと思います(特にパワポ共有は非常に便利だと思いました)。私は小学校の教員を目指しています。先生の授業で学んだことを少しでも生かして、「全員参加型授業」を目指していきます。 |
①全員参加の授業 |
① ICTを活用した授業・学校生活に |
ICT この社会科の授業において、ICTの活用は、授業においても重要な内容であったと感じる。コロナの影響により、この数年で教育現場でもICT機器が急速に広がった。ただ、現状として、ICT機器を活用した授業といっても、ロイロノートの活用や調べ学習が中心で、それ以上の活用がされているとか、自分がそれ以上の使用ができるかと言われたらそこまでは活用できていないと感じていた。しかし、この授業でアプリを活用したりZOOMを活用したりと、ICTの活用について学習したことで、ICT活用に関する実践力を身に付けられたように感じる。また、これまでICTの活用はどちらかというと、学びを深めるため、発表が苦手な児童も授業に参加できるようにするためというような、子どもたちのため、という印象であったが、実際には教員の負担の軽減や、効率を上げるツールでもあるということを知ることができ、自分も積極的に活用していきたいと思うようになった。 全員参加型授業 全員参加型授業に関しても、この授業で重要な内容であったと感じる。社会科というと私の中では、調べ学習というイメージで、教育実習で見たクラスの授業でも社会の授業では調べ学習を行っていて、全体授業というより、個が中心のような感じがしていた。しかし、この授業を受けたことでその考えは変わった。子どもたち全員を授業に参加させるために例えば、わからない児童にも手を挙げさせたり、気づいたことをただ発表させるだけでなく、起立して、言い終わったら座らせたり、というような形をとることでうまく子どもたちを授業に取り込むことができると感じた。また、そうした取り組みは子どもたちだけでなく、教員がどの子が終わっていてどの子がまだ終わっていないか、内容を理解できているかなどを測ることができるため、自分も取り入れたいと思う技術であった。その他にも全員参加のための技術をたくさん教えていただき、どれも実践できるようになるために今後の実習や授業の際に意識していきたい。 模擬授業 自分たちの班では、調べ学習を中心とした授業を行ったが、調べて、全体共有するという平凡な授業になってしまった。また、うまく全員参加型の授業にすることができなかった。調べる活動の中で、例えば調べ終わったら座るや手を挙げるような少しの工夫を加えるだけでも児童たちを授業に通りこむことができると思われるので、そうした工夫をしながら授業を展開していきたいと感じた。他の班の模擬授業に関しては、アプリをうまく活用していたり、実物や劇を子どもたちに見せることで、子どもたちの興味を引き付けたりしながら、理解してもらいたい内容を伝えていたので、どれも参考になった。 授業展開について 社会科の授業においては、子どもたちに疑問を持たせ、その疑問を順番に紐解きながら理解させることが大切だと感じた。学習課題も、教員の中でこんな学習課題にしようと決めていても、それを最初に提示するのではなく、うまく子どもたちの中からその疑問を引き出して学習課題にするということ技術が必要なのだと学んだ。また、学習課題は、「~について考えよう」ではなく、「~について説明できるようになろう」という語尾に変えることで、ただ、考えるだけでなく、それを子どもたちの理解につなげるような工夫も必要だと感じた。 感想 この講義の中で、特にICTの活用、全体参加型授業という部分が印象的でした。ICT活用に関して、私の中では例えばロイロノートや、タブレットのカメラ機能などの限られた範囲内での知識しかなかったのだが、この授業を通して新しいアプリの活用や、これまで知っていたICT活用方法の新たな使い方を知ることができました。全体参加型授業に関しても、新たな取り組みや活動を取り入れるのではなく、ちょっとした声掛けや工夫で児童を取り込むことができるとわかり、今後の実践で活用させていただきたいと思いました。 たくさんの学びを得ることができ、楽しみながら授業に臨めました。半年間、講義ありがとうございました。 ・全員参加型について この授業を受けて、「全員が参加する」という意味を改めて理解し直しました。どんなクラスにも、積極的に挙手する生徒と、一回も挙手をしない生徒とがいると思いますが、土井先生の授業方法はどのような子でも参加することができるため、とても効果的なスキルを学ぶことができました。具体的には「おでこにグー」を使って「手を上げなければ意見を言わなくても良い」という考えを取っ払う、私にとっては画期的なスキルでした。 ・ICT教育について 黒板での授業の利点は数多くありますが、そうするとどうしても教師主体の授業になりかねないと思います。各授業においてパワーポイントや関連する動画、kahootなどのクイズサイトなどの活用は、児童生徒が主体的に授業に取り組む手助けとなると思います。児童生徒主体の活動があるからこそ、子どもは「楽しい!」と感じることができ、学びに向かう力がさらに育成されると思います。 ・教師の発言について 私が印象的な教師の発言は、「当てられたら困る人?」です。普通教師は、「発表してくれる人?」という投げかけが多いと思われます。発表してくれる児童生徒は教師からすると助かるので、つい、そのような児童生徒に目が行きがちですが、発表しない児童生徒の授業参加度を高めるために、当てられたら困るかどうかを尋ねることで、上記のように全員参加型授業を意識することができるのだと思います。私はバイトで一クラス20~30人に授業をすることがありますが、この授業を受けて以降、発表してくれる生徒ではなく、発表できない生徒に目を向けるようになりました。以前より発表できない生徒の授業参加度は私が見ても増したように感じられました。 ・仲間の模擬授業について 授業の導入で、「kahoot」を使用しているグループがあり、感銘を受けました。社会科の授業でクイズを行うことは私たちのグループでも考えることはできていましたが、スコアによる競争性やアニメーションチックであるため、児童生徒の関心が向きやすい、という点で、普通のクイズよりも優れたクイズであると感じました。そのクイズの内容から本時の内容に結びつけるのがとてもうまく、自然であったので、自分も真似したいと思いました。 ・自分の感想 この講義を受けて、私の教師としてのスキルが磨かれたと確信しています。全員参加型授業を目標とした話し方、発問、展開の仕方を学び、自分が塾のバイトで真似できるものが多くあったので、教師になってからも自分の授業に取り入れていきたいと思いました。また、ICTを活用することの重要性も改めて学びました。毎回の授業のパワーポイントを保存し、自分が将来社会を教える際には最大限に活用していきたいと思います。社会科としてだけではなく、教師として大事なことを学べた15回であったと思います。ありがとうございました。 1 全員参加型の授業 2 ICT 活用 3 模擬授業 4 教師による声掛けの方法について 〇 自分の感想
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