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裁判員制度-2-

2009-08-10 05:43:58 | 社会科関連情報
 台風9号が明日の早朝に接近するようです。

 さて、昨日は裁判員制度の問題点を指摘しましたが、だからといって私は制度に反対しているわけではありません。

 運用面の課題はまだまだありますが、社会科教師として、市民参加という方向には賛成です。

 その理由は…。

 みなさんもよく知っている三権分立。フランスのモンテスキューが『法の精神』で唱えました。
 国家権力を3つの機関に分散させ、各機関に他の機関を相互に監視しあうことにより、権力の均衡を図るためのものです。
 これが日本で上手く機能しているかどうかは別にして、「国民のかかわり」という視点で図を見てみましょう。

 国民は、国会に対して「選挙」という関わりがあります。もちろん、立候補という道もあります。これは明解です。

 内閣に対しては、「世論」になっています。世論の数字は、確かに政権の命運を左右しています。マスコミの影響が大きすぎる気もしますが、これもわかります。

 問題は、裁判所に対してです。「国民審査」だけなのです。

 国民審査は、最高裁の裁判官が、任命後初の総選挙の投票日に行います。その後は10年を経過した後に行われる総選挙時に再審査を受けます。
 審査は最高裁の裁判官のみ、しかも、国民は裁判官を審査する情報をほとんど持ち合わせていません。

 裁判員制度は裁判所を監視するためのものではありませんが、これまであまりにも希薄であった裁判所とのつながりを、一気に縮めるアイテムになると期待しています。

 裁判の言葉が平易になりました。
 裁判の報道も増え、「あなたはどう裁きますか?」式の論調が増えていくことでしょう。
 学校でも、裁判についてはより具体的に指導することになります。
 裁判の傍聴も飛躍的に増えるでしょう。

 裁判に関心を持つことは、実は社会へ関心を持つことであり、主権者であることを自覚する契機になるのです。

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