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9月9日は新聞休刊日

2013-09-09 05:25:07 | 社説を読む
9月9日は新聞休刊日です。東京五輪開催決定の記事が見れなくて残念です。

レスリングが五輪種目になりました。これもほっとしました。

昨日のコラムを見てみましょう。

朝日新聞
・ 「黒(くろ)歴史」という言葉を最近知った。人に言えない、知られたくない過去、なかったことにしたい失敗などをいう。もともと人気アニメで使われていた用語が、意味を転じつつ俗語として広がったらしい

▼前の恋人の写真を保存していて今の恋人に見られてしまう。その種の不都合な情報も黒歴史と呼ばれる。どんな愚行や醜態も、心の記憶に留(とど)まるなら、時に襲う胸の疼(うず)きに耐えればすむ。しかし、それがネット上に一度(ひとたび)拡散したら大変である

▼アルバイト先などでの悪ふざけ写真をソーシャルメディアに投稿し、騒ぎになる例が相次ぐ。今度の舞台は餃子(ギョーザ)の有名チェーン。金沢市の店で、数人の裸の男性客がカウンターに並ぶ画像が公開されてしまった。会社は「公序良俗に反する不適切な行為」を防げなかったとおわびした

▼コンビニ、宅配ピザ店、ハンバーガー店と、よくもまあ類似のことが続くものだと呆(あき)れる。よくないことと知ってか知らずか、ウケを狙うあまり逸脱に及んだのだろう。それが大っぴらになったらどうなるか、頭を働かせた形跡はない

▼会社は会社でイメージダウンが怖い。謝罪や閉店といった対応を急ぐ。処分がいささか厳しすぎないかという声も上がり、議論が広がっている。当の若者らはどんな心境で事の次第を見守っているのだろう

▼わが青春も顔から火の出る思い出に事欠かない。ふざけすぎてしくじりもした。おのれの苦い黒歴史を咀嚼(そしゃく)し、反芻(はんすう)する。思えばそれが、大人になるということか。

 
毎日新聞
・ 連続テレビ小説「あまちゃん」にはまったネコのたまちゃんの動画が投稿サイトで話題だ。なるほど、テレビから元気のいいテーマソングが流れてくると、たまちゃんは耳をピクンとさせてテレビの前にいく

▲オープニング画像に北リアス線の気動車が出てくるころにはテレビの前の椅子に座っている。画面の中の風景が川から海に変わり島になる。と、岩場の上から小さい海鳥の影が飛び去る。その瞬間だ。たまちゃんがすばやく前脚でパンと鳥をたたく

▲毎日のように自分で発明した瞬発ゲームを楽しんでいるらしい。「瞬」の字は「またたき」と読む。じっと精神を集中させ、またたきほどの短い時間を逃さない。狩りの本能を娯楽に使う余裕が動物にもあることに感心した

▲またたきとはどれくらいの長さだろうか。同じ動画サイトに「0.07秒」の動画が上がっていた。最短の動画だという。再生ボタンを押すと一瞬、風景写真のような画像が浮かんで消える。視覚には残像現象があるから実際より長く感じているかもしれないが「またたき」という表現がぴったりだ

▲宇宙航空研究開発機構(JAXA)の固体燃料ロケット「イプシロン」の打ち上げが延期になった。地上設備のコンピューターとロケットのコンピューターとの間に0.07秒のずれがあったからだという。発射の直前にそれがわかった

▲巨大なロケットの発射を止めた原因は、またたきほどの時間差だったのだ。発射延期は残念だったが、見方を変えれば、これほど短い時間を感知できる技術力もたいしたものではないか。次回はきっと期待にこたえてくれるだろう、イプシロン。


日本経済新聞
・ その作品を「空前絶後の出来だと思う」と評したのは映画監督の篠田正浩さんである。1936年のベルリン五輪の記録映画「オリンピア」は、30代だったドイツ人女性レニ・リーフェンシュタールが監督してつくられた。彼女が101歳で死に、きょうで10年になる。

▼なによりヒトラーのための宣伝映画だった。日本選手が銀、銅を取った棒高跳びは、夜の撮影に失敗して後日撮り直したことが知られる。ごまかしや細工はまだある。にもかかわらず、選手や観客の表情のとてつもないアップあり、水中撮影あり、スローモーションあり。斬新な映像とリズムにはいまも古めかしさがない。

▼作家の沢木耕太郎さんが「外国映画の中で最も日本人を美しく撮った作品かもしれない」と書いている。その通りで、日本人は選手も観客も、真顔も笑顔もいい。それに大勢出てくる。だが、トルコ人が登場するのは気づいた限り1度。もんどり打って落馬する馬術選手しかいない。スペインは五輪に参加すらしなかった。

▼バルセロナがベルリンと36年の開催を争って敗れ、ナチスドイツの人種差別政策に抗議する左派政権が独自に国際スポーツ大会を開こうとしていたからだ。その大会も、開幕直前に内戦が始まり中止へと追いこまれてしまう。「オリンピア」にスペイン人選手の姿はない。そのこと自体、五輪の歴史の重い一コマでもある。


産経新聞
・ 先月末、ロシアでプーチン大統領らを風刺した絵が警察に押収されたというニュースがあった。それぞれネグリジェと下着姿の大統領とメドベージェフ首相を描いた油絵などだ。展示した美術館は閉鎖され、画家がパリに逃れ亡命を申請したという。

 ▼確かに品性を欠く絵のようだ。大統領らが頭にきたであろうことはわかる。それにしても画家が「身の危険を感じた」というのだから、警察もよほど高圧的だったのだろう。表現の自由がほとんどなかったソ連時代と変わらない強権ぶりに、ゾッとする思いがした。

 ▼そのプーチン大統領が国際舞台では「紳士的」にふるまっている。米国が化学兵器疑惑のシリアに軍事介入しようとしているのに対し「国連安保理決議なしの武力行使は国際法違反だ」などと、反対している。議長国だったG20の首脳会合でもそう押し切った。

 ▼「紳士的」というのは冗談のつもりである。安保理決議といってもロシアが拒否権を持っている以上、何年たっても米国の主張は通りそうもない。「オレの目の黒いうちは勝手にさせない」と言っているようなものだ。拒否権を盾にした国内同様の強権ぶりに見える。

 ▼ソ連時代とはいえ、チェコ侵攻やアフガニスタンへの軍事介入のときはむろん、国連決議など得ていない。得られるような話ではなかった。それだけに逆風のオバマ米大統領は「あんたの国にだけは国際法違反などと言われたくない」と、悔しがっているかもしれない。

 ▼それが国際政治の厳しさだ。事前に圧倒的多数の国の理解を得られなかった米外交のまずさも指摘されそうだ。だが何より心配になるのは、北朝鮮などの無法国が「少々悪さしてもロシアさんがかばってくれる」と思い込むことである。


中日新聞
・ 五十四年前、ソ連の指導者として初めて訪米したフルシチョフ第一書記は、米国人の愛するカクテルのマティーニを評し「アメリカのもっとも強烈な生物兵器」と言って喝采を浴びた

▼米ハーバード大の講師だった板坂元さんによると、米国人がこの強い酒を好む背景には禁酒法がある。密造ウイスキーは味が悪く、製造しやすいジンを使ったカクテルが研究され、マティーニが生まれたという

▼フランクリン・ルーズベルト大統領は執務時間後にスタッフと楽しみ、ニクソン大統領も好きだった。フォード大統領も食前にたしなむのが日課だった

▼オバマ大統領の酒の趣味は存じ上げないが、猛毒のサリンという本物の化学兵器を使った疑いのある相手との戦いを始めようという矢先だ。強い酒でのどを湿らす余裕はないだろう

▼ロシアで開催されたG20では、シリアへの軍事介入を主張する米大統領への賛否は割れた。英国は議会の承認を得られず、米国と歩調を合わせた軍事介入を断念した。大義とされた大量破壊兵器が発見されなかったイラク戦争の教訓が生きた

▼人道上、許されない化学兵器を使ったのは本当にアサド政権側なのか。確実な証拠を得ないまま、国連の調査結果も待たずに攻撃に踏み切るなら、米国はイラクの失敗から何も学んでいないことになる。いつでも犠牲になるのは静かに暮らす民衆である。

※ 産経と中日はとてもよく似た、しかし、方向は正反対の内容でした。

 毎日は、「なるほど、そうきたか・・・!」という論法でした。

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