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後期初等社会科教育法 全体振り返り(2)

2024-02-22 07:25:44 | 大学・社会教育講義資料

後期初等社会科教育法 全体振り返り(2)

令和5年度後期に初等社会科教育法を受けた学生の振り返りを7回にわたって紹介します。それぞれ、一人当たり平均2,400文字を超える内容を書いてくれました。ぜひ共有してください。課題は次の3点です。(個人が識別できる内容は省いてあります)

1 これまでの15回の授業であなたが学んだことを、大きく3つ以上の項目でまとめなさい。

2 あなたが考えるよい社会科の授業とはどのような授業でしょうか?あなたの経験と、今回の授業の内容を加味して答えてください。(10行程度以内で)

3 「初等社会科教育法」を受けた感想を書いてください。

 ※ 1限・2限混合で、順番はシャッフルしてあります。


1(1) ICTの活用

  ITは社会の授業のあらゆるところで活用することができることを学んだ。例えば、パワーポイントで写真を見せる際、アニメーションを使って見せ方を工夫することで、子どもたちの興味を引くことができる。また、Googleフォームを使用して小テストを行うことで、すぐに小テストを採点することができ、教師に負担を減らすことができる。このように小テストを行うことで、即時フィードバックができるので子どもの知識が間違ったまま定着するのを防いだり、子どもが忘れないうちに復習したりすることができる。教師にとっても子どもにとってもメリットが多くあるGoogleフォームの小テストはぜひ活用していきたいと思った。ほかにもKahootやJamboard、テキストマイニングなど便利なツールがたくさんあることを知ったので、それらも活用していこうと思う。

 また私が講義の中で最も驚いたICTの活用方法は、音楽のテストで使用するという方法である。これまでに私が受けてきた音楽のテストは、みんなの前に立ってリコーダーを吹いたり歌を歌ったりするというものばかりであった。しかし、講義の中ではリコーダーを吹いている様子を動画にとって先生に提出することがテストの一環として行われていた。音楽のテストをみんなの前で行うことで緊張してしまい、実力を発揮できない子どもがいる、という話を小学校の先生から聞いたことがある。しかし、このように動画でテストを行うことで、普段の実力を発揮することができるのではないかと思う。また、動画のため、先生も時間のある時に採点したり、何度も動画を見返したりすることが可能となる。動画であっても、一人一人の音がきちんと聞こえてくるということが講義を通して分かったので、これもぜひ活用していこうと思った。 
 

(2) 子どもたちのノート

  子どもたちのノートはただ板書を写すためだけのものではないので、子どもたちオリジナルのノートが作れるような指導をしていきたいと考えた。多くの小中学校では、きちんと授業を受けているかどうかを確認するためにノートの回収が頻繁に行われている。実際に私が通っていた小中学校でも、定期的にノートの回収・チェックがあった。その際、先生が黒板に書いたことを写していることが前提で、写していない児童生徒は良い評価を受けることができなかった。また、先生が授業中につぶやいたことなどをメモしている生徒はノートの評価が高い傾向にあった。しかし、このような評価の仕方は良くないと考える。先生の板書をただ写しただけのノートは、子どもにとっては写経と同じで、理解を深めることは難しい。また、先生のつぶやきをノートにメモすることに必死になってしまい、結局授業内容を理解できなかった、という児童生徒も出てきてしまうかもしれない。そのため、授業を受けて児童生徒が考えたことや思ったこと、わかったことなどをオリジナルの方法でノートに取ることが大切である。そうすることで、子どもたちの知識はより定着しやすくなり、より効果的な授業を行うことができるようになるだろう。このように子どもたちが「自分だけのノート」を作ることができるようになるためには、ベン図やマインドマップ、チャート図など思考ツールの使い方を教えることが大切だと思う。そうすることで、子どもたちが自分だけのノートを作るための能力を養っていくことができると考えた。
 

(3) 全員参加型の授業

  私は9月に行った教育実習で「全員参加型の授業」の難しさを実感した。実習校では、担当クラスだけではなく、他のクラスにもたくさん見学に行かせていただいたが、どのクラスでも全員が平等に参加できる授業は多くなく、一部の児童のみによって授業が行われているように感じることも多かった。特に私の担当クラスは、発言する児童はほとんど決まっており、そのほかの児童はただ聞いているだけ、ということが多かった。授業を行った後の反省会でも、どうしたら全員参加型の授業を行えるのか、ということを何度も考えたが、結局3週間の教育実習ではその答えを見つけることはできず、消化不良に終わってしまった。しかし、土井先生の授業を受けたことで、「全員参加型の授業」の作り方を学ぶことができた。例えば、発言させる際にはルーレットなどを使いランダムに当てる、音読をさせる際には体の向きを変えることで全員にきちんと音読をさせる、やるべきことが早く終わってしまった子にも課題を与えることで空白の時間を与えない、など多くの工夫を学んだ。このような工夫の中で私が最も興味深かったのはハンドサインである。講義の中で出てきたハンドサインとして、何か選択肢を与えて子どもたちに答えさせる際、おでこの前に手を当てることで自分の答えを示させたり、「賛成」「反対」「付け足し」「わからない(考え中)」を示させたりするものがあった。おでこの前に手を当てて自分の答えを示す、というのはやっていないほうが目立つため必然的に子どもがやるようになるだろう。また、「賛成」「反対」「付け足し」のハンドサインに加えて「わからない(考え中)」のハンドサインを作ることで全員が手を上げることができ、結果としてみんなが前を向いて置けられる授業づくりをすることができると思った。

 全員参加型の授業とは、全員が同じように授業の内容を理解することではなく、同じように参加することだと考える。なにをしてよいかわからずボーっとしてしまったり、寝たりしてしまう子どもたちがいた場合、それは、教師が全員参加型の授業を作るための工夫ができていないからではないだろうか。教師が少し工夫をすることで、子どもたち全員が同じように参加できる授業を作れることが分かったので、講義で学んだことを教育実習や今後の教員生活で生かしていきたい。
 

(4)導入の工夫

  楽しい授業を行うためには導入部分で子どもたちをひきつける必要があると学んだ。これまで私が受けてきた授業の多くは、前回の学習の振り返りをして、本時のめあてを読む、という導入が多かった。実習校やボランティアをしている学校でも、このような進め方をしている先生が多く、それが普通だと思っていた。しかし、土井先生の授業で紹介されたものの多くは、授業に関する資料や写真、動画などを提示することで、子どもたちの興味を引いていた。また、このように資料などを提示することで、子どもたち自身から「なぜ?」という疑問を生み出すことができ、それを本時のめあてにつなげることができる。めあてを教師が提示するのではなく、子どもたちから提示できるとよいというのは知っていたが、どのように提示させたらよいのかまではわからなかった。しかし、資料を提示して、子どもたちに「なぜだろう」と考えさせることで、子どもたちから一つのめあてを出させることができると学んだので、活用していこうと思う。

 また、めあては「~を考えよう」という抽象的なものにするのではなく、「~を説明しよう」といった具体的なめあてにすることで、子どもたちが1時間の授業で何をしたらよいのか明確になり、結果として全員参加型の授業を作ることができるのだと分かった。今までのめあては「~を考えよう」というものばかりを設定してきたので、次回の教育実習からは「~を説明しよう」というめあてを設定していこうと思う。

 

2 私が考える良い社会の授業は、正解を教師が子どもに教えるのではなく、子どもたち自身で「なぜだろう」という疑問を見つけ、その疑問を解決していくことだと考える。これまで私が学校生活の中で受けてきた社会の授業は、自分自身で何かを考えるという機会が少なく、どれも教師による一方的な知識の伝達であった。そのため、正直、社会は暗記教科だと考えており、社会の授業に楽しさを見出したことはあまりなかった。しかし、今回の授業を受けて、「子どもたち主体」の授業の大切さを知り、また、社会の授業でも「子どもたち主体」の授業を作ることは可能だということを知った。導入部分を工夫することで、自然と子どもたちの「知りたい!」「学びたい!」という気持ちを掻き立てることができ、子どもたち自身で課題を設定することができるようになる。子どもたち自身で課題を設定すれば、それをどのように解決していくべきかを考え、子どもたち自ら問題を解決できるようになることが分かった。また、授業を自分事としてとらえることができるようになるため、教師が前に立って一方的な授業を行うよりも、集中して授業に取り組めるようになるのではないだろうか。以上のことから私は、子どもたちが自分で課題を発見し、それを解決していくという問題解決型の授業を行うことが、よりよい社会の授業につながると考える。

 
3 私がこれまでに受けてきた社会の授業は、教師による一方的な知識の伝達ばかりでした。そのため、あまり社会の授業が楽しいと感じたことはなく、自分自身も楽しい社会の授業をできる自信は全くありませんでした。しかし今回、土井先生の授業を受けて、教材研究をしっかりと行い、見せ方や伝え方を工夫することで、子どもたちの興味を引くことができることを学びました。ICTも自分自身が苦手で今までは避けてばかり来ましたが、今回の授業を通して、意外と簡単にICT活用できることが分かったので、これから活用していきたいと思います。また、ハンドサインや児童生徒の当て方など全員参加型の授業を作るための工夫をたくさん学んだので、それも活用していこうと思います。

 土井先生のおかげで、社会の授業の楽しさを知ることができました。今回の学びを通して、前期教育実習では前回よりもより良い授業ができるよう、準備をしていきます。また、将来の教員生活にも生かしていこうと思います。半年間、ありがとうございました。


1(1) 「授業のハードルを低くすること」

  「授業のハードルを低くすること」は、全員参加型の授業をつくるということです。Well-being2030といわれるものがこれからの教育目標となり、SDGsの③の取り組みである「すべての人に健康と福祉を」目標としていま す。教育目標の変化から児童の求める姿も変化し、「よりよい未来の創造に向けた変革と」を意味するエージェンシーという言葉を用いて、これからの教育は、「学びに向かうエージェンシー」=「学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性等の涵養」という姿が求められます。

実践的な面では、ハンドサインやクイズ形式などを用いたり、グループ活動や話し合いを取り入れたりして、わからない児童をそのままにしないことが大切であると考えます。
  

(2) 「授業ヘの集中力を高める方法」

 授業の集中力を持たせるために、緊張感を与え全員を参加させることが大切です。例えば、挙手ではなくルーレットで児童をあてたり、作業指示に工夫をしたりすることが必要であると考えます。

 ルーレットでは、話し合いのあとで誰か発表してという指示ではなく、ルーレットなどを用いることで、当たるかもしれないから真剣に話し合ったり事前に伝えておくとわからない子はわかる子に真剣に聞いたりする姿が見られるため、授業のユニバーサルデザイン化を実現することができます。

 作業指示では、作業が終わった子どもが学級崩壊のカギになる可能性が高いため、終わった子を遊ばせない工夫が必要です。例えば黙読の場面では、「3回読みましょう」は2回でやめてしまう子もいるため、向きを変えて右を向いて1回左を向いて1回後ろを向いて一回終わった子を遊ばせないために着席して唇読みさせるなどして、早く終わった子にはヒントをつくらせたりやることを与えたりすることで集中させることが出来ます。

 また、集中力が続かない特性がある児童には、脳のメカニズムを理解して授業に工夫を取り入れることも大切です。脳内物質(ドーパミン ノルアドレナリン セロトニン)が出ると集中して授業に参加できるため、それらの分泌を促す行動を取り入れると有効的です。ADHDの治療薬はドーパミンやノルアドレナリンの分泌を促すものであるためグレーゾーンの児童を集中させることに役立ちます。

(3) 「ICTの活用方法」                 

 情報を共有できるところがICTのいいところであり、採点しなくてもよかったり、データとして残ったりと教員の仕事量を減らしてくれます。フォームの回答も一覧で観ることが出来るため成績を付けるときなどにとても便利です。グーグルフォームやロイロノート、カフートなどが学校現場で使える主なアプリで、道徳心の数値電を示したり、復習のために、休んだ子にチームスで送ったりと様々な使い方が出来ます。また、不登校の児童や欠席連絡の児童に家庭訪問や個人連絡などにも役立ちます。

 ICTを取り入れることは教員にとってとてもハードルの高いことだと思えますが、取り入れることで、児童のためにも教師のためにも活用することが出来ます。

 実際の授業のICT活用面では、パワポを使いアニメーションを活用することで子供たちの興味を引くことが出来ます。ゆっくりにしたり、ランダムストライプなどを用いて楽しく授業をつくることが出来ます。このようにICTを活用することで、全員参加型授業の実現にもつながります。

  

2 私が考えるよい社会科の授業とは、「全員参加型の授業」 です。私が受けてきた社会科の授業の中で1番印象的なものは、プリントの穴埋を教科書から探して記入するだけの授業です。これでは「見つける」という作業だけであり「考える」ということを放棄しています。中学生ながらに「この授業は何の意味があるのだろう」「社会ってつまらない」という印象を受けた記憶があります。こうした自身の経験から、きちんと参加できる授業をつくることが大切であると考えます。社会が得意でない児童も、ハンドサインや周りとの話し合いを経て自分の意見が何かの形で授業に表出されることが出来ます。また、ADHDやグレーゾーンの児童に対しても、授業に集中できる脳のメカニズムを理解し、体を動かしたり声に出したり褒めたりなど を授業に取り入れて全員参加型の授業を実現させることが出来ます。このように、よい社会科の授業とは、「全員参加型の授業」だと考えます。
 

3  社会科教育法の授業を受けて、授業でのICT活用のハードルが下げることが出来ました。今までは、ICTをさけて模擬授業などをつくっていたけど、これからは積極的に活用していきたいなと思いました。

とても身になる授業ばかりでした。ありがとうございました。


1(1) ICT活用についての学び

  最近では、子ども一人につき一台のタブレット所持が当たり前の時代となってきている。そのタブレットで、講義で取り扱った「Kahoot」や「Jamboard」を活用すると、授業の導入で子どもの好奇心をさらに高めたり、簡単に意見を共有をすることも可能であるということを実感することができた。今まで、ICTを活用した授業が大切だということには気づいていたものの、具体的にどのアプリをどう使えばいいのかわからずになかなか手を出せないでいた。しかし、講義の中の模擬授業を作成する段階で友人と共に調べ、さらに他の人の使うアプリを使っていく中でICTを活用した授業についてより明確にわかった。実際に教師になったときに、講義で学んだICTの活用方法を授業に生かしていきたい。

(2) 協働的な学びの良さについての学び

講義の前半に実際に小学校で行う授業を体験したとき、意見を交流する機会が多かったように感じた。私が小学生の頃は、「社会」と言えば、ただ教科書を読んで要点を整理して暗記してテストを行うだけの教科と思っており、講義を受ける前までは、そのイメージが強かった。しかし、土井教授の意見交流が多い授業を受けてみて私が小学校に受けた社会の授業と全く異なる新鮮さを感じるとともに、協働的な学びを授業で取り入れることでの良さが見えてきた。一つの物事を考えるときに、意見交流を行うことで、自分だけでは思いつかなかったことにたくさん触れることができる。他人の考えに触れることで、結果的に自分自身の視野が広がり、多くの知識や考えを得ることができる。以上のように、協働的な学びの良さを取り入れることで得られる良さについて、講義を通して学んだ。

(3) 全員参加型授業を行うためのテクニックについての学び

私が小学生の頃、急に「先生の話を聞かなくちゃ」という気持ちになったり、逆にやる気が出なくなったりすることがあった。今までそれについて特に原因を考えていなかったが、講義を通して、それらは脳内物質が関係していることを学んだ。さらに、それだけでなく子どもの脳内物質をコントロールして授業に主体的に取り組ませる、全員参加型のテクニックについても学ぶことができた。脳内物質について講義以外でも詳しく調べ、それらをどう刺激してどう授業に生かしていくのかを微力ながら考え、模擬授業で実践することができたと感じる。他の班の模擬授業の中でも、「参加したい」という気持ちになる授業がいくつかあったため、今後の模擬授業や教師になったとき、それらのテクニックを駆使して授業を行っていきたいと思う。

2 私の考えるよい社会科の授業とは、授業を受ける子どもたち一人一人が社会科で扱う内容対して自分の考えを持ち、その考えを友人と共有していく中で自らの考えを深め、知識を増やし、多方面に視野を広げていくことのできる楽しい授業だと考える。自分の過去を振り返ると、「社会科」と言えば暗記科目以外の何物でもなかった。ただ教科書の重要単語を暗記し、テストで穴埋め問題を解いて終わりの科目だと思っていた。しかし、講義を通して社会科は単なる暗記科目ではないということが分かった。講義全体を思い返すと、意見を交流する機会がたくさんあったと思う。その中で、自分では思いつかなかったような考えを知ることができ、さらにその考えを基に新たな視点で物事を考えることができたいたと実感している。結果的に、講義で学んだ内容が鮮明に頭に残っており、何よりも講義を受けていてとても楽しかったという想いが残っている。以上のように、楽しく学ぶことができるうえ、自然と知識が習得でき、さらに自らの考えを広げられる授業は、子どもにとってとてもよい授業だと考える。

3 上記にも述べたが、私は、講義全体を通して、「社会科」に対してのイメージが大きく変わった。教科書の要点を暗記して終わりなのではなく、子ども一人一人が物事に対して考えを持ち、その意見を周りの友人と共有してさらに考えを深めていくという、今までのイメージと全く異なるのものだということが分かった。講義の中で、「授業で挨拶するのは先生ではなく周りの友達」とおっしゃられていたことから、先生はあくまでも学習を支援する存在で、授業はいかに子どもたち同士で学びあうことができるかが大切だと私の中で解釈している。講義全体を通して、授業を行うためのテクニックを多く学んだが、それだけでなく、「社会科」の内容についても、自然と記憶に残っている。それほどまでに授業に積極的に取り組んでしまっている自分を俯瞰してみた時、講義で学んだ、「子どもが授業に主体的に取り組むためのテクニックの効果」が大きいことを改めて感じることができた。私が教師になったとき、自分が受けてきた型にはまっただけの授業ではなく、子どものことを真摯に考えた楽しい授業を行いたいと思った。


1(1) 授業中に子どもたちに出るホルモンについて

 授業中は子どもたちにとって、受け身の姿勢になるのではなく、子どもが主体となって参加できるような工夫が必要である。そのうえで、意識すべきなのは、授業中の活動を通して、子どもたちの体内で分泌されるホルモンである。ルーレットなどを用いてランダム性を持たせると、子どもたちはいつ指名されるかわからないドキドキ感を感じるが、これはノルアドレナリンによるものであり、こういったホルモン刺激によって子供は授業に集中することができる。子どもが授業に集中できずに寝てしまうなどは、一見子供に責任があるようだが、それだけではなく、教師側の授業づくりにも課題があるということが分かった。
 

(2) 課題の提示の仕方について

 今日の課題などの提示には気をくばらなければならないことを学んだ。自分の実習の経験でも、物分かりがいい子は進んで発言していたのに対し、この時間で何をすればいいのか、何を学んで理解したらいいのかをわかっていない子が多くいた。そのため、途中から課題をより明確にするように心がけた。そうすると、授業のまとめでこちらの想定に近い内容を書いてくれる子が増えた。○○を調べようなど抽象的なものではなく、指示をより具体的にすることで、取っかかりやすくなると感じた。それがこの授業内でも出てきたため、自分があの時やった工夫が間違っていなかったことを確認できた。
 

(3) 資料の使い方について

各班の模擬授業を受けてみて、資料の使い方に差があると感じた。使い方とは提示の仕方なども含めてであるが、社会科は資料の読み取りの場面がおおくあり、子どもたちのレベルに合わせた資料を持ってくることがとても大事であると感じた。授業中の意見を書く時の参考になるものでは着目させたい点を明確にした資料を持ってくるべきだと思うし、全体像に触れさせたい、比較をさせたいなど趣旨によって様々だと思うため、これらを適切に扱っていきたいと感じた。
 

2 自分の経験では、社会とは暗記科目であり、授業で思考を巡らせることはあまりなかった印象がある。特に歴史などでは事実で構成されており、それを覚えるための時間だった。なかなかどういったことを授業でしていたのか覚えていないが、一つ明確に覚えている授業がある。中学の公民の授業で、ある市の市長となり、四つの市の改革案のうちどれを選ぶか決めようという授業があった。その市の設定を決められた状態で、何をすることで発展させられるのかをABCDのグループとなり討論した。それぞれのグループで代表を作り、演説も行った。自分の意見を伝えて、相手の意見を聞いて反論して言い負かせてやろうと、頭を働かせていた。結果的に自分がリーダーをやったグループの意見がいいとクラスで決まり、グループ内でやったねと喜んだのを覚えている。また同じような授業をした他クラスの意見も聞き、ああそれは出てこなかったねと新しい側面を知れたこともあった。この教育法の授業を受けて、単純な記憶だけをするものじゃなかったからよく覚えているのだなと思った。やはり、受け身ではなく、何か子どもなりに考える授業展開を常に心がけていきたいと感じた。事実を伝えるのではなく、一人一人に意見が生まれる課題設定を考えていきたいと思う。
 
3 ICTを積極的に取り入れた授業づくりの参考になりました。僕はICTを取り入れなければならないと思いつつも、別に紙でもやれることを画面を使ってかっこつけているだけならいらない気がするなと感じていました。簡略化することも可能なので、移行していくことは大事だと思いますが、 そんなに魅力を感じていませんでした。ですが、ネットでできることをうまく授業内に組み込む土井先生のやり方を今後参考にして、全員参加型の授業を作っていきたいと思います。半年間ありがとうございました。


1(1)教材研究の大切さについて

 これまでの15回の講義で教材研究の大切さについて学びました。特に最後の15回目の授業では、子どもの苗字から人の流れの学びに繋がることなど、これとこれが繋がるのか、ということについて知るためには、教材についてより広く、より深く知っていなければできないことが多くあることがわかりました。また、模擬授業でも、授業で行う題材について知っておくことで、カフートでのクイズに用いることができたり、情報共有の時間で、子どもの考えについてより正確な回答ができたりするのではないかと考えました。

 (2)授業におけるICT活用について

 私がこの15回の授業で学んだこととして、授業におけるICT活用があります。模擬授業でもICTを活用しましたが、カフートなどのクイズで使うようなものや、吹き出しくんといった情報共有のソフトウェアがあることを知らず、ICTの活用といえば、授業中におけるスクリーンへの板書代わりのものや、理科などで実験の動画を見せるなど実際にはできないことを体験させることしか知りませんでした。ですが、クイズでは既有知識の確認や復習に用いることができたり、班で考えることで情報共有や対話の時間にもなります。また、情報共有でも個人の意見を出させるものや、班で考えた情報を記入させることといったことにも用いることができます。ICT活用にはロイロノートやパワーポイントといった既に知られているものが多く、その中で用いることができるものを使おうといったことが多いのですが、新たに使えるものを発掘していくことも大事だと考えました。それに加えてカフートや吹き出しくんなどの外部ソフトウェアの良い点として、児童、生徒の匿名性に長けていることが良いことだと思いました。ロイロノートの情報共有では先生に見られていることや周りに確認されることがいやな子どももいます。もちろん、このことについて悪いことではないと考えていますが、評価をつけない場面などにおいては、このような匿名性に優れているものが良い場合もあると考えました。そして、カフートのクイズではポイントもつくので、ただ正解するだけでなく、そのスピードど正確性も測れるため、ポイントを多く獲得するために復習をしようとする子どもも現れるのではないかとも考えました。なので授業でのICT活用はその利用する場面を考えればよりよい学びにつながるものではないかということが学習でしました。

 (3)全員参加型授業のメリット、デメリットについて

 全員参加型の授業のメリットととして、子ども全員が良くも悪くも学習に対して取り組まなければならないという点にあると学びました。例えば、今回の講義でも活用されていたように、誰が指名されるかわからない状況であれば、子どもは問題に対して正解の回答を用意しなければならないと考えて、問題に取り組みます。しかし、これはのちに記述するデメリットにも繋がってくるのではないかと考えました。全員参加型の授業のデメリットととして、指名されることに恐怖心やストレスを感じやすくなるのではないかという点です。先に記述したように、誰が当たるかわからない環境では、子どもは正解の回答を用意しようとします。しかし、これは指名された際に正解できなければ周りの子どもによく思われないだろうという考えや正解をして頭がいいと思われたいといったさまざまな考えからくるものだと考えます。しかし、それができなければストレスに感じてしまうこともなくはないと考えます。ただ、これに対して、正解しなければならないという考えをなくし、間違えてもよい環境におくことが必要なのではないかとも考えました。しかし、これも行き過ぎてしまえば、指名された際に「わかりません」の一言で逃げられてしまうことに繋がってしまうかもしれません。ここまでを踏まえてしまうと、全員参加型の授業は悪いものだと受け取られてしまうかもしれませんが、そうではありません。この講義で用いられたように、カフートでのクイズや情報共有や班活動も立派な全員参加型であり、講義で体験した際にはどれも楽しく、知識欲が出てくるものでした。つまり、全員参加型の授業を目指すためには、どのように教材に興味を持たせ、どのように学びたいと思わせるかが焦点になることを学びました。

 2 私が考えるよい社会科の授業とは先に学んだこととして記述したように、子どもが教材に興味をもち、意欲的に学習し、問題解決をすることができる授業であると考えました。私が小学校や中学校で学んだ社会科ではいわゆる受け身の授業が多く、この講義で用いられた全員参加型とは程遠いものでした。しかし、この講義で学んだように、自分から考える機会を作り出すことができれば、自ずと教材に興味をもち、自分から考えようとすると考えました。また、他の人と考えを共有することで、価値観の違いや個性が見られ、班の活動者やクラスメイトについてより知ることができ、より楽しいものになると考えました。そして、その楽しさから学びに向かう姿勢も得られるのではないかと考えました。なので、自分から興味を持て、解決できる授業がよい授業なのではないかと考えました。

 3 私はこの初等社会科教育法を受けて、社会科に対する考え方が180度変わったと思います。今まで社会科は受け身の授業が多いと学んだり、それをいかにして参加させるかを考えてきましたが、答えが浮かばず、参加させるのは難しいのではないかと考えました。しかし、この講義で学んだ全員参加型の授業のやり方を活用したり、応用したりすることで、全員参加型の授業は思ったよりも簡単に作れることがわかりました。またICTの活用や教材研究についても学習することができたのでこの機会をさらに活かせるように頑張りたいと思います。特にクイズ形式は楽しく、とても印象に残りました。


1(1) 思考ツールの活用やICTを活用したクラス全体での意見交流の仕方について(児童の発言促進)

  まず、思考ツールとは分類する・比較する・関係づける・順序立てる・構造化するなど、物事を批判的複合的に考える際に、その考えを整理して見えやすい形で表現するためのものである。この授業で学んだ思考ツールの中で一番印象に残っているのは「ふきだしくん」である。ふきだしくんはクラス全体の意見を一目で見ることができるため、個人⇒グループ⇒全体での活動を行った後、全体での意見交流の際に用いるのがいいと学ぶことができた。また、ふきだし君のいいところは、他にもある。児童の発言をあてる方法として、反応が一番良かった児童を当てて、立たせて発言することなどがあるが、緊張で上手く話せないため全体で意見を発表したくない児童もいる。むしろ、結構いる。そのため、クラスの実情に合わせて、立たせて発表させるのがいいのかふきだしくんを使うのかを考えるべきであると考えた。ふきだしくんは匿名投票が出来るため、緊張で上手く話せない子にも発表の機会を与えるいいツールだと考えている。具体的な流れとしては、ふきだし君を用いて匿名の意見をクラス全体で紹介し、褒める。褒めることで児童は自分の意見が褒められたことに対して、喜び、自信を持ち、意見を出すことへのハードルも下がるのではないかと考える。

(2) 児童の反応や、意見を活かす方法(児童の深い学びの実現のためには)

児童の意見を活かす方法について、「AはBなのにどうしてCなのか?」という疑問を投げかけることによって、児童の批判的な思考を促すことができる。そして児童の深い学びへの実現へとつながる。しかし、この手法は、授業中によく児童の反応、児童同士の対話、意見交流を観察しなければ利用することができない。机間指導の技術を上達させることで、この技術を使えるようになると考えている。この授業では机間指導のテクニックも学ぶことができた。それは机間指導の際にはいい考えをもっている児童や、いい話し合いをしている児童を座席表などの裏にメモして起き、当てるといったテクニックである。

(3) ICTを活用した教員の業務効率化について

  第7回目の授業の中で、ICT活用例についての学びがあった。近年、GIGAスクール構想により、一人一台ICT機器が配られた。そして、ICTを活用した研究が多くの場所で進んでいる。今回学んだのは、「Khoot」、「Googleフォーム」、「GoogleClassroom」、「自動音声入力」である。Khootは、現場でのICT活用としてとても人気があると学んだ。たしかに、実際に自身の模擬授業で行ってみたり、児童役としてやってみたりするととても楽しく授業ができると感じた。  

  また、GoogleフォームやClassroomを用いることで小テストの効率化、プリントの印刷・配布が不要になるため、業務が楽になるなと感じた。最後に、自動音声入力で発音を確認するという活用例は全く想像できなかったものであったため、感動した。先生のしゃらくのサイトには多くのICT活用例があるため、そのサイトで自身のICT応用力を身に付けて学び続けていきたいなと思った。

2 私が思うよい社会科の授業とは、まずは楽しく学ぶことができることであると考える。社会の学習をするにあたって、どうしても知識を詰め込むだけの授業になりがちであると考える。実際に、中学、高校の地理や世界史、現代社会の学習においてもほぼ詰め込むだけのものであった。学習目標は違えど、学習は楽しくするに越したことはない。そうすることで、自然と児童生徒の学習意欲が湧いてくると考えている。 

  楽しい授業をするためには、やはりKahootや、全員参加型の授業、具体的は当て方の工夫をするといったこの授業で学んだことを活かすことで達成できると考えている。

3  先生の授業を受けたことで、授業中の児童へのアプローチの仕方がより明確になりました。実際に教育実習に行った後というのもあり、自身の授業の課題に悩んでいたところにこの授業であったためとても有益な授業だなと感じました。このような授業はこの大学生活の中で初めてではないかと感じるほどでした。これからもICTの活用についてや、授業づくり等を学び続けたいと考えています。ありがとうございました。


1 (1) 全員参加型の授業

  この授業で学んだ一番大きなことはやはり全員参加型の授業にする重要性と方法であると思う。社会科は理科とは異なり、実験という能動的な活動がなく、比較的受動的な授業になりやすい教科だと思う。実際自分自身が学生当時、活動という活動がグループワークくらいでただ先生の話すことを聞いているだけの授業を退屈だと思い、授業中に寝ていたり、よそ事をしていたりすることが多く、あまり授業に参加していた記憶がない。また、全員参加の授業というのは理想ではあるけれど、実現させるのはなかなか難しいと思う。義務教育課程の教室内には多様な能力の児童生徒がおり、賢い子は教科書を読めばわかることをわざわざ授業で教えられてもつまらないだろうし、あまり勉強が得意ではない子は授業を聞いても聞かなくても何も変わらない。だからこそ、この授業で学んだ全員参加型の授業になるための手段は勉強の得手不得手に関わらないかつ全員が能動的に活動できるための手段でいいなと思った。

 特に、個人的に一番いいなと思ったのは問題に対して選択肢を与え、自分の頭の前でその番号を示させる方法である。これは選択肢があるためたとえわからなくても、とりあえずあてずっぽうでも参加することができるし、一人が全員の前で発表するわけではないため、間違えても恥ずかしくならない。また、似たようなもので考え中やわからないという場合はそのように意思表示をするというのもいいなと思った。わからないことをわからないといえる環境は大切であるため、授業からそのように癖づけていくのはいいと思う。また、そういった全員参加型の問題を出題するとき、その問題は知識問題でありながら私達大学生ですら、どうなんだろう考えさせる問題となっており、単純な予習だけでは答えられない知識問題や、気づいたら座るといったその場でしかわからない問題が多いのも間違えてもいい、考えてみることが大事という活動的なもので、ぜひ今後取り入れてみたいと思った。

 受動的な授業になりやすいからこそ、発問に対する答え方などを工夫して全員参加させることで能動的な授業にできるということを学んだ。
 

(2) 教材研究の重要性(学習課題のつくり方)

  上記に「全員参加型の問題を出題するとき、その問題は知識問題でありながら私達大学生ですら、どうなんだろうと考えさせる問題となっており、単純な予習だけでは答えられない知識問題や、気づいたら座るといったその場でしかわからない問題が多い」と記載した。こういった問題をつくるため、また充実した授業にするため、そして児童に問題意識を持たせて能動的に学ばせるために教材研究することの重要性を学んだ。

 11月14日の授業は学習課題のつくり方についての授業であったが、その際には自分事として捉えさせ、疑問をもたせること、そして「~について考えよう」や「~について調べよう」ではなく「~について説明しよう」とすることで最終的なゴールをはっきりとさせるとよいと学んだ。この課題設定も教師側が何について児童生徒に学ばせたいのかはっきりとさせ、まずはそこに疑問を持たせられるようにし、またその最終的な説明にはどのようなことをポイントとして書かせたいのか明確にしなければならない。これは一見当たり前のシンプルなことであるが、案外ただ教科書を読んだだけでは明確にすることはできないし、教師側がその学習内容に対して十分な理解がなければできないということを模擬授業を通して気がついた。

 班活動で模擬授業を準備する際、小学生向けの教科書には十分なデータや知識が記載されておらず、インターネットや図書館で借りてきた本を読み漁った。教科書に書かれている内容だけでは教えたい項目に疑問を持たせるきっかけにすることができず、また表面的かつ受動的な授業になってしまいそうだったからだ。何度か先生の模擬授業を受けたが、あれは先生自身がその地へ足を運んだり、いろんな文献を読んだり、先生自身が疑問に思ったことを調べてみたりしてデータや資料を集め、知識を深めているからこそできる授業であったと模擬授業を終えてからより実感をした。

 児童生徒に疑問を持たせ、全員参加型の授業の授業にするためにはまず教員側がその内容についてよく知っていなければならないからこそ、教材研究は大切であるとわかった。

 

(3) ICT活用のメリット・デメリット

 ICT活用についてはこの授業で学んだことは多かった。

 まず、メリットである。ICT活用メリットはやはり効率性と秘匿性にあると考える。

 カフート、Googleフォーム、Classroom、Teams、心の数直線、ふきだしくんと様々なものがあることを知ったが、それらに共通しているのは効率よく短時間で全員のデータが得られるという点である。授業で考えたことを一人ひとりあてて聞いていたら時間がかかってしまうところを、ふきだし君などで共有すればお互いの考えを瞬時に把握することができる。また、欠席連絡や提出状況、テストの採点なども機械が行うことで児童生徒のデータを短時間で知ることができる。多様な仕事をこなさねばならない教員という職業の多忙さから見てもICTの活用はより効率的かつ短時間で仕事を終えることができるというのは大きいメリットだ。

 また、児童生徒にとってもメリットはある。それはその秘匿性だ。カフートを用いれば間違えてしまっても間違えたことを誰かに知られることがないし、心の数直線を用いれば言葉では表現しづらいことも伝えやすくなる。家庭科、書写、リコーダーテストを写真や動画で提出するというのも、自分の能力が評価をする教員以外には知られない。間違えたら、失敗したら嫌だなという感情が起きにくくなり、またいじめ防止にもつながるのではないかと思う。

 一方でやはりいくら便利であるとはいえデメリットも存在すると思った。

 自分たちの班は模擬授業でPowerPoint、カフート、動画を使用したが、一番目玉であったカフートが上手に機能しなかった。前日までの練習段階ではうまく接続し、滞りなく進めることができていたのに本番ではスクリーンに映らず、手間取ってしまった。ICTは機械である以上うまく作動しなかったり、機能しなかったりすることがある。大切な場面で動かなくなってしまう可能性があるというのはやはり大きなデメリットであると思う。だからこそ、ICTを活用する際に大事なのはそれぞれの機能を正しく理解して長所を生かして授業に取り入れることだけではなく、うまくいかなかったときどのように対応するかといった土壇場での対応力であるように感じた。

 自分は幼いころからすでにインターネットがあったとはいえ、あまり教育現場にICTは導入しておらず、学校現場ではどうしてもアナログの方法で処理するイメージが強い。今回学んだICTのメリット・デメリットについて考えながら授業や学級経営に役立てていけたらいいなと思う。

2  自分が考えるよい社会科の授業は点と点をつなげるストーリー性のある授業であると考える。

 自分が今まで受けてきた社会科の授業はつまらないものと面白いもの両極端であった。つまらない授業はただ先生が教科書に書いてあることを話しているだけのもので、面白いと感じた授業はストーリー性があった塾の授業と父の話である。

 中学時代通っていた塾の社会科の授業は物事のつながりを教えてくれる授業だった。その出来事が起こった原因やそのように行動した人々の思考の流れを教えてくれるものであり、一つ一つの出来事を点としてではなく、点と点をつなげるような授業で面白かった。また、父は社会科の教員であるが、父の話もこういう歴史があったから今こうなっているんだよとか、こういった地形だからこの地域の人々の生活はこうなんだといったつながりを感じられるものが多い。そして名字の模擬授業でも鈴木姓と熊野神社のつながりや、様々なものから見る東西の境界線といったつながりがあった。

 こういった経験から面白い社会科の授業は点と点を結びつけるための橋渡しとなるようなストーリー性のあるものであると思う。

3  社会科の授業、ひいては授業というものに対する見方が大きく変わったと思う。どんなに面白い社会科の授業でも、社会科の授業の基本は先生の話を聞くもの、社会科が得意な児童生徒と先生のやり取りをみるものだと思っている節があった。社会科に限らず、他の教科ですらそうだ。授業は賢すぎる子にも勉強が苦手な子にも優しくなくて、どちらの立場も経験したことがあるからこそ、自分は将来全員が能動的に参加できる授業をできるような先生になりたいと考えていたが、この初等社会科教育法の授業はその具体的手段を学ぶことができる有意義なものだった。

 今までの自分だったら能動的な活動のある授業=グループワークのある授業もしくはパフォーマンス課題のある授業だった。しかし、この授業で全員参加型の授業の授業をはじめ、上記のようなことを学んで、能動的な活動のある授業の形はさまざまであることがわかった。

 漠然とした「全員が能動的に参加できる授業をできるような先生」になりたいという思いが、そうなるためにはどうすればいいのかというところまで掘り下げられ、自分のなりたい教師像がよりはっきりとすることができたので、土井先生の初等社会科教育法の授業を受けることができてよかったと思う。

 半年間ありがとうございました。


1 (1) ICTの活用について

  授業中の子どもたちの思考をサポートしたり可視化したり、授業にメリハリを作るためのツールとして、ロイロノートやkahoot、GoogleFormなどがあることを学ぶことができたのが、私が思うこの15回の授業における最大の学びであると考えている。特にkahootは模擬授業でも多くの方々が使っていたように、問題と答えさえあらかじめ用意しておけば、子どもたちが楽しんで知識のアウトプットができると感じた。子どもたちは時間を競ったり点数を競ったりする要素を組み込むだけで、非常に積極的に課題や問題に取り組んでくれる。また、GoogleFormを利用することによって、採点や意見をまとめるといった事務作業が自動化され、非常に効率的になり、教師の仕事の時間を短縮できると知った。一方で思考ツールを使い過ぎたり、議論する要素が少なかったり因果関係が明確だった場合、かえって思考する能力を妨げる場合もあり、使いどころを見極める必要があると知った。 
 

(2) 指導案の書き方について

  指導案の書き方について学んだ。教材観については指導要領からほぼ丸コピをする。指導の流れを考える。その流れに沿って教材観を修正する、という流れで指導案を作成していくと作りやすいと学ぶことができた。また、目標や評価規準、学習計画などは東京書籍の「年間指導計画」をコピーすれば、考えることが少なくなり、作りやすくなると学んだ。一方で、本時の学習についてはコピーペーストするわけにはいかない。私は本時の学習が最も個性の出る箇所であると考える。そのため、参考書やインターネットで閲覧することができる過去の先生方の指導案を参考にして、自分なりの指導案を考えることが重要だと再認識することができた。
  

(3) 授業の展開について

  授業の流れを考えるうえで考慮することとして、全員参加型の授業を目指すという点があげられると学んだ。子どもたちにとって退屈な授業だったり聞きたくない授業だったりしたとき、全員参加型でない授業を展開した場合、まったく聞かずに授業を終えてしまう可能性がある。一方で、指名をランダムにしたり、意見を考える際に立たせてわかった子から座るように指示を出したりして、適度な緊張感を子どもに持たせることで、子どもたちの学習に対する意欲を向上させることができるとわかった。これらの緊張感を持たせると子供たちはドーパミンを出すことができる。勉強で結果を出すために欠かせない物質であるドーパミンを出させるためには、授業中のちょっとした指示によって十分に出させることができる。また、緊張感を持たせるだけでなく、隣同士やグループなどの少人数でのアクティブラーニングを取り入れるなどによって、知識の小さなアウトプットの活動によって子どもたちの意識を授業に向けさせることができるとしった。
 

2 私が考えるよい社会科の授業として、1.教科書の内容だけでなく、雑学のようなちょっとした知識を知ることができる授業、2.知識を得るだけなく、その知識をもとに考えることができる授業がよい授業だと考える。

 私は社会科というのはほかの教科と違って、知識を得ることが最もできる教科であると考えている。授業を通して知ることができた単語や意味などは社会科の授業が最も多かったように思う。私は教科書に載っていなかったり授業中に触れることが少ない教科書に小さく書かれたマメ知識のような知識を得るのが、中学生のころ、非常に好きだった。そういった「テストには出ない知識」は今後の教養にもなるし、自分の意見をまとめるときの新しい視点になりうる。教科書内容の知識だけではなかった視点から物事を考えることによって、新しい発見をすることができ、子どもたちはその喜びを知ることができるかもしれない。

 そのため、1.「テストに出ないような知識」を知ることができる授業、2.知識をもとに考えることができる授業がよい社会科の授業だと考える。
 

3  社会だけでなくほかの教科でも役に立つような授業の展開や指導案の作成の仕方など、多くのことを知ることができて非常に楽しかった。多くの授業でその教科だけの内容に比重を重くするため、それぞれの教科で思考することが多かったが、この授業を通して、ほかの教科でも参考になるような内容が多かった。もちろん社会だけの内容もあったが、私の中で印象に残っているのが、子どもたちの思考ツールのようにほかの授業でも役に立つものばかりであった。


1(1) 社会科授業におけるICT活用の方法

  まず、私がこの授業を通して、1番の学びだと思ったことは、ICTの活用方法を多く知れたことです。多くの班が模擬授業を行い、様々なICTの活用を見ました。私たちの班はふきだしくんを使い、子どもたちの意見を可視化し、比較がしやすい出来るような活用をしました。他の班で1番印象に残った活用方法は、「Kahoot!」を使っていた班です。いくつかの班が使っていたのですが、1番初めに班が使っていて、衝撃を受けました。「Kahoot!」のメリットはいくつか考えられると思うのですが、私は特に2つあると思いました。1つ目は、視覚的楽しさがあるところです。キャラクターのデザインがキャッチーでとてもかわいいと思いました。また、キャラクターのデザインを自分好みに変えることができ、自分だけのオリジナルキャラクターを作ることが出来ます。子どもたちは「自分だけの」や「マイ○○」といった響きが好きで、「Kahoot!」は子どもの興味を惹くのに最適なICTだと思いました。2つ目は競技性があるところです。問題に正答できたかと早く答えることができたかで、スコアが付き、そのスコアで最終的に順位が決まります。子どもたちの正答率を見て、理解度を測れるだけでなく、子どもたちのやる気も引き出すことが出来るICTだと思いました。

 今回の授業で学んだ様々なICTを社会科を飛び越えて、多くの教科で活用したいと考えました。

(2) 「良い教師」とは、「見える化」の大切さ

  2つ目に私がこの授業を通して学びだと思ったことは、良い教師とはどんな教師なのかということです。これは第6回の授業で学んだことです。良い教師といっても、授業がうまい教師や優しい教師、子どもから様々な意見が出ると思います。第6回の授業では、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンを出させることが出来るのが、良い教師と学び、とても納得しました。また、それらを出させるためにはいくつかの方法があることを学びました。例えば、地図帳の国を見つけるという作業指示を出すときに、作業が終わったら指をさすといった指示を出します。そうすることで子どもは嘘をつくことができません。仮に、作業が終わったら手を挙げるという指示を出してしまうと、作業が終わってなくても手をあげてしまう子が出てきてしまうため、そういったことを防ぐことが出来ます。また、子どもが自分で作業を行った喜びを味わうことができることがとても良いことだと思いました。他の例として、主人公の気持ちが変わったところに線を引かせるのではなく、鉛筆を置かせることで、子どもの意見を把握することが出来ると思いました。他にもあててもいいひとではなく、あてられると困る人と聞くことで、聞いていない集団が減るというのも、この3つを出させるための発問だと思いました。

 些細な発問の違いや、指示の違いで子どもに対する影響が違い、教師の専門性を改めて感じました。この第6回で学んだ「良い教師」になれるように、1つ1つの発問について考えたり、「見える化」についてもっと意識していきたいと考えました。

(3) 教師の負担を減らすために

  3つ目に私がこの授業を通して学んだと思ったことは、教師の負担を減らすために何ができるのかということです。今のご時世、教師の仕事はブラックだと言われるように、毎日多くの仕事をこなす必要があると思います。また、教師の仕事には上限がないことも特徴だと思います。子どものために何かをしてあげたいと思えば、自分がしたいだけすることができます。しかし、時間と体力には上限があるため、自分の中でラインを設定し、ここまではやるという風に柔軟にできるのが特徴だと思います。将来教員になったとき、自分は子どもたちにたくさん尽くしたいです。そのために日々の業務を少しずつでも軽くする必要があります。この授業ではその一つの方法として、グーグルフォームを活用することがとても良いと学びました。フォームを使うことで、簡単に採点をすることが出来ることに加え、紙を消費する必要がないため、環境にも良いと考えました。

2 私が考えるよい社会科の授業とは、現代の事なら身近なことといかに結び付けて考えさせるか、昔の事ならいかに想像させて現実感を出させるかだと思います。自分が子どものころも、覚えるだけの社会の授業の内容はただただ退屈でした。しかし、6年生の頃の担任の先生の社会の授業は今でも覚えています。昔のことを、今自分の目の前で起こっているかのように想像でき、とても楽しかったです。自分が将来持つクラスの子たちにも同じことが思ってもらえるような授業をしたいと思います。

3 この初等社会科教育法の授業は、私が学んだ3つの項目のように、社会の授業だけで活用できるものではなく、すべての教科で応用できるテクニックを学ぶことが出来ました。自分が将来教師になったときに、うまく活用できるように頑張ります。半年間お世話になりました。


1(1) 解答を児童に聞く際の児童の当て方について

  児童に対して解答を聞く際に、ランダムで名前が表示されるプログラムを使用したり、くじを使用したりすることで児童が当たるかもしれないと思い、ノルアドレナリンが放出され、緊張感をもって授業に取り組むことができると学んだ。児童が常に緊張感を持って取り組めるということは、全員参加型授業を作るうえでの大前提だと思ったため大切にしていきたい学びだと考えた。しかし、ランダムで当てるものやくじなどを使う場合、当たらない児童が出てきてしまうのが問題点だと感じた。授業での発言は自信や達成感につながるものだと考えるため、その点に関して改善していかなければならないと考えた。また、ノルアドレナリンなど科学的に集中するのに効果的な成分を教師側が意図的に操ることがとても効果的で面白いと感じ、他の種類も学んでいきたいと思った。 
 

(2) 全員参加型授業の工夫について

  授業を作る際や授業を受けていて、全員参加型授業への工夫がとても多様で実践していくべき学びが多いと感じた。全員参加型授業を行う上で授業の進行速度や児童のやる気などが問題になってくると考えられるため配慮していきたいと考えた。授業の進行速度は遅い児童に合わせると学年全体の進行速度とのずれが生じてしまうため合わせることはできないが、おいていかれたという気持ちにならないような声掛けなどの支援が大事だと学んだ。また、児童のやる気という点では児童の発言する機会を増やすことやゴールを明確にすることが効果的だと学んだ。授業に参加しているかの確認としては、答えを聞く際の選択肢に「わからない」を入れることでわかると学んだ。 
 

(3) 平等な指導ではなく公平な指導について

   教師は平等な指導ではなく公平な指導が行えることを目指すべきだと学んだ。公平な指導を目指すことで、指導や支援が必要な児童と特に接する機会が多くなってしまうことが考えられる。そのため、平等な指導ではなく公平な指導を目指していることを児童に伝え、理解してもらうことが大事だと学んだ。また、理解してくれたことに対しての感謝もともに伝えることでより良好な関係を築けると学んだ。
 

2 私の受けてきた社会の授業は、黒板に書かれた事実をノートに写すことで学びとすることが多かったように思う。社会科見学など学校外に学びに行った内容は今でも覚えていて、学びが定着しているため、よい社会科の授業だったと考える。そのことから、体験的に得られる学びが定着しやすい学びだと考え、良い社会科の授業というのは体験的に学びを得られる授業だと考える。学校外に学びに行くのだけが体験的に学びを得られる授業ではなく、歴史を学んだ際には児童自身で各将軍を調べまとめたり、災害に関して学んだ時には自身の地域はどうか考えたりするなどすることで体験的な学びが得られると考えられる。
  
3 最後に、「初等社会科教育法」を受けた感想を書いてください。(文章量は自由) 

  社会の授業に対していい印象がなく、苦手意識を持っていましたが、苦手だからこそどんな工夫をすれば楽しめるのか考えていけるなとポジティブに考えることができるようになりました。ありがとうございました。


明日に続きます。

 

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