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「でもしか教師」

2017-05-08 06:00:52 | 教育関連情報
日本経済新聞の5月2日の春秋です。

「でもしか教師」という言葉が、かつてあった。戦後復興から高度成長期にかけて、教員の数が足りないため大量採用が続き、さほど苦労せずに小中学校の先生になることができた時代の話だ。教員にでもなろうか。教員にしかなれない。世間はそう揶揄(やゆ)したのである。

▼先生稼業は休みが多くて楽なもの――という観念が人々にすり込まれたのも、きっと「でもしか」説のせいだったろう。そんななかで教員の労働実態も長らく見過ごされてきた。ところが文部科学省の調査によれば、小中学校教諭の平日の平均勤務時間は11時間超。中学校の先生では6割近くが過労死ラインに達している。

▼朝は7時すぎに出勤して部活の指導、ぎっしり詰まった授業の合間には会議、事務作業、そしてまた部活……。夜なべ仕事を終えて帰宅すると10時、11時というケースが珍しくない。それでいて残業代も出ないのだ。部活や雑務の負担を思い切って減らしたり、地域の力を借りたりしないと教育が死ぬ。学校がパンクする。

▼過酷な実態を訴える文科省自身にも、大きな責任があろう。脱ゆとりで授業時間が増え、しかも新しい学習指導要領は質を高めつつ学習の量も減らさないという。こんな無理筋の二兎(にと)作戦は見直すべきではないか。それでも教師になりたい。教師しかやりたくない。そういう「でもしか」の教員志願者も大勢いるのだから。


温かいコラムです。

それでも教師になりたい。教師しかやりたくない。

そんな教師を増やしていきたいものです。

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