週刊日本の100人 吉田 茂
シリーズ第38号は 吉田 茂 です。
いよいよ吉田 茂の登場です。
国葬の時のことを覚えているので、まだ最近の人だと思っていたのですが、歴史上の人物になってしまいました。
6年生社会科で吉田 茂を扱った授業も見るようになりました。
まずは運命を感じる人生を振り返ってみましょう。
1878年(明治11年)9月22日、土佐自由党の志士・竹内綱の五男として生まれ、3歳の時に、実業家・吉田健三の養子となりました。本来は兄が養子に行くはずでした。しかし、その兄を母があまりにもかわいがったために、養子を渋り、次に生まれた茂が養子に出されたのでした。
その養父も、茂が11歳の時に病死。そこで受け継いだ財産が、長崎造船所と匹敵する金額。ピンと来ませんが、数百億は下りません。
学習院大学から東大法科大学政治学科へ転入、卒業し、1906年に外務省に入省します。28歳です。
1909年、牧野伸顕の娘・由紀子と結婚します。これもその後の運命に大きく影響します。
入省が遅く、外交官としての出世コースから外れていたのですが、1919年パリ講和会議の全権首席が西園寺 公望で、全権次席が牧野 伸顕だったのです。
そう、全権次席が義父なのです。この力を利用して、随行員になることに成功しました。
1928年、外務次官に就任し、1936年(昭和11年)、外務省同期である広田弘毅の内閣組閣時に、外相候補にあがりました。
同期に先を越されています。
しかし、かつてロンドン軍縮会議でアメリカを支持したこともあり、軍部の反感を買い、外相になれませんでした。
結果的に、これで救われたのです。
広田弘毅はA級戦犯で死刑。吉田 茂は罪を問われませんでした。
終戦直後の1945年9月、東久邇宮稔彦内閣の外相に就任します。ということは、政界に入ったのは、67歳という遅いデビューだったのです。続く幣原喜重郎内閣でも留任しました。
ここで、また幸運がありました。
幣原喜重郎内閣のほとんどが公職追放。選挙で第一党になった自由党党首・鳩山一郎が総理になるはずが、これまた公職追放。
自由党の党首に迎えられだ吉田 茂だったのです。
総理の座が転がり込んできたのです。
以来、芦田均・片山哲両内閣を挟んで、5期、通算6年2ヶ月(2616日)にわたって首相を務め、戦後復興に尽力しました。51年9月にはサンフランシスコ講和条約とともに日米安保条約に調印しています。
1953年3月の内閣不信任案を受けての衆院解散が。いわゆる「バカヤロー解散」です。
以後、鳩山一郎を中心とする分党派自由党が結成され、自由党は分裂し、その後日本民主党を結成します。その直後、吉田内閣は日本民主党と左右社会党からの内閣不信任案を受け、総辞職します。
総理を退いたのちも政界に影響力を持ち続けました。
遅咲きながら、運にも恵まれて誕生したワンマン宰相が日本を支えたのでした。
本誌の内容です。
■特集 吉田 茂
日本国民よ、自信をもて
■ライフ&タイム
日本に勇気を与えたワンマン宰相の89年
お坊ちゃまから世界の荒波へ/近づく軍靴の音への抵抗
急転直下の首相任命/国際社会への復帰を目指して
終わりなき政治家人生
■ヒューマンエピソード
度胸とユーモアで国を変えた天性の楽天家
■クローズアップ
戦後史の一大イベント 日本が独立を果たすまで
■人物スクランブル
吉田茂 人物相関図
白洲次郎/麻生和子/鳩山一郎/清水 崑
■後世への遺産
経済大国、留学制度…… 戦後を彩る吉田の置き土産
■評伝アラカルト
吉田茂考
高坂正堯/ジョセフ・グルー/戸川猪佐武
ジョン・ダワー/中曽根康弘/加藤シヅエ
■ビジュアル人物事典
後藤新平/後藤祐乗/後鳥羽天皇/小西行長
近衛篤麿/近衛家煕/近衛兼経/近衛文麿
■日本の100人ミュージアム
このシリーズでの100人は・・・
織田信長
徳川家康
豊臣秀吉
坂本竜馬
伊達政宗
平清盛
勝海舟
真田幸村
源 義経
武田信玄
西郷隆盛
明智光秀
上杉謙信
石田三成
徳川家光
前田利家
高杉晋作
徳川慶喜
聖徳太子
徳川吉宗
近藤勇
黒田官兵衛
足利尊氏
吉田松陰
空海
大久保利通
東郷平八郎
徳川光圀
東条英機
北条早雲
山内一豊
土方歳三
田中角栄
福沢諭吉
宮本武蔵
加藤清正
毛利元就
吉田茂
源頼朝
山本五十六
直江兼続
平賀源内
伊藤博文
松尾芭蕉
白州次郎
徳川綱吉
千利休
細川幽斎
大石内蔵助
木戸孝允
島津義弘
足利義満
渋沢栄一
井伊直弼
大友宗麟
福島正則
松下幸之助
伊能忠敬
板垣退助
後醍醐天皇
平将門
乃木希典
南方熊楠
大隈重信
日蓮
ジョン万次郎
野口英世
大村益次郎
山本勘助
田沼意次
松平容保
菅原道真
北条時宗
藤堂高虎
榎本武揚
島津斉彬
二宮金次郎
後藤新平
手塚治虫
岩崎弥太郎
本田宗一郎
親鸞
津田梅子
藤原道長
山田長政
上杉鷹山
原敬
森鴎外
葛飾北斎
岩倉具視
芥川龍之
新渡戸稲造
犬養毅
黒澤明
日野富子
豊臣秀長
今川義元
本居宣長
高橋是清
夏目漱石
シリーズ第38号は 吉田 茂 です。
いよいよ吉田 茂の登場です。
国葬の時のことを覚えているので、まだ最近の人だと思っていたのですが、歴史上の人物になってしまいました。
6年生社会科で吉田 茂を扱った授業も見るようになりました。
まずは運命を感じる人生を振り返ってみましょう。
1878年(明治11年)9月22日、土佐自由党の志士・竹内綱の五男として生まれ、3歳の時に、実業家・吉田健三の養子となりました。本来は兄が養子に行くはずでした。しかし、その兄を母があまりにもかわいがったために、養子を渋り、次に生まれた茂が養子に出されたのでした。
その養父も、茂が11歳の時に病死。そこで受け継いだ財産が、長崎造船所と匹敵する金額。ピンと来ませんが、数百億は下りません。
学習院大学から東大法科大学政治学科へ転入、卒業し、1906年に外務省に入省します。28歳です。
1909年、牧野伸顕の娘・由紀子と結婚します。これもその後の運命に大きく影響します。
入省が遅く、外交官としての出世コースから外れていたのですが、1919年パリ講和会議の全権首席が西園寺 公望で、全権次席が牧野 伸顕だったのです。
そう、全権次席が義父なのです。この力を利用して、随行員になることに成功しました。
1928年、外務次官に就任し、1936年(昭和11年)、外務省同期である広田弘毅の内閣組閣時に、外相候補にあがりました。
同期に先を越されています。
しかし、かつてロンドン軍縮会議でアメリカを支持したこともあり、軍部の反感を買い、外相になれませんでした。
結果的に、これで救われたのです。
広田弘毅はA級戦犯で死刑。吉田 茂は罪を問われませんでした。
終戦直後の1945年9月、東久邇宮稔彦内閣の外相に就任します。ということは、政界に入ったのは、67歳という遅いデビューだったのです。続く幣原喜重郎内閣でも留任しました。
ここで、また幸運がありました。
幣原喜重郎内閣のほとんどが公職追放。選挙で第一党になった自由党党首・鳩山一郎が総理になるはずが、これまた公職追放。
自由党の党首に迎えられだ吉田 茂だったのです。
総理の座が転がり込んできたのです。
以来、芦田均・片山哲両内閣を挟んで、5期、通算6年2ヶ月(2616日)にわたって首相を務め、戦後復興に尽力しました。51年9月にはサンフランシスコ講和条約とともに日米安保条約に調印しています。
1953年3月の内閣不信任案を受けての衆院解散が。いわゆる「バカヤロー解散」です。
以後、鳩山一郎を中心とする分党派自由党が結成され、自由党は分裂し、その後日本民主党を結成します。その直後、吉田内閣は日本民主党と左右社会党からの内閣不信任案を受け、総辞職します。
総理を退いたのちも政界に影響力を持ち続けました。
遅咲きながら、運にも恵まれて誕生したワンマン宰相が日本を支えたのでした。
本誌の内容です。
■特集 吉田 茂
日本国民よ、自信をもて
■ライフ&タイム
日本に勇気を与えたワンマン宰相の89年
お坊ちゃまから世界の荒波へ/近づく軍靴の音への抵抗
急転直下の首相任命/国際社会への復帰を目指して
終わりなき政治家人生
■ヒューマンエピソード
度胸とユーモアで国を変えた天性の楽天家
■クローズアップ
戦後史の一大イベント 日本が独立を果たすまで
■人物スクランブル
吉田茂 人物相関図
白洲次郎/麻生和子/鳩山一郎/清水 崑
■後世への遺産
経済大国、留学制度…… 戦後を彩る吉田の置き土産
■評伝アラカルト
吉田茂考
高坂正堯/ジョセフ・グルー/戸川猪佐武
ジョン・ダワー/中曽根康弘/加藤シヅエ
■ビジュアル人物事典
後藤新平/後藤祐乗/後鳥羽天皇/小西行長
近衛篤麿/近衛家煕/近衛兼経/近衛文麿
■日本の100人ミュージアム
このシリーズでの100人は・・・
織田信長
徳川家康
豊臣秀吉
坂本竜馬
伊達政宗
平清盛
勝海舟
真田幸村
源 義経
武田信玄
西郷隆盛
明智光秀
上杉謙信
石田三成
徳川家光
前田利家
高杉晋作
徳川慶喜
聖徳太子
徳川吉宗
近藤勇
黒田官兵衛
足利尊氏
吉田松陰
空海
大久保利通
東郷平八郎
徳川光圀
東条英機
北条早雲
山内一豊
土方歳三
田中角栄
福沢諭吉
宮本武蔵
加藤清正
毛利元就
吉田茂
源頼朝
山本五十六
直江兼続
平賀源内
伊藤博文
松尾芭蕉
白州次郎
徳川綱吉
千利休
細川幽斎
大石内蔵助
木戸孝允
島津義弘
足利義満
渋沢栄一
井伊直弼
大友宗麟
福島正則
松下幸之助
伊能忠敬
板垣退助
後醍醐天皇
平将門
乃木希典
南方熊楠
大隈重信
日蓮
ジョン万次郎
野口英世
大村益次郎
山本勘助
田沼意次
松平容保
菅原道真
北条時宗
藤堂高虎
榎本武揚
島津斉彬
二宮金次郎
後藤新平
手塚治虫
岩崎弥太郎
本田宗一郎
親鸞
津田梅子
藤原道長
山田長政
上杉鷹山
原敬
森鴎外
葛飾北斎
岩倉具視
芥川龍之
新渡戸稲造
犬養毅
黒澤明
日野富子
豊臣秀長
今川義元
本居宣長
高橋是清
夏目漱石