ARTISTIANよりAを紹介します。
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目次
まとめ
役者絵に強みを見出した豊原国周。明治の世で独壇場となった役者絵は、江戸の風雅が残り、役者そのものの魅力を打ち出していくという当時の人々が求めた画風であった。それがゆえに当時の役者を知らない後世では評価が二分され、やがて忘れられた存在となった感が否めない。しかし「見立昼夜二十四時」の美人画のように役者絵のみならず、画業のなかで新たな試みもなされており、国周のさらなる研究が待たれる。その画業の全貌が見えた時、再評価が進んでいくだろう。
また今回紹介したエピソードは伝えられたもののうちの一部にすぎない。国周の奇行の多さは、一方では彼の人柄や当時の世相を伝え知る貴重な史料ともなっている。同時代の絵師である月岡芳年や河鍋暁斎、小林清親とのエピソードも残されており、別の機会に触れていきたい。