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なぜなに教育基本法 -4-

2010-03-17 06:21:06 | 教育関連情報
☆★☆ なぜなに教育基本法 -4- ☆★☆
二年半前の校長日記を転載しています。

前文「伝統を継承し」について考えます。

漢字廃止論というのがありました。

古くは江戸時代末期から前島密が漢字廃止を主張していました。
明治に入ると漢字・かなをやめてローマ字のみに統一しようという意見も広がりました。
戦後には、志賀直哉が「日本語を廃止してフランス語を採用しよう」と提案し、讀賣報知は「漢字を廃止せよ」との社説を出しました。GHQも漢字全廃の方針でした。

みなさんはこれについてどう思われますか?賛否両論あるでしょうが…

言語は最も基本的な伝統文化です。
もし、今、私たちが漢字を使えなかったら、また、フランス語を話していたら、はたしてこの国は「日本」でしょうか?少なくとも、私は今のままでよかったとホッとしています。

これは極端な例かもしれませんが、これに似たようなことはいくつもあるのです。

例えば学校の音楽教育。
戦後は、西洋の楽器を西洋の記譜法で演奏するように教えてきました。
日本の唱歌や民謡も五線譜で表しました。
もちろんそれもあってもよいでしょう。
しかし、日本の楽器やその記譜法は全くといってよいほど教えてきませんでした。
これは今思うと、漢字廃止に匹敵する事実だと思います。

日本の文化がわかるから外国の文化がわかる、日本の文化を大切にできるから外国の文化も大切にできるのだと思います。

-2-で紹介した梶田叡一先生の著書、『和魂に学ぶ―日本人の源流を求めて』(東京書籍)を読むと、今回、「伝統を継承し」の一文が加わった背景が見えてきます。
決して一部マスコミ報道にあったような愛国心教育の強制などとは、全く次元の違う話である事がわかります。

例えば、今後の音楽教育は、日本の伝統楽器にも親しみながら、それこそ郷土の祭りの笛・太鼓も理解しながら、バッハやベートーベンもわかる、そんなようになるのではないでしょうか… 

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