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東北地方太平洋沖地震を海外はどう報じているか・・・28日朝

2011-05-28 06:22:52 | 日本を見つめる世界の目
今日も、海外のメディアが東日本太平洋沖地震をどう報道しているかを見ましょう。

 【中国】
人民日報 http://j.peopledaily.com.cn/home.html

原子力安全会議の日本開催提案 G8昼食会で菅首相演説
菅直人首相は26日、仏ドービルで開かれた主要国首脳会議(G8サミット)の昼食会冒頭で演説し、来年後半に国際原子力機関(IAEA)と共催で原子力安全に関する国際会議を日本で開くことを提案した。

 この国際会議の対象国はG8だけでなく、各国に幅広く閣僚級の参加を呼びかける考えだ。

 菅政権では、東京電力福島第一原子力発電所事故の事故調査・検証委員会(委員長・畑村洋太郎東大名誉教授)が来年夏に最終報告をまとめることを想定。この検証結果をもとに原子力安全の国際的な議論を主導する狙いがある。



原発作業員養成の仕組み、厚労相要請へ 人員不足を懸念
細川律夫厚生労働相は、東京電力福島第一原子力発電所の緊急作業で作業員不足が懸念されていることから、新たに従事できる作業員を養成する仕組みを作るよう経済産業省に求める方針を決めた。27日に労働基準局長が原子力安全・保安院長に申し入れる。

 労働安全衛生法の規則は緊急作業での作業員の被曝(ひばく)線量の累計の上限を250ミリシーベルトと定めており、それを超えた人は作業を離れなければならない。現場で作業員の監督や指導ができる特殊・高度技能者は全国に計約3300人いるとされているが、厚労省は作業の長期化で不足する可能性が高いとみている。

 申し入れでは、収束まで6-9カ月とした東京電力の工程表を前提として、今後人員がどれぐらい必要か見積もり、不測の事態も想定して必要な人数の技能者を養成することを求める。

 保安院や東電は「特殊・高度技能者の養成には、5-10年が必要」と説明している。厚労省は短期間で養成するため、福島第一原発と種類が異なる原発の技術者や、原子炉と構造が似ているボイラーや圧力容器などを扱う技術者に研修を受けさせることも提案する。

 緊急作業でなく通常作業の場合、被曝の上限は5年間に累計100ミリシーベルトと定められている。福島で100ミリシーベルトを超えた人は、5年間は他の原発で作業できなくなるため、プラントメーカーなどからは基準を緩めるよう求める声があがっている。厚労省幹部は「労働者の安全がかかっており、基準をゆるめることはできない。作業員の数を増やす以外にない」と話している。



チャイナネットhttp://japanese.china.org.cn/

ソニー、東日本大震災で赤字規模が拡大
3月11日に発生した東日本大震災により、ソニー、日立、東芝など大手電子機器メーカは減産や操業停止などで多大な損失を被った。ソニーは5月26日、2010年度(2011年3月期)通期業績を発表した。

ソニーは今年2月3日に発表した連結業績予想を下方修正した。売上高と営業利益はあまり変わらなかったが、純損益は700億円の黒字から、2600億円(31億7000万ドル)の赤字に下方修正した。ソニーにとって、赤字は3年連続で、赤字の規模は95年以降最大となった。

ソニーの発表によると、売上高は前年比0.5%減の865億ドルだったが、ネットワークプロダクツ&サービス(NPS)分野およびコンスーマプロダクツ&デバイス(CPD)分野は黒字へと転換を果たした。

しかし、この2分野の売上高(620億ドル)はソニーグループ全体の71.68%を占めるが、営業利益はわずか4億6400ドルしかなく、グループ全体の19.33%を占めるにすぎない。その内、売り上げ高430億ドルのCPD分野の営業利益はわずか3500万ドルである。

一方、ソニー中国の業績は際立っている。ソニー中国の永田晴康社長によると、2010年ソニー中国の業績はプラス26%だった。



【【米国】
ウォール・ストリート・ジャーナル
http://jp.wsj.com/

2011/5/27 19:46.福島第1原発の吉田所長の注水継続判断
本社の停止命令に背いて注水を続けていた福島第1原発の吉田昌郎所長、彼の判断をどう評価すべきか、社会人としていろいろ考えた人が多かったのではないだろうか。

同所長は、会社の命に背いて注水を続けたことに加え、その報告を怠って政府や国会を混乱させたことの責任を問われ処分されるという話だ。昨日、テレビに大写しになった吉田所長は、うつろな顔をしていた。


Reuters
福島第1原発の吉田昌郎所長会社の判断を無視したのは確かだ。しかし、会社の注水停止判断は、技術者なら誰でも認めるような明らかな間違いだったのだ。確かに、もう少し早く報告できただろうという気はする。

ところが、5月下旬になって3月12日の注水中断の責任がどこにあるかの議論が急浮上し、報告を怠った責任が重大になってしまった。

しだいに明らかになってきた事実を総合すれば、原子力安全委員会の斑目春樹委員長が、再臨界の可能性は「ゼロとは言えない」と言ったことによって官邸で海水注入に対する懸念が強まり、官邸に詰めていて、官邸は注水に懸念を持っていると「察した」東電の元副社長の武黒一郎氏が東電本社にその旨を伝え、東電本社はそれを現場に伝えた。

結局、官邸が注水停止を命じたわけではなかったらしい。しかし驚いたのは、武黒元副社長が東京大学工学部卒の技術畑の人だったということだ。原発技術者は、あのとき注水を停止するなど論外という点でほぼ一致している。だからこそ、国会まで誰が悪かったのかと大騒ぎをしたのに、なんと、その決断の元凶が、東電で副社長まで務めた技術者だという。技術系社員まで、官邸の空気をうかがって事態を悪化させるかもしれないと分かっていながら注水を止める判断をする。これが、官僚より官僚っぽい「お公家集団」と言われる東電の体質なのだろうか。

また、政治主導を重んじる官邸からしても、命令に背いたり、報告を怠ったりするのは許し難い行為ということになる。その背後にはメンツの問題がありそうだ。

しかし、ネット市民の間では吉田所長は英雄だ。

今回の話で、尖閣諸島沖で中国漁船と海上保安庁の巡視艇の衝突事件のビデオをユーチューブに流した海上保安官を思い出した人も多かったようだ。政府はあのビデオの公開を逡巡していたが、海上保安官は、これは国民が見るべきものだという信念で公開したという。その結果、国家公務員法の守秘義務違反容疑で書類送検(その後起訴猶予)され、海上保安庁からは停職12カ月の処分を受け、その後依願退職した。

ただ、吉田所長が海上保安官と大きく異なるのは、同所長は、あの危機的原発事故の現場のトップだったこと、当事者そのものだったという点だ。同所長が、あの場面で、会社の判断に従って注水を止めていたら、原発の状況はさらに悪化していた可能性も示唆されている。原子炉の状況を判断できる材料は非常に限られ、現場は必死だったのだ。対応は一刻を争っており、会社の命令に反対だったとしても、議論などしていられる場合ではなかった。注水継続は、いわゆる緊急避難と考えていいのではないだろうか。

あの震災のときは、そうした緊急避難的超法規措置がどれだけなされたことか。その措置の中には正しかったことも間違っていたものもあっただろう。事後的検証は必要だが、平常時とは違う判断が求められていたはずで、検証に当たっては、その特殊な状況下で、その判断が正しかったかどうかを見極める必要がある。

吉田所長は菅首相と同じ東京工業大学出身。大学院で原子核工学を学んだ技術者だ。5月2日付の東京新聞では、福島第1原発を視察した独立系のシンクタンク社長で原子力委員会の委員を務める青山繁晴氏が、現地作業員は「士気もモラルも高かった」「その背景には吉田所長の存在が大きい」などと吉田所長のリーダーシップを高く評価していた。

だが、同所長、東電や保安院とのテレビ会議では、役に立たない議論が延々と続くことに苛立って「やってられねえよ」などと言ってしまうタイプで、本社では困ったやつともみられているという。

菅首相の3月12日の現地視察についての日本経済新聞の4月8日付の記事によると、視察後、首相が名指しで謝意を表明したのは東京から同行した武藤栄副社長ではなく吉田所長だったそうだ。読売新聞によると、首相はその後、同所長に全幅の信頼を置いているという。

ただ、社員がみな、自分の判断が正しいと思って勝手な判断を始めたら、組織は成り立たなくなる。福島第1の場合は、ほんとに日本がどうなってしまうかという危機だったが、それぞれの企業の存続に関わるような判断となれば、けっこう多いはずだ。特定プロジェクトの成否に関わる判断ならなおさらだ。社会人なら誰でもこんな局面に立たされたことがあるのではないだろうか。



小沢一郎・民主党元代表インタビュー:一問一答
小沢一郎・民主党元代表はウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、福島原発事故への政府の対応は「遅く、放射能汚染に対する認識がまったくない」と批判するとともに、長年ライバル関係にある菅直人首相について「首相は一日も早く代わったほうがいい」と述べ、対決姿勢を鮮明にした。

 以下はインタビューの一問一答。

Q:東日本大震災と福島第1原発事故以降の政府の対応について、全般的にどう評価しているか。

A:もう2カ月以上、70日になる。原子炉がコントロールできない状況に置かれている。

 私は客観的な見方をする学者の先生から、この状況は燃料の熔融や炉が破損して、非常に危険な状況だということを聞いていた。非常に心配していたら、今になって、仕様がなくなってポツポツ認めている。対応が遅く、放射能汚染に対する認識が甘い、というより、まったくないといってもいいくらいの菅内閣の対応だ。

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AFP/Getty Images

小沢一郎氏

 一般自然災害への対応も、私の県も被災県の1つだが、単なる旧来の取り組みと同じだ。役所の積み上げと、査定に任せきりで、民主党が目指した国民主導・政治主導という政治の在り方とは程遠い実態になっている。私もそうだが、ほとんどの人たちが、不安と不満を募らせているというのが現状だ。やはりその最大の原因は、民主党が掲げてきた、政治家が自ら決断して政策を実行するということが行われていないためだ。決断とは、イコール責任だ。責任を取るのが嫌だとなると、誰も決断しなくなる。

Q:原発事故で事態をここまで悪くしないようにするために、政府がすべきであった決定や政策はどんなものがあったか。

A:こういう状況になると、東京電力の責任に転嫁したって意味がない。東京電力が悪い、あいつが悪い、こいつが悪いということを言っている。どうでもいいことならそれでいいが、原発の放射能汚染の問題は、ここまで来ると、東電に責任を転嫁しても意味がない。政府が先頭に立って、政府が対応の主体とならねばいかんというのが、私の議論だ。東電はもう、現実何もできないだろう。だから、日一日と悲劇に向かっている。

Q:菅首相は統合本部を数日後に設立し、東電に踏み込んだ。あれは十分ではなかったのか。

A:十分も何も、パフォーマンスはどうだっていい。そういうことを気にすべきではない。事態は分かっているのだ。何が起きているかってことは、ほぼ。東電が分かっているのだ。東電が分かっていることは、政府も分かっているのに決まっている。だから、私が言ったように、他人に責任をなすりつける話ではない。政府が主体となって対応策を、どんな対応策かは専門家を集めなければ分からない。それは衆智を集めて、こうだと決まったら政府が責任を取るからやってくれと、そういうのが政治主導だ。それがまったくみられないから、国民はいらいらして不満を募らせ、民主党はだめだとなっている。

Q:小沢氏が指揮を執っていれば、最初の段階でメルトダウンが起きて危ないということは国民に大きな声で言っていたか。

A:言うだろう。隠していたらどうしようもない。それを前提にして、対応策を考えねばならない。当面は福島の人だが、福島だけではない、このままでは。汚染はどんどん広がるだろう。だから、不安・不満がどんどん高まってきている。もうそこには住めないのだから。ちょっと行って帰ってくる分には大丈夫だが。日本の領土はあの分減ってしまった。あれは黙っていたら、どんどん広がる。東京もアウトになる。ウラン燃料が膨大な量あるのだ。チェルノブイリどころではない。あれの何百倍ものウランがあるのだ。みんなノホホンとしているが、大変な事態なのだ。それは、政府が本当のことを言わないから、皆大丈夫だと思っているのだ。私はそう思っている。

Q:なぜ、このタイミングで出てきたのか。

A:隠しようがなくなったからだろう。知らないが。政府に聞いてみるべきだ。

Q:菅首相はアドバイザーを集めて意見を聞いている。聞き方がまずいのか。

A:何を聞いているのだか知らない。集めただけではしようがない。結論を出して何かやらないと。だいたい、原発で食っている連中をいくら集めてもだめだ。皆、原発のマフィアだから。あなた方もテレビを見ていただろう。委員だの何だの学者が出てきて、ずっと今まで、大したことありません、健康には何も被害はありません、とかそんなことばかり言っていた。原子力で食っている人々だから、いくら言ったってだめなんだ。日本人もマスコミもそれが分からないのだ。日本のマスコミはどうしようもない。 

Q:いろいろ聞いてやってみて、だめだったら辞めてもらうということだが、どこまでいったら辞めてもらうのか。どの辺が判断の基準になるのか。

A:どこまでということはない、何もしていないのだから。このまま、ダラダラしていたら、本当に悲劇になってしまう。海も使えなくなる。

Q:原子力エネルギーをどう考えるか。 

A:しょせん、過渡的エネルギーとしてはある程度、大口電力供給のためにも仕方がない。だが、高レベルの廃棄物を処理できないからいずれ、新しいエネルギーを見出さなければいけない。そのように私は言ってきた。まさに今、こういう自然災害のなかで、原発の事故まで起きて、これを食い止めると同時に、長期的なエネルギー政策をしっかりと考える必要がある。

Q:菅政権に対する小沢氏の批判だが、今回、事態の深刻さに対して菅政権が国民に対して正直でなかったことにあるのか、それとも、もし政権が強ければ、事態の対応はもっとうまくいっていたということにあるのか。

A:政権が強い、強くないとの表現も間違いではないが、さきほどから言っているように、何か国民生活に関する問題を処理する時に、われわれは、自民党の官僚機構に任せて、おんぶに抱っこの政治はもはやだめだと言ってきた。政治家が自ら決断し、国民のための政治を実行する。今回の原子力の話だけではない。

 しかし、それは何かというと、それはイコール責任だ。決断したら決断した者の責任が生じることは当たり前だ。責任のない決断はない。そういうことを主張してきたにもかかわらず、民主党の政権が、特に菅政権が、そうでないという実態に気づき、国民の支持を失っている。政策の実行ができないのなら、総理をやっている意味がないでしょう、ということだ。

Q:問責決議案や不信任案を提出する、提出しないとの話が出ているが、国難といわれる時期、そのような政治家の動きを国民はどう受け止めているとみるか。

A:困難な時だけ仲良く、仲良くというのは日本人の発想で、だからだめなのだと考える。日本のマスコミは全部そうだ。太平の時は誰でもいいのだ。うまくいっている時は。困難、危機の時だから、それにふさわしい人を選び、ふさわしい政権を作るのだ。日本人は発想が逆だ。大陸の人は、発想がそうではない。日本人は平和ぼけしているから。まあまあ争わないで、まあまあ仲良くという話になる。仲良くしたって、何も解決できない。当たり障りのない話をしているだけだ。波風立てずに、丸く丸く。これでは、政治家など要らない。役人に任せていればいい。

Q:菅首相を降ろせというなか、強いリーダーはいるのか。

A:何人でもいる。

Q:強いリーダーの代表格というと小沢氏が思い浮かぶ。自分でやろうとの気持ちはあるのか。

A:私はもう老兵だから。老兵は消え去るのみ、とのマッカーサー元帥の言葉はご存知だろうか。消え去ろうと思っていたが、もう一仕事やらねばならないとは思っている。

Q:話題を変える。政治資金規正法違反の話は今、どういう状態で、今後、どういう方針で戦うのか。

A:どういう方針もなにもない。私は何も悪いことをしていない。これは官憲とマスコミによるものだ。旧体制の弾圧だからしようがない。調べてほしいのだが、私は何も不正な金はもらっていない。ただ、報告書の時期がずれていただけだ。こういった例は何百、何千とある。単に報告書を直して再提出するだけで済んでいた話だ、今まではずっと。なぜ、私だけが強制捜査を受けるのか。そこを全然、マスコミは考えない。

 これは民主主義にとって危機だ。政府ないし検察の気に入った者しか政治ができないということになる。ほんとに怖い。あなた方も変な記事を書いたとして逮捕されることになりかねない。そういうことなのだ。絶対にこういうことを許してはいけない。私が薄汚い金をもらっているのなら辞める。

 1年以上強制捜査して何も出てない。だからちょっと報告書の書き方を間違ったといったわけでしょう。現実政治というのは権力だからそうなるんだが。戦前もそう。それを繰り返したんじゃ、だめだ。そんな民主主義は成り立たない。それを心配している。自分はなんてことない。なんの未練もない。政治家をやめれば遊んで暮らせるからそれでいいが。日本の民主主義はこのままだと本当にまた終わりになる。外国が心配しているのはそこだ。日本は本当に民主主義国家かという心配をしている。

Q:震災に話を戻す。復興、復旧にこれからお金がかかっていく。もちろん労力も。一つは第2次予算が出るか出ないかで国会でもめている。第2次予算の緊急性と規模はどのようなものと考えるか。もう一つは、財源は増税にするのか、国債発行にするのか。そのへんはどのようにすべきか。

A:復旧に必要なことは、お金がどれくらいかかったって、やらなくてはならない。あのままでは住めなくなる。再臨界に達するかもしれない。あそこが爆発したら大変だ。爆発させないために放射能を出しっぱなしにしている。爆発するよりたちが悪い、本当のことを言うとだ。ずっと長年にわたって放射能が出るから。だから私は金の話じゃない。日本がつぶれるか、日本人が生き延びるかどうかという話だと言っている。金なんぞ印刷すればいい。その結果、国民が負担することになるが。国家が本当に放射能汚染をここで食い止めるという決意のもとに、徹底して金だろうがなんだろうがつぎ込まなくてはだめだ。国民はそのことをよく理解してほしい。国債でやれば借金だし、いずれ償還分は払わなくてはいけないが。

Q:東電の処理について役所が過去にはいろいろ決めてきた。今回、役所の言うとおりに決めてはいけないと考えるか。

A:東電のことはたいした問題ではない。一私企業がどうなろうが。それが本質ではない。ただ、例えば東電がつぶれるとする。電気の配電やら運営ができなくなる。それから5兆円の社債を出しているから、社債が暴落する。公社債市場が大変になる。それから銀行に何兆円かの借金があるから、それが返せなくなると銀行も大変だ、ということだろう。どうってことはない。要は早く原発の放射能を止めることだ。

Q:民主党が政権をとって間もない2009年10月、インタビューした際、自民党をつぶすことが目的だと言っていた。今回、発言を聞いていると、民主党政権に非常に批判的だが、自民党がむしろリーダーになった方がよいと、日本を救えると見ているのではないか。

A:私はそう見ていないが、国民がそのような状況になってきているということだ。これなら自民党の方がまだいいじゃないかという人が多いでしょう。私が描いていた図とちょっと違うのは、民主党政権がもう少し愚直に政治に取り組んでくれることを期待していた。そうすれば、国民がたとえ個別の政策が少しずつ遅れたとしても、変更したとしても絶対支持してくれると。

 そういう民主党をまず作り上げる。しかし、一方において自民党的、というのは日本的な政党だが、これも必要だと。自民党は事実上つぶれたような状況だが、新しい自民党がまた成長してくれると。そこで2大政党という絵を描いていたのだが。どうにも民主党政権自体がおかしくなって、強烈な支持者であった人たちも、ちょっともう見放した格好になっている。

 例えば、何兆円の企業のオーナーである稲盛さんとか、スズキ自動車の鈴木会長とかは、何兆円の企業でありながら、正面切って民主党を応援してくれていた人たちが、本当に一生懸命やっただけに、頭にきちゃって、こんな民主党ぶっつぶせ、もう一度やり直しだと言うくらい失望している。愚直さに欠けた民主党政権でちょっと違った。違ったときは違ったなりに考えなくなくてはならないので仕方ない。だが私の最初の理想は変わらない。日本に議会制民主主義を定着させたいという理想は全然変わっていない。

Q:いま、国会に不信任決議案が提出された場合、それを支持するか。

A:それはどうするかよく考えているところだ。

Q:菅首相はどのくらい政権に留ると考えているか。

A:彼はいつまでも留まりたい。だから困っている。それが彼の優先順位の第一だから。だからみんな困っている。

Q:先ほど「もう一仕事したいという気持ちを持っている」と言っていたが、どのようなことがしたいか。

A:いま言ったことだ。議会制民主主義を日本に定着させたいという、この理想は全然変わっていない。ところがいま、民主党も国民から見放され、自民党もかつての自民党ではなくなってきている。このままでは日本の政治はぐちゃぐちゃになる。だからそうならないように、老骨にむち打って頑張ろうかということだ。

Q:最近になって、メルトダウンが起きていたとか、原子炉に傷が付いていた、などの情報が次々と出ているが、政府は今まで知らなかったのか。

A:知っていたけれど言わなかったということだろう。だから問題だ。

Q:どういうことか。

A:知らない。政府のことだから。言うと大変になると思ったから言わなかったのだろう。大変になるというのはどういうことかというと、政府の対応が難しくなると言うことだ。だけど、わたしはそんなことで躊躇しているときではないと考えている。

Q:声が上がればご自身が前面に出られて首相になるということも考えられるのか。

A:私は、あまりにぎにぎしい立場というのは好きではない。もう気楽にしていた方がいいから、自分で好みはしないが、「天命に従う」というのはよくないけど、「天命に遊ぶ」という言葉が好きになった。天命の命ずるまま、もういらないと言われれば去るのみだ。

Q:最後に、菅総理はどのぐらい総理の座にとどまるとみているか。

A:一日でも早く代わった方がいいと思う。



【英国】
ロイター
http://jp.reuters.com/

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