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●熟語の読み・一字訓読(その109)です。
<捏:ネツ、デツ、こ(ねる)、つく(ねる)、こじつ(ける)> *「ネツ」は慣用音。
・こ(ねる)、つく(ねる):捏造(ネツゾウ)=土などをこねて物の形をこしらえる。転じて、根も葉もないことをつくりなす。無根の事実を構成する。捏成=土でつくる。捏塑(デッソ)=塑像=捏素(ネッソ)
・こじつ(ける):捏造、捏報、捏詞(ネッシ)=根も葉もないことば。捏控(ネツコウ)=誣告する。=捏告。捏病=仮病。
<掎:キ、ひ(く)、ひきと(める)>*(大漢和)「掎」:①足をひく ②後方からひきとめる 意。
・ひ(く) :掎角・角掎=角をとり足をひく。掎抜=ひきとる・ぬきとる。掎汨(キコツ)=ひきみだす。掎奪=ひきのける(大)・あげあしをとられる(字通)。
・ひきと(める):掎掣(キセイ)=ひきとどめる・制御する。掎止=後ろから引きとめる。
・その他:掎契(キケツ)=掎挈(キケツ)=*一つ一つ拾い上げて摘発する(大)*「其の立言指事を観るに、理要に根極し、往昔を敷陳し、当世を掎挈(きけつ)し、乱を撥し 理を興すこと 掌を反(かえ)すより易し」(荀子) *「たぐる、ひきよせる」意あり。ネット上には「前後から手足を引っ張る」と説明しているものもあり。
<掫:ソウ、シュ、シュウ、よまわ(り)>・よまわ(り):(音熟語なし。)「掫(よまわ)り」 *下記「掫扞(シュウカン)」が該当するかもしれない・・・。
・その他:(大漢和)<Ⅰ.>①まもる(=柝鼓(タクコ)の類をうって夜回りする) ②たきぎ(薪)、あさがら(麻幹) ③地名 ④「趣」に通じる ⑤姓 の意。<Ⅱ.>①うつ(撃) ②なす(「聚」に通じる)③もつ・とる(取) の意
→掫囊(シュウノウ)=ふくろの口をとじる(=蘊蓄を外にもらさないこと=学問はあっても実行しないこと)、*「学びて行わざる、之に命じて掫囊といふ」(荘子)。掫集(シュウシュウ)=集まる。掫扞(シュウカン)=まもる。 その他、「軍掫」「師掫」の語あり。
(参考)拆:タク、ひょうしぎ、き
掫:ソウ、シュ、シュウ、よまわ(り)
よまわ(り):(音熟語なし。)「掫(よまわ)り」 *下記「掫扞(シュウカン)」が該当するかもしれない・・・。
その他:(大漢和)<Ⅰ.>①まもる(=柝鼓(タクコ)の類をうって夜回りする) ②たきぎ(薪)、あさがら(麻幹) ③地名 ④「趣」に通じる ⑤姓 の意。<Ⅱ.>①うつ(撃) ②なす(「聚」に通じる)③もつ・とる(取) の意
→掫囊(シュウノウ)=ふくろの口をとじる(=蘊蓄を外にもらさないこと=学問はあっても実行しないこと)、*「学びて行わざる、之に命じて掫囊といふ」(荘子)。掫集(シュウシュウ)=集まる。掫扞(シュウカン)=まもる。 その他、「軍掫」「師掫」の語あり。
(参考)拆:タク、ひょうしぎ、き
(2018.3.22加筆)
大字源:「干掫(カンソウ)=撃柝(ゲキタク)=よまわり、拍子木や鼓などを打って夜回りする。
大漢和:「・・・陪臣、干掫」=拆鼓の類をうって夜回りをする意。「まもる」意。
とあり、「よまわ(り)」に該当する熟語の一つとして「干掫(カンソウ)」がある
(ただし、字通の逆さま熟語の「掫干」は「シュウカン」と読ませているが・・・)
・漢検漢字辞典第2版では、「ソウ、シュウ、シュ、よまわ(り)」 意味「①よまわり。木を打ち鳴らして夜回りする。②手にもつ 類:取」とあるも、熟語記載はナシ。
<捶:スイ、う(つ)、むち、むちう(つ)>
・う(つ):捶丸(スイガン)=(古の遊戯、今のゴルフのようなもの)木でたまをつくり、杖で撃(う)つ。捶鉤(スイコウ)=おびがねを(うって)きたえる。
・むち、むちう(つ):捶撃、捶撻、捶殺、捶打=捶笞(スイチ)、捶馬、捶罵(スイバ)=むちうって罵る。捶策(スイサク)=馬の鞭(むち)。捶楚(スイソ)=罪人をうつむち。しもと(笞・楚)。
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●熟語の読み・一字訓読(その110)です。
<掏:トウ、えら(ぶ)、す(る)> *「えらぶ」=「とる、えらびとる、とりだす」意。「する」=「手探りで物をとる」意
・えら(ぶ):掏択(トウタク)*「掏は掏択なり」(大)。 掏換=探す (*「掏(と?)」り換えると読む?「えらぶ」に対応するかも・・・)
・す(る) :掏児(トウジ)=すり=掏摸(トウボ・トウモ)。
(注)・その他:(取り出す、くむ の意)掏溝=溝渠を浚う。掏井=井戸を浚う。掏銭=財布・懐中から銭を取り出す(*「えらぶ」意あるかも)
(注)漢検2では「①する。すりとる。「掏摸(トウバク)・(すり)」」読み。大字源では“トウバク・トウモ”読み。
<捩:レイ、レツ、ばち、ねじ(る)、よじ(る)、もじ(る)、ねじ>
・ばち:挿捩(ソウレイ)=「捩(レイ)を挿(さしはさ)み、琵琶を挙ぐ」。撥捩(ハツレイ・バチレイ)=ばち(*「撥捩心弦」*撥:ハチ、バチ、ハツ、は(ねる)、おさ(める)、かか(げる)、のぞ(く))。
・ねじ(る):捩手(レツシュ・レイシュ)=手をねじる(字通では「レイシュ」)。捩柁(レツダ)=かじをねじる、かじを廻して舟を転じる。=捩舵(レツダ・レイダ)。捩転(レイテン)=まげて方向を変える。
・よじ(る)、もじ(る):(「ねじる」とほぼ同義?対応する音熟語はなし)「捩花(ねじばな)」「捩摺草(もじずりぐさ)」
・ねじ:邦語。=螺旋。「捩子(ねじこ)」=①螺旋 ②ひきかけて捩るように作った一種の武器。
・その他:捩眼=横目でみる=捩眥 (*「よじる、ねじる」に対応するかも)。他に、「面捩」・・・不詳。
<掾:エン、たす(ける)、したやく、じょう>
・たす(ける):熟語見当たらず。「掾(たす)ける」なし
・したやく :掾吏=掾史=掾佐、掾属=属官
・じょう :邦語。我が国では「じょう」といい、下役・属官のこと。
<揀:カン、えら(ぶ)、わ(ける)> *大漢和には「ケン」「レン」の音もあり。既出の「揀択(ケンジャク)」(禅語)参照。
・えら(ぶ):揀兵(カンペイ)=兵をえらぶ。揀刺(カンシ)=えらんで入墨する。揀退(カンタイ)=淘汰されて退く=官をしりぞく。
・わ(ける):揀択(カンタク)=わかちえらぶ=選揀=揀選。揀別(カンベツ)=わかちくる、識別する。
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