今から34年前。
一浪中ろくに受験勉強もしないで本に逃げ込んでいた時。
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出会ってしまいあの理不尽んな高校生活の
記憶を呼び起こさせながら苦しみ貪り読んだ。
体が大人で心が子供の学生時代に味わった生のヒエラルキー。
一軍の男子女子。二軍。三軍…。
二軍でいるのに一軍の顔をする男子たち。三軍には堂々とその「嘘顏」を
見せる。
なんの取り柄もない片田舎の公立高校のくせにそんなシステムだけは
しっかり根付いている。
体が大人で精神が子供のアンバランスな生き物がひしめいている狭い空間。
校舎という名の煉獄。三年間の懲役。
彼女も出来ない。いらない。
親友も出来ない。いらない。
外階段の踊り場で一緒に早弁当を食べることもやめた。
群れない。つるまない。むこうも近寄らない。
こんな高校辞めたっていいとも思った。
実家からも早く出たかった。
街自体出たかった。
なにも上手くいかなかった。
黒歴史どころではない。
真空地帯の三年間。真空の三年。
でも捨てる神あれば拾う神あり。
オレは拾われた。出会えた。救われた。
この物語がオレに糸を垂らしてくれた。
キャリー・ホワイトは身を挺して助けてくれた。
キャリーは死んだ。オレは死んだ。クラスの連中も全滅した。町中が燃え尽きた。悪魔の物語は終わった。
呪文は封印された。
時は止まらなかった。
再び人生を手に入れた。物語が始まった。まだ動き続けている。