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令和7年3月1日土曜日「荒木和博のショートメッセージ」第1772号。拉致問題を中心に置いた法律が必要です。以下2月19日の国会内での研究会で発表した文書を付けておきます。
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3、拉致を中心に置いた法律の制定を
特定失踪者問題調査会代表 荒木和博
現在拉致問題に関係して制定されている法律は以下の二つです。
①北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律(平成十四年法律第百四十三号)
②拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律(平成十八年法律第九十六号)
①は平成14年(2002)10月に5人の拉致被害者が帰国したことを受けてその処遇を決めるために制定されたもの。拉致認定はこの法律に基づいて行われています。
立法の問題について、特定失踪者問題調査会と特定失踪者家族会では次のように政府に対し繰り返し要請を行なっています。
「この間長期にわたって拉致が行われ、なおかつ5人をのぞいて1人も救出できていないことの責任がどこにあるのか、明確にしていただかなければなりません。国会でそれを議論していただくのは当然ですが、あわせて責任を明確化するためにも拉致被害者救出を主題とした法律を作っていただくようお願い申しあげます」(令和6年11月19日石破総理に当てて特定失踪者家族会今井英輝会長及び荒木名で林芳正内閣官房長官兼拉致問題担当大臣に手交した要請文)
これに対しての11月22日付で伝えられた林官房長官からの回答は以下の通りです。
「拉致という未曽有の国家的犯罪による被害者を救出することは、法律の規定の有無にかかわらず、国としての責務であると認識しております。その上で、拉致被害者の救出については、「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」第二条第二項や、「北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律」第三条第一項の規定も踏まえて、政府として、今後とも全力で取り組んでまいります」
回答に記載されている法律条文、前者は「政府は、北朝鮮当局によって拉致され、又は拉致されたことが疑われる日本国民の安否等について国民に対し広く情報の提供を求めるとともに自ら徹底した調査を行い、その帰国の実現に最大限の努力をするものとする」、後者は「国は、安否が確認されていない被害者及び被害者の配偶者等の安否の確認並びに被害者及び被害者の配偶者等の帰国又は入国のため、最大限の努力をするものとする」
であり、どちらも抽象的で現実に半世紀以上にわたって拉致が行われ蓮池さんら5人とその家族の帰国以外何らの結果も出せていないことについて誰も責任を問われていません。また、帰国した5人についても「支援法」の名前が示すように、行なっているのは帰国後の生活支援であり彼らが拉致されていた24年間については何の補償もされていません。もちろん、本来補償すべきは拉致をした北朝鮮当局であり、その責任を問うべきなのは当然ですが、当面それができない以上代替措置は必要です。
また、拉致被害者が認定未認定に関わらず全員生存しているということはあり得ません。取り返すために「生存を前提として」というのは当然ですが、亡くなった人をどうするのかについてはまだ何も考えられていません。
以上のようなことから、私たちとしては主に次のようなポイントにおいて新たな立法を求めます。
1、帰国できていない拉致被害者について、支援法と別の認定に準ずる規定
2、帰国できた拉致被害者については北朝鮮にいた期間についての補償
3、死亡が確認された拉致被害者についての取り扱い
4、拉致被害者救出の責任についての明文化
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貧困に喘ぐ北朝鮮。
食べる物にもこと欠く北朝鮮。
医療も十分でない。
特にコロナ禍では真面な薬もなく多くの方が命を落としたと想像します。
そんな北朝鮮にとらわれた日本人たち。
全員が生存しているとは考えられません。
国として国民を救出出来なかった期間の補償は当然です。
いくらなんでも不可抗力と言って僅かな金額でお茶を濁す様な事は許されません。
勿論、悪いのは北朝鮮です。
北朝鮮に賠償金請求するのは当然ですが、それが叶わないなら長年放置してきた日本政府にも責任があります。
トランプ大統領のウクライナへの冷たい仕打ち、ドライであり現実の厳しさを知った今、トランプ氏に期待するのはお門違いかもわかりません。
でも期待したい。
プーチンにした様に金正恩を持ち上げ、そして北朝鮮の解放を推挙して欲しいのです。
北朝鮮にアメリカ資本を入れ、その代わり北朝鮮の資源を生かす事を提案して欲しい。
荒唐無稽かもわかりません。
でも微かな可能性を信じ、北朝鮮の解放とそれに伴う拉致被害者の救出を願います。
被害者は1人や2人ではありません。
少なくとも数百人もいるとも言われている被害者を助け出すには北朝鮮の解放しか思い浮かびません。
生半可な気持ちではいつまで経っても前進しない、それだけは言えます。
「拉致問題解決は政権の最重要課題」との言葉は苦し紛れの言い訳にしか聞こえません。
かってトランプ大統領が金正恩氏と対談した時、次のように言ったと新聞の記事にありました。
「北朝鮮が核開発をやめたら、国民が豊かになる社会を作るための資金援助をする。」
「その金は、日本に出させる。」
トランプ氏は昔も今も、関係国との打ち合わせなしに、とんでもないことを言って驚かせますから、発言に注目する政治家も国民もほとんどいませんでした。
荒木氏の意見は当然過ぎるもので、「救出のための法律」さえまともに作れないのですから、政治家の姿勢は「口先だけ」と言わさせるを得ません。
アメリカの了解なしに動けない「拉致問題」にしたのは、歴代の政府です。「刺激してはならない」とマスコミも本気で報道しません。
立花氏も目立ちたいのなら、拉致問題に無関心なNHKの批判と攻撃をすれば良いのです。厄介と見れば肝心なことからは目をそらす・・・氏も無責任な政治家の一人ですね。