先日、定期的に送られてくるある広報誌をみてましたら、著名な作編曲家の方のインタビュー記事が掲載されていました。なにげなく目を通していますと、その方の座右の銘として「それでどうした」という言葉が紹介されていました。良いことがあっても、挫折するような酷い目にあっても、世の中にはもっとすごいことがいっぱいある。それで素直に「それでどうした」と思い直し、慢心しないように心がけているとのことです。素人考えでは「それがどうした」でも良さそうですが、「が」では投げやりなるので、「で」でなくてはダメと書いてありました。
「それdeどうした」「それgaどうした」の言葉の比較。なにか禅問答をしているようですが、何度も複誦していると、「それがどうした」という言葉は、投げやりで行動のあとの反省・自省がないような気がしてきました。「それでどうした」なら、自分より上の優れた人と比較して自分のあり方を位置づけているのですから、慢心する気持ちが抑えられるのでしょう。やはり80歳過ぎまで一線で活躍できる人の言葉は奥が深いです。
この広報誌はどこかの国のリーダーの手元にも届けられている筈です。東日本大震災の大混乱から世界の人が羨むまで国を立ち直らせた実績があるのですから、先輩の言葉を素直に受け止め、しっかりとリーダーシップを発揮していただきたいものです。
写真は京都の仁和寺金堂の仙人像。金堂の屋根から下界を見下ろしています。この仙人さま「それでどうした」と言っているような姿に見えてきました。