今回はポルトガル北部の都市ギマラインス近郊の町ファフェにあるヴィーニョス・ノルテ生産の赤ワインです。赤ワインなのに珍しい微発泡酒。このヴィーニョ・ヴェルデ地方はどちらかというと白ワインの生産が多いのですが、ヴィニャオンという品種のブドウを使った赤。発泡酒はシャンパンとかスパークリングワインとかで馴染みがありますが、微発泡酒ははじめて。どんな味わいか興味もあり買い求めました。カタログには「凝縮した果実味と爽やかな酸味、イワシの炭火焼きとぜひお試し下さい。」冷やして美味しいワインと書いてあります。
コルク栓を抜くとわずかに炭酸酒らしい音がし、グラスに注げば気泡が出てきます。一口含むと口の中で気泡がはじけ、そのあとガツンとした渋みと少し酸味を感じました。なんとも表現するのが難しい味わいです。まさにカタログにある通り、イワシの炭火焼きにあうかどうかは分かりませんが・・・美味しいワインであることは間違いないです。
さて今回のポルトガル豆知識はワイナリーのある都市ギマラインスについて。ガイドブックによれば、ギマラインスは、初代ポルトガル国王アフォンソ・エンリケス生誕地。町の入口には「ここにポルトガル誕生す Aqui Nasceu Portugal」と書かれており、アフォンソ1世が生まれた城など史跡も多いようです。時代は12世紀に遡ります。フランス貴族アンリ・ド・ブルゴーニュの子がエンリケス(アンリはポルトガル語でエンリケ、その子はエンリケス1109‐1185という)。エンリケスが隣国カスティーリャ王国(スペイン)に対抗し建国したブルゴーニュ王朝は1139年から1383年まで続きました。日本では平安時代末から鎌倉・室町時代。源頼朝や足利尊氏が活躍したころです。中世史を勉強している者にとっては親しみを感じる人物ですね。この建国の歴史がポルトガル人の国民性に受け継がれているのかもしれません。ワインを試飲している印象では「誠実」がキーワードでしょうか。今のところハズレはありません。