人生悠遊

写真付きで旅の記録、古都鎌倉の案内などを、周りの人の迷惑にならないように紹介していきます。

白隠禅師の公案 ーー隻手音声(せきしゅおんじょう)ーー

2021-04-24 08:49:27 | 日記

つい最近届けられた月刊誌『花園』を読んでいましたら「隻手音声」を解説した漫画が載っていました。この「隻手音声」はちょうど4年程前の4月に妙心寺で行われた白隠禅師二百五十年穏忌の催しに参加した時、運よく参禅する機会があり、老師よりいただいた公案です。気にはしていたものの、その答えが出せず今になってしまいました。

「隻手音声」とは、「両手で合わせて打てば音がする。では片手ではどんな音が鳴るのか?」という白隠禅師が創作した公案です。参禅初心者に与えられる公案で、参禅の方法も知らない私にはうってつけの公案だったのでしょう。いつの間にか答えを出すことすらすっかり忘れていました。ただこれまで何もしていない訳ではなく、禅語の書物を買い求めたり、『無門関』にもチャレンジしてみたり、お釈迦様の伝記を読んでみたり、少しでも禅の心に触れようと右往左往していました。そして時々この公案のことを思い出してみるのですが、残念ながら答えにはたどりつけませんでした。

さてその漫画ですが、ある大店の主人が白隠禅師からこの公案を与えられ、商売のことも忘れ一心不乱に考えているのですが、全く答えがでません。そこで白隠禅師の助言を求めました。白隠禅師の答えは次の通り。「隻手の声を聞くよりも、両手を打って商いをせよ。・・・まずは店先で”いらっしゃい”と両手を打ってみよ」と言うもの。主人は悟ったのでしょうか?「商人の道は商いにあり。商いの道を究めることが禅の道を究めることにもつながりましょう」と結ばれています。そして解説には、「白隠禅師は静かに坐禅をすることだけが大切ではなく、日常生活を一心に務めることも同様に大切だ」と説かれたとありました。

もしそれが白隠禅師が求める答えなら、それをどう言葉で表現しましょうか?ここでまた行き詰ってしまいました。写真は静岡県原にある松陰寺。白隠禅師のお墓があります。

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