写真は4月9日に写した段葛の桜です。正面は鶴岡八幡宮。段葛は何度も修復を繰り返していますが、今のは平成28年(2016年)3月30日に竣工したもです。早いもので新に桜が植えられてから6年が経ちました。植えられた当時から比べますと背たけが高くなり、幹も太くなっていますし、なんといっても桜の回廊が見違えるようになりました。行き交う鶴岡八幡宮の参詣客も増え、鎌倉の観光名所の地位を確かなものにしました。6年前にも書いたかもしれませんが、思い切ったインフラ整備は将来の財産となります。この500mの桜並木は鎌倉はもちろん、神奈川県内でもベストテンに入る桜の名所になりました。鶴岡八幡宮の先見性には脱帽です。鶴岡文華館も、源氏池の桜も、修復された若宮も、かなりの投資ですが、たぶん近いうちにしっかりと元をとることと思います。
さてこの段葛の過去に遡ってみましょう。まず寿永元年(1182年)若宮大路が開通しました。これは源頼朝が妻政子の安産祈願に造らせたものです。当初から若宮大路の中心に参道が整備されており、江戸時代末までその姿をとどめています。今のように桜が植えられるようになったのは、大正2年(1913年)で158本桜の木の植樹が国から許可されました。鶴岡八幡宮境内の編入地になったのは大正6年(1917年)です。桜の段葛の改修が竣工したのは大正7年(1918年)。その後、昭和36年(1961年)には土手の両側に玉石の壁面を築きました。これは土が雨に流れないようにするためかと思われます、そして平成28年(2016年)に全面改修され、現在の姿になりました。
桜の木の寿命は50年から60年と言われています。段葛の桜は1913年、1961年、2016年と、ほぼ110年の間に3回植樹されていますので、樹勢が衰えてきた都度に整備されてきました。次の改修までは生きてはいませんが、2016年の改修をまじかに見れただけでも幸運でした。