さて本日のブログはクイズです。鎌倉の英勝寺については先日のブログで山門を紹介しました。今回は皆さんに出題させていただきます。英勝寺には写真のほかもう1匹蝉がいます。英勝寺を拝観する機会があったら、セミが何処にいるか捜してください?
ヒントは、まず、「せみ時雨」という言葉があるように蝉がたくさん鳴きたてるとうるさく、礼拝の妨げになります。蝉がいる場所は毎日礼拝する建物外のどこか。英勝寺には国の重要文化財に指定されている建物が五つあり、その建物のどれかでしょう。次に、蝉の大きさは実際のセミと同じ位の大きさで、銅製の落とし鍵の飾りのようにも見えます。3つ目、英勝寺は江戸時代に創建された水戸徳川家の御姫様が住職を勤める尼寺。どの建物も鎌倉の地でお姫様が寂しくないようにしゃれっけのある工夫がされています。この蝉は、「神聖な堂の中に入ったら静かにせよ」の戒めを、毎回扉を開けるときに覚らせているようにもみえます。最後に、蝉は長い間地中にいて、やっと地上に出てきたのにその命は1週間で終えてしまいます。せみは世の無常さを表現したものとの説もあります。どの見方が正しいかは、みる人の感じ方次第。まず見つけてください。
建物のなかは、正面に阿弥陀三尊、そして板壁の美しい絵の数々。小壁の鳳凰、飛天、柱の上の金襴巻の文様、仏の後にある来迎壁の蓮の花、どれも絵の具の色が美しく、これを造った人の思いが伝わってきます。小窓をあけて堂内の阿弥陀様を拝む女のひとが多い素敵な建物です。