急に気温が上がった。
一日の最低気温からマイナスの記号が消え、最高気温は18度。
夏だ。春ではなくて、北国では夏の気温だ。
フキノトウも出遅れた感じで恥ずかしそうに顔を出した。
そんなノンビリとした空気の中、ルンバのスマホにテルテル所長から着信。
私の団地で火事が起きていると云う連絡だ。
数日前に近所で一軒の家が半焼したばかりなのに、また火事?
ルンバと一緒に二階の窓から見回すのだが煙も炎も見えない。それにサイレンの音も聞こえない。聞こえるのは市議選の選挙カーの音だけだ。
それでも普段はあまり人が歩いていない脇道を同じ方向へと進む人がいるのは、それだけで異常な光景だ。
外へ出て歩き出したところをミニパトに追い越された。ミニパトが行く方向に何かがあるに違いない。
団地の最奥の通りに停まっている消防車を発見。緊迫感は無いが少しだけ人が集まっていた。
顔も名前も知らない人同士が集まっての情報交換会。
それによると、お婆ちゃんが可燃ゴミを市で定められている袋に入れるのをケチって自宅裏の河原で燃やしていたところ、強い風に煽られて燃え広がったらしい。
火は、家に届くギリギリの所で消火できたようだ。
家族には止められていたのに頑固者の年寄りが招いた惨事だと、火災が発生した近くに住む私好みの、多分未亡人が教えてくれた。
「こちらの方が良く見えますよ」と案内してくれた場所でしばしの歓談。
このまま「お茶でも飲んでいって❤」なんて誘われたら断りにくいなぁ・・・・・なんて思っていたのだけれど。
そして午後。ルンバとスリスリを乗せて買物の帰途、「あの煙は変だ」と云うルンバの声に反応してユーターンし国道に入ると大渋滞が発生中。
スリスリがスマホで確認すると国道沿いの鳥取大通り1で火災の情報を得た。
早速近くのスーパーに車を置き、現場へ急いだ。
焦げた臭いに異常を感じた近隣の住民が通報したらしい。
火元は空き家でシャッターが閉じている所をみると、昔は何かの商売をやっていたようだ。
情報をスマホで確認していたスリスリが30分前頃に、今燃えている家の600メートル北にある昭和2丁目でも火事があったことを発見。
これは・・・・・もしかしたら放火?
その詳しい情報を得ようと、もう一度好みの未亡人を探したのだけれど・・・・・