「あっ、今日 日曜日なんだね」と私が気付いたのは午後二時を過ぎた頃。
テレビの番組表を眺めていたら 「笑点」の文字を見つけたからだ。
「朝から日曜日です」 ルンバの声は尖っている。(何を今頃お気楽に・・・・・)と思っているのだろう。
仕事をリタイアしたら曜日感覚が薄れた。
毎日が日曜日。
毎日が日曜日なのは良いのだけれど、当然年金以外の収入が無い。
収入の無いオスは自宅にいても居心地が良くない。
ルンバは私が居てもいなくても今までと変わらず洗濯をして掃除機をかける。
主婦には定年なんてものは無いと云いたいのだ。
彼女は優しいので(こう書かないと・・・・・ね)邪魔者扱いをされることは無いのだが、ルンバの目は口ほどにモノを云いたそうだ。
朝、いつもより寝坊して起きて行ったら「もう掃除機かけたからね」と云われた。
つまり私が惰眠を貪っている間、自分は一生懸命動いていたと云いたいのだ。
私への最初の「一刺し」だ。
「ねぇ、そのパジャマ 洗濯して替えて置いたの・・・・・分かった?」
「???・・・・・あっ、ああ。もちろん 分かっていたよ。アリガトゴザイマス」
私への「一刺し」は続く。
昔、「一刺し」はジェームスの役目だった。
それが役目を終え踏ん張りが効かなくなった今、オスの居心地はさらに悪くなった。
私は彼女の邪魔にならないようにと自分でトーストを焼き、コップに牛乳を注いだ。