「眠くなってきた」と云ってルンバが床の上にマットを出してきて横になった。
洗濯を終えてホッとしたのだろう。
私はテレビのボリュームを少しだけ落とし陽が顔に射さない位置までカーテンを静かに閉じた。
これは私が眠くなった時にルンバが私にしてくれるのと同じ行為だ。
テレビの丁度良い音量が眠気を誘う。
タイマー予約をしていたからだろう、急にテレビのチャンネルが切り替わりサスペンスのテーマ曲が流れた途端、「あっ、始まる」と云って目を開けたルンバ。
横になりながら手を延ばしてリモコンを操作し自分で音量を上げた。
死体が発見され、ドラマが始まった。
捜査一課長を中心にストーリーが展開する。
コーヒーを淹れようかと思いルンバに声を掛けたのだが反応が無い。
見ると胸の上で指を組み死体のような顔でルンバが目を閉じて横たわっていた。

私は恐ろしさに身震いしながらルンバの胸の動きを確認した。