霧多布の市街地は本土と橋で繋がれた先に広がっている。
学生時代、JR浜中駅に降り連絡バスで、この市街地まで乗ってきたことがある。
目的地は霧多布岬。市街地から延々と坂道を歩き遙か彼方の岬まで一生懸命歩いた道を、今回は贅沢なことにアクセルを踏むだけで到着。
苦労しない分だけ・・・・・何か味気ない。
ま、そんな余計なことは考えずに景観を楽しもう。
ナビに目的地を登録すると、何がどうなっているのかは知らないけれど、
「現在、目的地の天候は曇。海岸近くには濃霧と雷注意報が出ています」なんて、多分かなりの美人が優しく話し掛けてくれる。
旧車のナビが「次を左です」なんてぶっきらぼうに突き放した声で案内するのとは大違いだ。愛♥があるのだ。
だから濃霧でも雷でも「許しちゃおう」と云う気になる。
で、アクセルを踏むだけで到着した岬は薄曇り。霧も無くてまぁまぁだ。
あやめケ原では萎れていたアヤメもここでは元気が良いしエゾカンゾウだってビンビンだ。
この岬にある灯台は、映画「ハナミズキ」で重要な意味を持つ場所として使われた。
正式名は湯沸岬(とうふつみさき)。トッカリ(アザラシ)を見掛けることからトッカリ岬とも呼ばれる。
このトッカリ岬には、昔シンボルとも言える巨大なローソク岩が屹立していて、歩いて辿り着いた時には立派にデヤーッと立っていたのを見たことがあるのだが、ある日突然崩壊し消えた。
町民にあれだけ愛されていたのに、いくら愛があってもいつまでも同じ形を維持するのは辛かったのだろうねぇ・・・・・きっと。
※続編は、いよいよ根室の予定です。