雪かきをしたルンバが「1万歩以上も頑張った」と汗を拭きながらスマホの万歩計を示した。
朝7時前から3時間半も重い雪と格闘していたのだから1万歩を超えたのも当然と云える。
そこへいくと1時間しか働いていない私は、少ししか汗をかいていないので多分3000歩に達しているかどうかも怪しい。
万歩計を持って出なかったので数値で比較されないのが救いだ。
一番後に雪かきに出て、一番先に家へ戻った私へ、「お父さんも疲れたでしょう」と優しい微笑み。
この言葉の裏には恐ろしい何かが潜んでいるのが分かる私は横に首を振ってスルーはた。
夕方、ルンバは「疲れた、体が痛い」と私に何回も嫌味に聞こえるような大声でアピールを繰り返す。
これを聞き逃すと家庭に地獄が訪れる。
これは「雪かきで頑張ったから何か旨いものを食わせろ」と云う遠回しの脅迫だ。
私は直ぐに察して「夕食は、お母さんの行きたい店へ行こう」と提案した。
「お父さんの食べたいもので良いよ」と返ってくるが、そこで本当に私の食べたいものを主張すると一瞬で闇が訪れるのを私は知っている。
私が提案するのは「お母さんが行きたいかも知れない店」だ。
その中から決まったのが数年行っていないファミレス。
この新コロナの時期、スープバー、サラダバーは利用するたびに手を消毒してディスポの手袋を使わなければならない。
テーブルには食事以外はマスク着用の注意書き。
さらに、大声で話すのも禁止と書いてある。
外食も面倒くさい時代になったものだ。
と云うことで各ボックス席でのヒソヒソ話は何となくエロイ雰囲気。
大声禁止の店内で響き渡るのは店員さんの「ありがとうございました」と言う声だけ。
あっ、そうそう。ハンバーグが以前より かなり小さくない❔