定期の診察日が近い。
少しでも中性脂肪を落とさなければならない。
そして左足の趾に発症している血流低下を防ぐためにも今日は真面目にウォーキングに出た。
1キロ地点にある信号。進む方向が青なら高専裏を一周する3.8キロコース、もし赤なら今歩いてきた道を戻り2キロで済まそうと考えた。
神様は私のズルイ考えをお見通しのようで「頑張れ」と信号を青にした。
横断歩道を渡ってからジョギング開始。緩い坂を上り下りして1.6キロを次の信号まで走る。
500m程の地点が一番辛くなるが、それさえ過ぎると後は案外頑張れるものだ。
アノ症状さえ出なければ。
もちろん家を出るときにはトイレに入って「気配」が無いか確認はしているのだが、今日もヤツは何処かに潜んでいたらしく少しずつ出口を内側から押し始めた。
私は交差点でウォークに戻し、締めながら歩く。
途中、スマホでルンバに「緊急事態」を宣言しようと電話。
「緊急事態」を宣言した時の訓練は済ませてある。
連絡が入ったら玄関のカギを開け、トイレのドアを開け便座の蓋を上げておくキマリだ。
それなのに……電話に出ない。応答がない。
仕方なく汗を流し歯を食いしばって孤独の戦いが続く。
無事に家の鍵を開け、トイレへ飛び込んだがウエストバッグが邪魔でなかなか下ろせない。
出たがるヤツを必死に抑え、やっと腰掛けてホッと一息。
ルンバはマナーモードにしたままでテレビを観ていたんだって。
ゴメン、ゴメンと謝るけれど次は赦さない。
靴の中に盛ってやる。