娘の声楽の先生が企画するコンサートに行って来た。
「二胡」と「中国笛」のコンサートだった。
びっくりしたのは、会場が地域の中学校だったこと。地域の皆さんが来られているというコンサートだった。乳児をだっこして、授乳しながら聞いている人もいた。障害を持っておられる方もいた。本当に地域の公民館みたいな雰囲気だった。
そして、「二胡」という楽器にも魅せられた。そもそも私が行きたいと思ったのは、コンピューターミュージックで「女子十二楽坊」の「自由」という曲を打ち込んでいたからだ。「二胡」という楽器は、あの「女子十二楽坊」のお姉さん達がにこにこしながらひいていたイメージしかなかった。コンピューターで二胡の音を作り出すのは、難しかった。
不思議な楽器だった。二弦しかないのに、いろいろな音が出る。弓のひき方や、ビブラートのつけかたで奥の深い音が出る。しかも同じ「二胡」にもいろいろな楽器があり、最後に出てきたのは、「エレキ二胡」という楽器だった。
そして中国笛を演奏する楊さん、全盲のテノール歌手であり、中国笛の奏者である。
とても魅力的な方だった。以前発表会でもその歌声を聞いていたけれど、トークがとってもおもしろくて、また中国笛の技術もすごかった。中国笛だけでなく、ケーナやオカリナまで、いろいろな笛をふきこなしていた。
爆笑したのは、楊さんが持っていた白杖が、突然笛に変身したことだ。もう、笑えて笑えてしかたなかった。
水道屋さんに穴をあけてもらって作った世界に一つの笛だとおっしゃっていた。それまでは、曲の前に解説があったのだけれど、この白杖を使って演奏した「トルコ行進曲」だけは、解説がなかった。なぜかそれまで使っていなかった白杖を使ってマイクのところまで歩き、ピアノの前奏が始まると突然白杖を横に持って、吹き始めたのだ。もう、驚きとおもしろさで、笑いがこみあげてしかたなかった。
最後の最後まで楽しかった。来てよかったと思った。音楽にあまり興味のない夫も来たらよかったのにと誘わなかったことを後悔した。
そして、ぜひ、学校の子どもたちに楊さんと出会わせたいと思いました。名刺をもらってきたけれど、実現するかなあ。
途中からその事ばっかり考えていました。