Takの山行記録とバイオリンとかAIとか

山行記録に加えて必死に練習中のバイオリン、必死に勉強中のAIについて

フィッツロイ

2019-12-26 22:12:00 | Life in USA by Tak


どうしてもパタゴニアで見たかったのが、この山、フィッツロイ(3,408m)だ。


この有名なロゴのモデルだ。12月24日、エルカラファテからバスで3時間、麓の街、エルシャルテンに行く。


エルカラファテからは、アルゼンチン最大の湖、その名もアルゼンチン湖と、ピエドマ湖の2つと、大平原を越えて行く。

写真では分かりにくいが、ここは氷河で抉られた大カールなのだ。前の地図を見てほしい。湖を含む一帯の平原がカールであることをお分かりいただけると思う。左端の緑が現在の氷河。実際に見るより、地図で見る方が分かりやすい。


エルシャルテンからハイキングでフィッツロイに向かう。山頂は無論無理だし、最も山頂に近いビューポイントまでも往復10時間と日程に合わない。街から最も近いビューポイントまでの往復4時間コースを選択する。


街を後に登り始める。世界遺産かつ国立公園のここは、登山道もしっかり整備されている。


標高こそ低いが、ここは南緯50度、サハリンの緯度と同じくらいで、寒帯の気候だ。植生も日本の高山植生のよう。年平均気温が8度のパタゴニアの冬は雪に閉ざされ、風も強い。植物は低く身を固めて、花の蕾も小さい。


そして、標高750m地点、フィッツロイの頂きは雲の中だった。


本来ならこう見えるはず。


ロゴと同じ風景は、残念。横にいた男性曰く、3度目だが、以前2回は雨でまるで見えず、今日は左端の2つのピークが見えて、ラッキー!
ここからは、パタゴニアの短い夏を彩る、可憐な花たちをご覧下さい。














日本の高山植物とは多くの共通点があるようだ。






麓に降りればホレ、たんぽぽの咲く、草っ原。


パタゴニアというと、何か、随分違う所、というイメージを持っていたのだが、こうして中に入るとごく普通の自然がごくふつうにある、という感じ。




こんなスケールの大きい自然が当たり前のパタゴニアにも、たんぽぽの咲く、原っぱがある。素敵だ。
明日は、氷河を体験する。

















そうだ、パタゴニアに行こう!

2019-12-26 18:36:00 | Life in USA by Tak


今年8月、ふと思ったのでした。そうだ、今年の冬はパタゴニアに行こう!パタゴニアは南米大陸の南の端、最も日本から遠く、最も南極に近い、茫漠、荒涼、冷涼の場所。今アメリカにいる、この時を逃してなるものか。南緯50-55度のこの地は冬には閉ざされた世界。行くなら南半球の夏、北半球の冬がベスト。


パタゴニアと言えば、アウトドアファッションの会社ですが、アメリカはカリフォルニアの会社が何故、パタゴニアをブランドとして選んだのか。正確にはわかりませんが、フィヨルドに流れ込む氷河、鋭い頂を持つ山、ガウチョ、空を駆け回るコンドル、と言った、空想的な風景、が当時の創業メンバーたちが気に入った理由のようです。そして、この企業は環境保護にとても積極的なようです。30年以上前、鎌倉の直営店を訪れた時、売られていたのがペットボトルからの再生ポリエステル製フリースでした。僕の最初のイメージは、まさに環境派スポーツウェア、でした。

さあ、パタゴニアは一体どんな場所で、どのような印象を与えてくれるのか、期待に胸膨らませて、計画を立てました。使える日数はクリスマス週をまるごと使って9日間。土曜日午後にサバンナを出発、夜行便でアルゼンチンの首都ブエノスアイレスには日曜日の昼到着、翌月曜日、さらに2,800km飛んでパタゴニア観光の中心地、エルカラファテに、やっと、入ります。火曜日、バスでエルシャルテンへ移動、パタゴニア社のロゴのデザイン、フィッツロイ山を眺めて再びバスでエルカラファテへ。翌水曜日、午前中は氷河の崩落を見学、午後、最果ての街、ウシュアイアへ800km移動。木曜日、船でビーグル水道をクルーズし、野生動物たちと出会い、水路を囲む山々を眺める。そして金曜日、フエゴ国立公園の自然に触れ、夜、ブエノスアイレスへ。土曜日の夜行便でアメリカへ。これが、パタゴニア、最短、早分かりコースのようです。実質4日間しかいられません。これがパタゴニア。日本からだとさらに3-4日かかりますから、普通のお仕事をしている方には絶望的に遠い場所なのです。


東京から17,806kmだそうです。対セキ点、という言葉がありますが、東京のそれは、ブエノスアイレスの東方海上にあります。まあ、ほぼ地球の裏側からさらに南に 3,000km行った所、南極まであと1,000km、というのが、パタゴニアのある場所です。
さあ、どんな場所か、行ってきます!