
どうしてもパタゴニアで見たかったのが、この山、フィッツロイ(3,408m)だ。

この有名なロゴのモデルだ。12月24日、エルカラファテからバスで3時間、麓の街、エルシャルテンに行く。

エルカラファテからは、アルゼンチン最大の湖、その名もアルゼンチン湖と、ピエドマ湖の2つと、大平原を越えて行く。

写真では分かりにくいが、ここは氷河で抉られた大カールなのだ。前の地図を見てほしい。湖を含む一帯の平原がカールであることをお分かりいただけると思う。左端の緑が現在の氷河。実際に見るより、地図で見る方が分かりやすい。

エルシャルテンからハイキングでフィッツロイに向かう。山頂は無論無理だし、最も山頂に近いビューポイントまでも往復10時間と日程に合わない。街から最も近いビューポイントまでの往復4時間コースを選択する。

街を後に登り始める。世界遺産かつ国立公園のここは、登山道もしっかり整備されている。

標高こそ低いが、ここは南緯50度、サハリンの緯度と同じくらいで、寒帯の気候だ。植生も日本の高山植生のよう。年平均気温が8度のパタゴニアの冬は雪に閉ざされ、風も強い。植物は低く身を固めて、花の蕾も小さい。

そして、標高750m地点、フィッツロイの頂きは雲の中だった。

本来ならこう見えるはず。

ロゴと同じ風景は、残念。横にいた男性曰く、3度目だが、以前2回は雨でまるで見えず、今日は左端の2つのピークが見えて、ラッキー!
ここからは、パタゴニアの短い夏を彩る、可憐な花たちをご覧下さい。









日本の高山植物とは多くの共通点があるようだ。



麓に降りればホレ、たんぽぽの咲く、草っ原。

パタゴニアというと、何か、随分違う所、というイメージを持っていたのだが、こうして中に入るとごく普通の自然がごくふつうにある、という感じ。


こんなスケールの大きい自然が当たり前のパタゴニアにも、たんぽぽの咲く、原っぱがある。素敵だ。
明日は、氷河を体験する。